本記事は、ふかぽん(a.k.a.ボロ戸建てKING)の著書『ヤンチャ大家が教える「最強ボロ戸建て」投資術』(扶桑社)の中から一部を抜粋・編集しています。
最初の家賃設定は相場より6,000円くらい高くつける
客付けにおいて、家賃設定は非常に大事です。できるだけ高い家賃で貸したいというのが全世界の大家の思うところでしょう。
ですが、相場から家賃が1万円高いだけで、その物件によほどの価値がない限り客付けに苦戦するという現実があります。
攻めと守りのバランスを上手にとるのが大切なのです。
ここでは、知っておくと客付けを有利に進められる、ふかぽん流家賃設定のコツをご紹介します。
ぼくのやり方は、まず同じエリア、同じ間取り、同じ最寄り駅までの距離の新築物件を探します。「SUUMO」「ホームズ」「アットホーム」の3サイトをチェックすればOKです。
要はこれが家賃のアッパーです。これ以上の家賃設定は厳しいと思ってください。
続けて、家賃が安い順に並び替えます。すると築年数の古いボロ物件が出てくると思いますが、それがそのエリアにおける家賃の底値です。
最高値と最安値がわかったところで、今度は競合物件の家賃相場を調べていきます。
自分の物件とほぼ同じような条件で検索してみてください。上記サイトでは築年数から、駐車場の有無まで、細かく条件を設定できます。
そこで出てきた数字、それがあなたが得られる家賃の現実的な金額です。
時間がない人は、この金額を調べるだけでもいいのですが、初めは相場感覚を把握するために、最高値から最安値まで広く調べるのがおすすめです。
こうしたライバルたちの情報を踏まえて、家賃設定をしていくわけです。その際のポイントは、相場と思われるラインよりも6,000円高く募集を出して、様子を見ながら3,000円ずつ段階的に下げていくことです。
「相場よりも高く出したら見向きもされないのではないか?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
高めの家賃設定で募集しても、決まるケースはよくあります。
なぜなら、お客さまの中には「今すぐに、このエリア、この間取り、この設備の物件に住めれば、相場よりも多少高くても構わない」という人がいるからです。
マンションやアパートと違い、戸建て物件にはオンリーワンの価値があります。たとえば内装がボロボロのマンションの一室を貸し出す場合、同じ施設内に比較的きれいな部屋があれば、お客さまは必ず両者を比較します。
そして前者を後者よりも高い値段で借りることはないでしょう。
しかし戸建ての場合、同じ間取り、同じ立地の物件は存在しないので、他の物件との比較が成立しません。
戸建て物件は、お客さまのニーズにフィットさえしていれば、割高な家賃設定でも契約がとれる確率が高いのです。これは多くの人にとって盲点だと思うので、ぜひ覚えておいてください。
相場よりも割高な家賃で募集に出したはいいものの、問い合わせがなかなか入ってこない場合は、どのタイミングで家賃を下げればいいのでしょうか。
答えは、あなたの懐事情によります。余裕がある人は、2年でも3年でも、高く借りてくれるお客さまを待てるだけ待つといいでしょう。
資金面に余裕がなく、すぐにでも物件をキャッシュマシーン化したい人は違う戦略をとる必要があります。
もしもあなたが一刻も早く家賃収入を得たいならば、相場よりも6,000円高い値段で募集に出して、2週間が経過しても契約が決まらなかった場合、まずは3,000円、家賃を下げてください。
2,000円ずつ3段階で調整するのもいいですが、家賃2,000円引きではインパクトが弱いので、3,000円がベターです。また、1週間では見切りが早すぎるので、2週間くらいは様子を見てください。
2週間スパンで家賃を下げることは、不動産仲介業者にインパクトを与えるという効果があります。「本気でお客さまを取りにきてるんだな」「いざとなれば家賃を動かす人なんだ」という印象を与えることで、営業の選択肢に入れてもらいやすくなるのです。
もちろん、デキる営業マンから「交渉すればまだ2,000〜3,000円は下がるな」と足元を見られる可能性はあります。実際に不動産会社の営業マンだった頃のぼくは、そう思っていました。
しかし、それを考慮しても「この物件は交渉が可能だぞ」と営業マンに認識してもらうことで、営業の優先リストに入れてもらえる確率は格段に上がるので、メリットしかないといえるでしょう。
まとめます。家賃設定を相場より高くしておいて、即決まればラッキーですし、決まらなければ下げられる余裕があります。お客さまから家賃交渉の相談を受けても、迷うことなく下げられます。
家賃設定を情報公開後に上げるのはデメリットが大きいですが、下げるのは簡単です。最初は試し玉だと思って、すこし高めに設定するのがベターです。この方法を使って、攻めと守りのバランスを上手にとっていきましょう。
ローンを組まず現金で安い戸建てを買い、DIYで安く直して貸し出す手法で、資産を増やしている。現在は25軒の物件を所有し、年間1,000万円以上の家賃収入を得ている。
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