THE OWNER特別連載「経営者のお悩み相談所 〜経営コンサルタントが一問一答!〜」第26回目は「商品企画・開発においてトッププレイヤーをつくるにはどうしたらよいのか?」という経営者のお悩みについてお答えします。
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【今回のご質問】
現在、商品開発においてトッププレイヤーがおらず、社長が担っている。トッププレイヤーをつくるにはどうしたら?社長のアタマの中を言語化するだけでよいのでしょうか?
ご質問のニュアンスから考えると、質問者が言われる「商品開発」には(開発だけでなく)商品企画も含まれると思われます。したがってここでは「商品企画・開発」としてお答えすることにします。
実は業種によって「商品企画・開発」のプロセスや制約は大きく異なります。まったく業種想定ができないと説明も難しいので、ここでは中小・中堅企業が手掛けることの少なくない、消費者向けの日用品、例えば便利グッズや台所用品みたいなものの製造開発を手掛けている企業を想定してみましょう。そして卸を経由して量販店で売られている、最もオーソドックスな販売方式を想定してみます(という具合に、質問の背景が分からないと答もピントがずれるリスクが高まることをご承知置きください)。
もしかすると商品の企画・開発だけでなく製造や営業そして管理の指揮まで、何でもかんでも社長が担ってきたような状況かも知れませんね。競争に置いて行かれないよう新商品を開発しなきゃいけないのに、コロナ禍のため社長は取引先や金融機関等とのやり取りに今まで以上の時間を取られてしまう。何とか新たなトッププレイヤーを作らなきゃ…。といった状況が想像されます。
【学歴】一橋大学 経済学部卒、テキサス大学オースティン校 経営大学院修士(MBA)
【専門領域】事業戦略、マーケティング戦略、ビジネスモデル、BPRとBPM
【最新著】『ベテラン幹部を納得させろ!~次世代のエースになるための6ステップ~』
【パスファインダーズ社】少数精鋭の戦略コンサルティング会社として、新規事業の開発・推進・見直しを中心としたコンサルティングを提供。
URL:https://www.pathfinders.co.jp/
「商品企画・開発」プロセスを構成するステップ
まずは消費財メーカーにおける「商品企画・開発」にはどんな要素があるのかを考察するため、その業務プロセスを大まかにブレイクダウンすることから始めましょう。大きく分けて3つのステップで、「商品企画」「技術開発・試作」「検証」です。
これらの大きなプロセスの流れは消費財メーカーなら概ね共通ですが、勝手知ったる既存市場での「商品企画・開発」と、まったく社内に経験の蓄積されていない新規市場での「商品企画・開発」では、各ステップで求められる視点と具体的な中身が大きく異なることには注意が必要です。さらに言えば、広い意味では既存の市場向けであっても、その中でまったく新しいカテゴリーの商品企画・開発を行おうという場合には、いわゆるブルーオーシャンを狙うための特別な視点が求められるため、やはりステップの中身は変わってきます。
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