「フィアット500(チンクエチェント)」と聞いてピンとこない人でも、ルパン三世が乗っていた、あの小さくてかわいいクルマといえば分かるはずです。1936年に初代チンクエチェントが誕生してからたくさんの映画にも登場しているこのクルマの魅力をお伝えします。

ルパン三世の愛用車はたくさんあるが、似合うのはチンクエチェント?

金融
(画像= Deyan Georgiev/stock.adobe.com)

ルパン三世の愛用車はいくつかありますが、TVシリーズではクラシックカーの「メルセデス・ベンツSSK」が有名でしょう。2シーターのロングノーズショートデッキスタイルがルパン三世のかっこよさを引き出していました。

チンクエチェントは、第1期のTVシリーズ『ルパン三世』でもたびたび登場していますが、その存在感を世間に知らしめたのは、なんといっても映画『ルパン三世 カリオストロの城』でしょう。

モデルとなったのは、イタリア語で新型の意味がある「NUOVA(ヌォーヴァ)」が頭についた「フィアット ヌォーヴァ500」で、チンクエチェントとしては1957年にモデルチェンジした2代目にあたります。チンクエチェントとは500のイタリア語読みで、排気量は500ccです。

他にも、OVA第3作にあたる2007年の『ルパン三世 GREEN vs RED』では、2代目と発売前だった3代目がカーチェイスで戦うシーンがあります。

さらに2018年にはTVシリーズ『ルパン三世 PART5』では、アバルト仕様のチンクエチェントが登場しています。

フィアットはイタリア最大の自動車メーカー

チンクエチェントを発売しているフィアットは、1899年にイタリア北部トリノで誕生し、現在ではフェラーリ、アルファロメオ、ランチャ、マセラッティ、アバルトなどを傘下に収めるイタリア最大の自動車メーカーなのです。

マツダと業務提携もしていて、フィアット124スパイダーは、4代目マツダ・ロードスターをベースにしていて、兄弟車として日本国内ではアバルト124スパイダーが正規輸入されています。

アバルトはフィアットのチューニング&カスタムメーカーでサソリのエンブレムが有名です。もちろんチンクエチェントのアバルト仕様もあります。

ルパン三世が乗っていた2代目チンクエチェントは、中古車市場で出回っているものの高額なものが多く、ほとんどが応談になっています。さらにメンテナンスまで考えると、ルパン三世のように愛用車にするにはハードルが高そうです。

しかし、2代目をモチーフにデザインされた3代目は新車から購入も可能です。

3代目チンクエチェントのスペック

3代目チンクエチェントは「500」と、電動オープントップの「500C」の2つのモデルがあり、500と名前がついているものの、排気量は875ccの直列2気筒マルチエア インタークーラー付きターボと、1,240ccの直列4気筒SOHCの2つ。

ボディサイズは全長3,570mm、全幅1,625mm、全高1,515mm、車両重量は1,000kg程度と、軽自動車を一回り大きくしたサイズで乗車定員は4人です。

駆動方式は2代目のRRからFFへと変わり、マニュアルミッションもATモード付き5速シーケンシャルになりました。

2代目はキャンバスルーフを採用していましたが、これはリアに搭載した空冷エンジンの騒音や振動を逃がすためだと言われています。ルーフを大きく開けたほうが快適だったというのも不思議な話です。

価格(税込み)
「500 1.2Pop」2,000,000円
「500 TwinAir Pop」2,410,000円
「500 TwinAir Lounge」2,760,000円
「500C 1.2Pop」2,660,000円
「500C TwinAir Lounge」2,950,000円

1.2Popは1,240ccエンジンで、TwinAirはターボエンジンです。PopとLoungeはタイヤサイズや重量が違うのと、装備がLoungeのほうがより充実したものになっています。

お手頃な価格で憧れのチンクエチェントに乗れる

輸入車は車両価格が高いイメージがありますが、チンクエチェントはどのモデルも国産コンパクトカーが買えるのであれば手が届く価格帯です。

また、右ハンドルでとてもコンパクトなボディですので、日本の道路事情にもマッチしています。ルパン三世の愛用車だった2代目をモデルにした3代目チンクエチェントに乗ってみませんか?