引越しのとき役所で行う手続きは?場所・タイミング・持参するものも解説
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マイホーム購入や転勤などで引越しをする際、プレッシャーになるのが「役所の手続き」ではないでしょうか。そもそもどんな手続きがあるかわからない……。手続きが把握できても、いつどこで行えばよいかわからない……。こんな疑問を持つケースが多いことでしょう。ここでは、引越しのとき役所で行うおもな手続きについて、場所・タイミング・持参するものなども含めてわかりやすく解説します。

目次

  1. 引越しのとき役所でするおもな手続きをリストアップ
  2. 引越しのとき役所で行う「住民票」に関する手続き
    1. 今住んでいる市区町村内へ引越すなら「転居届」の手続きだけでいい
    2. 別の市区町村へ引越すなら「転出届/転入届」の手続きが必要
  3. 引越しのとき「国民健康保険」に関する手続きは忘れずに行おう
  4. 引越しのとき役所で行う「児童手当や転校」に関する手続き
    1. 1.児童手当や子ども医療費に関する手続き
    2. 2.小学校/中学校の転校に関する手続き
  5. 引越しのとき役所で行う「各種手帳」に関する手続き
  6. 引越しのとき役所で行う「犬の飼育」に関する手続き
  7. 引越しのとき「各種年金」に関する手続きは不要
  8. 引越しにともなう役所の手続きをスムーズに進めるには?

引越しのとき役所でするおもな手続きをリストアップ

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はじめに、引越しのとき役所で行う手続きをリストアップしてみましょう。おもな手続きだけでも、それなりの数があります。

引越しをする人、全員が行う手続き、対象者が多い役所の手続きはこちらになります。

・住民票に関する手続き
・国民健康保険に関する手続き
・子どもに関する手続き
・各種手帳(身障者手帳など)に関する手続き
・犬の飼育に関する手続き

本稿でくわしく解説する手続きは以上ですが、ほかにも以下の手続きがあります。

・印鑑登録の手続き
・介護サービスに関する手続き
・水道、電気、ガスなどに関する手続き
・運転免許証の住所変更 など

では、引越しのとき役所でするおもな手続きの中身を一つひとつ確認していきましょう。

引越しのとき役所で行う「住民票」に関する手続き

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住民票に関する手続きのポイントは、引越し先が「今住んでいる市区町村なのか」「別の市区町村なのか」という点です。

これによって役所での手続き内容が変わってきます(下記の表参照)。

引越し先 役所での手続き内容 手続きをする場所
今住んでいる市区町村 転居届 今住んでいる市区町村の役所
別の市区町村 転出届 今住んでいる市区町村の役所
転入届 引越し先の市区町村の役所

なお、「転居届」「転出届/転入届」のいずれも、引越し先に住みはじめてから「14日以内」の届出を怠ると、5万円以下の過料に処せられる可能性があるので注意してください。

それでは、「転居届」「転出届/転入届」それぞれの手続き内容をくわしく見てみましょう。

今住んでいる市区町村内へ引越すなら「転居届」の手続きだけでいい

今住んでいる市区町村へ引越す場合、役所での手続きは転居直後の1回で済みます。

<転居届の手続き>

手続きをする場所 今住んでいる市区町村の役所
手続きのタイミング 引越し先に住みはじめた日から14日以内
手続きの内容 住民異動届(兼 国保・年金・介護届書)
持参するもの ・本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
・該当する全員のマイナンバーカードまたは個人番号カード
・該当する全員の住民基本台帳カード(ある場合)
・本人、世帯主、同一世帯の人以外が申請するなら委任状

ちなみに、持参する本人確認書類は、写真付きの公的なものなら1種類(運転免許証、マイナンバーカードなど)です。

写真のない公的なものなら2種類(各種保険者証、年金手帳など)の提示が求められます。これはほかの役所の手続きでも共通なケースがほとんどです。

別の市区町村へ引越すなら「転出届/転入届」の手続きが必要

別の市区町村へ引越す場合、役所での手続きは「転出届」と「転入届」を行う必要があります。

<転出届の手続き>

手続きをする場所 今住んでいる市区町村の役所
手続きのタイミング 引越し先に住みはじめる日の前後14日以内
手続きの内容 住民異動届(兼 国保・年金・介護届書)
持参するもの ・本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
・該当する全員のマイナンバーカードまたは個人番号カード
・該当する全員の住民基本台帳カード(ある場合)
・本人、世帯主、同一世帯の人以外が申請するなら委任状

なお、転出届の手続きをすると「転出証明書」を交付されますが、マイナンバーカードや住民基本台帳カードを使って申請した場合は「交付なし」の手続きになります。

<転入届の手続き>

手続きをする場所 引越し先の市区町村の役所
手続きのタイミング 引越し先に住みはじめた日から14日以内
手続きの内容 住民異動届(兼 国保・年金・介護届書)
持参するもの ・本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
・転出証明書(前の居住地の市区町村で発行をされたもの)
・該当する全員のマイナンバーカードまたは個人番号カード
・該当する全員の住民基本台帳カード(ある場合)
・本人、世帯主、同一世帯の人以外が申請するなら委任状

引越しのとき「国民健康保険」に関する手続きは忘れずに行おう

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国民健康保険の加入者は、引越し先が同じ市区町村(転居)でも、別の市区町村(転出/転入)でも手続きが必要です。

この手続きが遅れると、医療費が(一時的に)自己負担になるので注意しましょう。

<転居の場合の手続き>

手続きをする場所 今住んでいる市区町村の役所
手続きのタイミング 引越し先に住みはじめた日から14日以内
手続きの内容 ・国民健康保険の住所変更
持参するもの ・該当する全員の国民健康保険証
・本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
・該当する全員のマイナンバーカードまたは個人番号カード
・本人、世帯主、同一世帯の人以外が申請するなら委任状

<転出/転入の場合の手続き>

手続きをする場所 転出時:今住んでいる市区町村
転入時:引越し先の市区町村
手続きのタイミング 引越し先に住みはじめた日から14日以内
手続きの内容 転出時:国民健康保険の脱退
転入時:国民健康保険の加入
持参するもの ・該当する全員の国民健康保険証
・本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
・該当する全員のマイナンバーカードまたは個人番号カード
・本人、世帯主、同一世帯の人以外が申請するなら委任状
・加入の届出時は、保険料の振替口座の通帳/銀行印またはキャッシュカード

引越しのとき役所で行う「児童手当や転校」に関する手続き

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子どもがいるご家庭の引越しにともなう役所の手続きは、大きく次の2つがあります。

1.児童手当や子ども医療費に関する手続き
2.小学校/中学校の転校に関する手続き

1.児童手当や子ども医療費に関する手続き

  • 今住んでいる市区町村へ引越す場合
    「児童手当」は今住んでいる市区町村への引越しなら、転居届の手続きをとるだけで済みます。

一方、「子ども医療証」は住所変更が必要なため、役所の担当課で住所変更の手続きをとらなくてはなりません。

手続きをする場所 今住んでいる市区町村の役所
手続きの内容 子ども医療証の内容変更
手続きに必要な持ち物 ・子ども医療証
・子どもの健康保険証
  • 別の市区町村へ引越す場合
    別の市区町村へ引越す場合は、改めて「児童手当の申請」が必要です。

なお、申請期日は転出日の翌日から数えて「15日以内」です。これを過ぎると支給が遅れることがあるため、注意してください。

手続きをする場所 引越し先の市区町村の役所
手続きの内容 児童手当認定請求
手続きに必要な持ち物 ・世帯主となる親の本人確認書類
(運転免許証やパスポートなど)
・世帯主となる親のマイナンバーがわかるもの
・手当を振り込む通帳またはキャッシュカード

※現在住んでいる市区町村の役所で「児童手当消滅届」をもらった場合は持参

上記と合わせて中学生以下の子どもがいる場合は「子ども医療証」の手続きも行いましょう。児童手当の変更手続きと合わせて行えるケースが多いです。

2.小学校/中学校の転校に関する手続き

転校の手続きは、通っている学校によって変わってきます。ここでは、公立の学校から公立の学校へ転校する場合の手続きを確認してみましょう。

転居の場合も転入/転出の場合も、基本的な流れは次の3ステップになります。

1.在籍している学校におおよその転居または転出の予定日を連絡する
2.在籍している学校から「転学関係書類」を受け取る
3.役所から指定された転校する学校に「転学関係書類」を提出する

※ほかの市区町村へ引越す場合は、転出先の役所で交付された「転入学通知書」も転校する学校に提出します。

ただし、転校はさまざまなパターンがあるため、在籍している学校や役所に確認しながら手続きを進めるのが無難です。

引越しのとき役所で行う「各種手帳」に関する手続き

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ご本人が障害者、もしくはご家族に障害者がいる場合、引越しにともなって「各種手帳(身体障害者手帳、療養手帳、精神障害者保健福祉手帳)の住所変更」の手続きが必要です。

手続きをする場所 転居の場合:住んでいる市区町村の役所
転出/転入の場合:引越し先の市区町村の役所
手続きの内容 各種手帳の居住地等変更
手続きに必要な持ち物 ・各種手帳
・本人確認書類
・印鑑

※市区町村や状況によっては顔写真(縦4×横3㎝)が必要なこともあります。また市区町村によっては印鑑は不要です。

引越しのとき役所で行う「犬の飼育」に関する手続き

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犬と一緒に引越しをする場合は「犬の登録事項変更」などの手続きをしなくてはなりません。

転居または転出/転入いずれの場合も「犬鑑札」が必要になります。引越しにまぎれて紛失しないよう気をつけましょう。

手続きをする場所 転居時:今住んでいる市区町村
転出/転入時:引越し先の市区町村
手続きのタイミング 引越し先に住みはじめた日から30日以内
申請する書類 犬の登録事項変更届
持参するもの 現在持っている犬鑑札
※犬鑑札を紛失した場合は再交付(有料の場合も)

引越しのとき「各種年金」に関する手続きは不要

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老齢年金、障害年金、遺族年金など各種年金をもらっている人が引越す場合、基本的に役所の手続きは必要ありません。

老齢年金の場合は、日本年金機構にマイナンバーが収録されていれば届出は原則不要です。

障害年金または遺族年金の場合も、住民基本台帳ネットワークシステムで住所変更が自動的に確認されるため届出は原則不要です。

ただし、下記にあてはまる場合は届出が必要です。役所の担当課や年金事務所などにお問い合わせください。

・日本年金機構にマイナンバーが未収録の場合
・成年後見を受けている場合
・電話番号が変わった場合 など

引越しにともなう役所の手続きをスムーズに進めるには?

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引越しのとき役所でするおもな手続きを漏れなくスムーズに進めるためには、事前に(例:引越しの1ヵ月前など)「やることリスト」を作成しておくのがおすすめです。

やることを書き出した後、さらに「引越し前にやる手続き」と「引越し後にやる手続き」を仕分けしておくと、うっかり忘れがしにくいでしょう。

※ここでご紹介した手続きには、郵送で行える手続きもあります。くわしくは各市区町村の公式サイトでご確認ください。

(提供:タツマガ

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