無人型ビジネスや非接触型ビジネスが急速に進展しつつある。実際に海外では、運賃を徴収する「自動運転タクシー」もすでに実用化されていることをご存じだろうか。物流の無人化や非接触型の接客も進みつつある。こうしたことを可能にする先端技術も紹介しよう。

無人型・非接触型ビジネスが進む背景

無人型・非接触型ビジネスが急速に進展!国内外の最新事例を解説
(画像=Gorodenkoff/stock.adobe.com)

無人型ビジネスや非接触型ビジネスが進展している背景には、主に以下のような要素がある。

  • 企業が収益力の向上を後押し
  • 次世代技術の登場・進化
  • コロナ禍が展開スピードを加速

企業の収益力の向上を後押し

まず無人型ビジネスや非接触型ビジネスは、企業の収益力を大幅に向上させる可能性を秘めている点を知っておきたい。これまで人間が提供してきたサービスを無人化・省人化することで企業は人的コストを抑えられる。非接触型ビジネスも似たような側面を持つ。従業員が顧客と実際に対面せずモニターを通じて接点を持つようにすれば移動コストの面で大きなメリットがある。

次世代技術の登場・進化

無人型ビジネスなどは、以前から構想があったがその構想を実現するための技術の進化が追いついていなかった。しかしAI(人工知能)や通信技術の進化によって構想を実際に形にできるようになってきたのだ。例えば自動運転タクシーには、AI技術と高速通信が欠かせない。

コロナ禍が展開スピードを加速

新型コロナウイルスの感染拡大により期せずして無人型や非接触型のサービスに対するニーズが一気に高まった。なぜなら人との接触を抑えることで感染リスクを減らすことができるからだ。この点も無人型・非接触型ビジネスが進む背景として押さえておきたい。

無人型・非接触型ビジネスを可能にする技術

先述したが無人型・非接触型ビジネスを可能にする技術としては、AIや高速通信技術がある。AIに関しては「判断力」が大幅に向上したことが大きい。以前は、人がしてきた単純な作業を代替するに過ぎなかった。しかし今では、人間が思考を伴って行うような判断もAIに担わせることができるようになっている。

高速通信技術では、第5世代の通信技術として「5G」が実用化されたことが大きい。5Gの実用化で超高画質な映像をよりリアルタイムに送受信できるようになった。クラウド上に保存されたデータへのアクセスが高速化したことも大きい。

無人型・非接触型ビジネスの事例

具体的に無人型ビジネスや非接触型ビジネスの事例を紹介していこう。

自動運転タクシー

自動運転タクシーは、2018年からすでに商用展開されている。世界で初めてサービスを商用化したのは、Google系のWaymo(ウェイモ)だ。緊急時を考慮して運転席に乗っていたセーフティドライバーもすでに一部の車両では乗車していない。自動運転タクシーには、衝突回避などの判断が常時必要になるため、AI技術は不可欠だ。

またクラウドとの高速通信も最新の交通情報や地図情報を取得するため、必要になる。

物流ロボット・警備ロボット

先進国では、少子化などによる人手不足が顕著だ。特に物流分野や警備分野では、業務の無人化を実現する最先端ロボットに対する期待感が強い。物流ロボットでは、米スタートアップ企業のNuroがリーディング企業。すでに物流ロボットの量産に動いており警備分野では、日本企業の奮闘ぶりも目立つ。警備大手のセコムなどがすでに無人警備ロボットを開発している。

ライブコマース

ライブコマースは、動画配信とネット通販を組み合わせたサービス。YouTubeなどで生中継動画を配信し視聴者に商品を販売する形だ。接続スピードや同時接続数に強みがある5Gが実用化されたことでライブコマースは中国でとてつもない盛り上がりを見せている。ライブコマースは、コロナ禍が起きたことでよりその利便性の高さが際立つことになった。

接客の丁寧さなどが売りの日本の大手百貨店もライブコマースを導入しつつある。

遠隔医療サービス

非接触型ビジネスとしては「遠隔医療サービス」も今後確実に拡大されていくはずだ。モニターを通じた医師との面談だけにとどまらず手術ロボットを遠隔地から医師がリアルタイムに操作できるようになりつつあり医師不足の地域の課題解決に期待が集まる。特に遠隔手術などでは、リアルタイム性が不可欠だ。5Gなくしてこうした取り組みは実現しない。

投資テーマとしても非常に有望

無人型ビジネスや非接触型ビジネスの市場は、今後非常に有望だ。こうしたビジネスを展開する企業の業績が将来的に大きく向上する可能性があり投資テーマとしても無人型・非接触型ビジネスに注目しておきたい。本記事で紹介した米Nuroも非上場企業ながらすでに時価総額は86億米ドル(1米ドル114円換算で約9,804億円)まで膨らんでいる。

IPO(新規株式公開)により株式市場に上場すれば大きな注目を集めることになりそうだ。

(提供:manabu不動産投資

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