人数の多さだけでランキングにした場合、「超富裕層」がもっとも多い国はアメリカですが、人口に占める割合でみるとアメリカの順位は10位まで下がります。人口が多い分、超富裕層の人数も多いですが、決して比率的には高いわけではないのです。では超富裕層の比率が高いのはどこの国でしょうか。

超富裕層の人口比率ランキング1位は香港

金融
(画像= and4me/stock.adobe.com)

富裕層調査会社Wealth-Xの2018年のデータから、超富裕層の人口比ランキングを紹介します。このデータでは超富裕層を「3,000万ドル以上の純資産を持つ個人」と定義。以下のランキングで紹介する人数は100万人当たりの超富裕層の人数です。

1位:香港 1,364人
2位:スイス 848人
3位:ルクセンブルク 699人
4位:シンガポール 530人
5位:アイルランド 421人
6位:カタール 384人
7位:スウェーデン 346人
8位:カナダ 334人
9位:デンマーク 324人
10位:アメリカ 306人

このランキングでは香港が1位にランクインしており、100万人当たりで唯一1,000人を超えています。2位以下はヨーロッパや中東の産油国もランクインし、1人当たりの名目GDP(国内総生産)がもっとも高いルクセンブルクは3位にランクインしています。

超富裕層の人数がもっとも多いアメリカですが、隣国カナダよりも低く10位に甘んじています。超富裕層が多くいるメージの強いアメリカも、人口比でいえば香港(1位)の4分の1以下なのです。

超富裕層の人口ランキング1位はアメリカ

超富裕層の人口ランキングも紹介します。

1位:アメリカ 81,340人
2位:中国 24,965人
3位:日本 17,855人
4位:ドイツ 15,685人
5位:カナダ 10.395人
6位:フランス 10,145人
7位:イギリス 9,575人
8位:香港 8,950人
9位:イタリア 6,270人
10位:スイス 6,145人

中国が2位にランクインしていますが、これは中国の人口が世界でもっとも多いためで、人口比率で見ると超富裕層の割合は決して高くありません。日本も3位にランクインしていますが、香港やスイスに比べると超富裕層比率は決して高くありません。

「比率」という視点で比較する重要性

人口比率で見ると、香港やスイス、ルクセンブルクという決して大国ではない国・地域が上位を占めていることが分かります。そしてこうした国は「経済立国」や「金融立国」などと呼ばれ、人口は少なくてもビジネス面で発展を遂げています。

人口が多ければそれだけ超富裕層が増えるのは当然です。それぞれ国の経済的な豊かさを測るのではあれば「人数」ではなくあくまで「比率」で考えるべきで、現にスイスやルクセンブルクは国民1人当たりの所得ランキングでも上位の常連組となっています。