内山 瑛(うちやま・あきら)
公認会計士。名古屋大学法学部在学中に、公認会計士試験に合格。新日本有限責任監査法人に入所し、会計監査・コンサルティング業務を中心に研鑽を積む。2014年に同法人を退所し、独立。「お客様の成長のよきパートナーとなる」ことをモットーに、記帳代行・税務申告にとどまらず、お客様に総合的なサービスを提供している。近年は、銀行評価を向上させる財務コンサルティングや内部統制構築支援、内部監査の導入支援にも力を入れている。
会計とは、企業の財政状態や経営成績を表す計算処理だ。中小企業経営者のなかには、財務担当者任せにして会計知識が薄かったり、関心がなかったりする人もいるかもしれない。会計を理解すると、会社の実態をある程度把握できる。これは、自社だけでなく他社の実態を把握するのにも役立つ。国が変わっても同様だ。
近年では、外国企業と取引をする日本の中小企業も増えてきているため、時代の流れに合わせて国際会計基準にも関心を持つようにしたい。ただ国や地域ごとに会計ルールが少し異なる。今回は、国際会計基準の概要をはじめ、日本の会計基準との違いなどを簡単に解説していく。
目次
国際会計基準とは?
国際会計基準(IFRS)とは、International Financial Reporting Standardsの略で和訳すると「国際財務報告基準」と呼ばれ国際会計基準審議会(IASB)が策定する会計基準のことである。各国では、自国の会計基準を策定しており、企業はこの会計基準にもとづき決算書(財務諸表)を作成し、株主への報告、税務申告などを行う。
しかし国境をまたいで事業活動を行う企業も多くなっていることから、どこの国の企業であっても共通のモノサシで企業の実態を把握できることを目指して「世界共通の会計基準」として作成された。わが国でも国際会計基準の適用企業は毎年増え続けており、2023年2月時点で251社が適用済み、適用の決定をしている企業は9社ある。
個々の国際財務報告基準および国際会計基準は、国際会計基準審議会が定款の適切な手続にもとづいて順次改訂していった。すべての基準をまとめて呼ぶときはIFRSを用いる。