2020年の日本の経済、社会はコロナで始まり、コロナに終わる1年となった。英米を中心にワクチンの投与が始まっているものの、ここにきて感染力の強い変異性ウイルスが確認されるなど、年明け以降もコロナに振り回される状況に変わりはなさそうだ。ただその一方で、日経平均株価は11月に年初来高値を更新すると、その後もバブル後最高値を更新するなど上値追いの展開が続いている。はたして、2021年も相場の上昇は続くのだろうか。ツイッターのフォロワー数が17万人を超えるなどブレイク中のエコノミスト、エミン・ユルマズさんに話を聞いた。

識者プロフィール

エミン・ユルマズ Emin Yurumazu
複眼経済塾取締役・塾頭
トルコイスタンブール出身。1996年、ウクライナで開かれた国際生物学オリンピックで優勝。2004年、東京大学工学部化学生命工学科を卒業。2006年に東京大学新領域創成学科修士課程を修了し、同年、野村證券に入社。企業情報部に配属され、M&Aアドバイザリー業務に従事する。2009年には機関投資家営業部、2010年には外国株式営業部に配属。2014年に野村證券を退社し、2015年に四季リサーチ、2016年には複眼経済塾に入社、現職。ポーカーのジャパンオープンで優勝するなど様々な顔を持つ。

パンデミックと景気回復の問題がごちゃまぜに

日本株、日本経済
(画像=PIXTA、ZUU online)

新型コロナウイルス感染拡大による2月、3月の株式相場の暴落、いわゆるコロナショックは、その株価急落と反発のスピードにおいて、あらゆるアナリストやエコノミスト、投資家たちの予想を上回るものとなった。この相場について、エミンさんは「相場急落のスピードはともかく、相場は割と早く反発すると予想していた」と語る。

「株価下落が長期化せず、比較的早く反発すると考えた理由が4つあります。まず、世界主要都市のロックダウンによって景気の底が見えたことが第一点。投資家は不確実性や不透明性を最も嫌いますが、経済活動が完全にストップしてしまったため、『これ以上は悪くならない』と考えることができたのです。これによって、投資家たちは買い出動がしやすくなりました。2つめは、世界各国の政府が迅速に財政出動に打って出たこと。3つめは日銀やFRB(米連邦制度準備理事会)、ECB(欧州中央銀行)を中心に世界的な量的緩和が行われたこと。そして4つめは、コロナワクチンが早めに完成するのではないかという期待感です。この4つが、現在までの株高の理由でしょう」

2020年6月、日経新聞は「新型コロナウイルスに関する論文が4カ月で1万本」と報じた。この記事によると、2002年に中国で感染が拡大したSARS(重症急性呼吸器症候群)のケースでは、7カ月後で出た論文が100本程度だったという。それだけ、コロナに関しては猛スピードで研究が進んでいるということだ。この記事を読んだエミンさんは「かつての米ソの宇宙開発競争のような覇権争いが米中の間で行われていることを感じた」というが、いずれにしてもワクチンへの期待感が株高につながったのは間違いないだろう。

これらの要因によって日米の株式相場は上昇を続けたわけだが、11月以降の急上昇に関しては、その裏に危うさが潜んでいるとエミンさんは指摘する。