風間 啓哉
風間 啓哉(かざま・けいや)
監査法人にて監査業務を経験後、上場会社オーナー及び富裕層向けのサービスを得意とする会計事務所にて、各種税務会計コンサル業務及びM&Aアドバイザリー業務等に従事。その後、事業会社㈱デジタルハーツ(現 ㈱デジタルハーツホールディングス:東証一部)へ参画。主に管理部門のマネジメント及び子会社マネジメントを中心に、ホールディングス化、M&Aなど幅広くグループ規模拡大に関与。同社取締役CFOを経て、会計事務所の本格的立ち上げに至る。公認会計士協会東京会中小企業支援対応委員、東京税理士会世田谷支部幹事、㈱デジタルハーツホールディングス監査役(非常勤)。

創業間もないにもかかわらず、世界を圧倒させている企業がある。それらの企業は総称して「ユニコーン企業」と呼ばれている。ユニコーン企業はアメリカを中心として世界的に数多く存在し、その数も年々増加傾向にあるが、日本では世界と比べてユニコーン企業が少ないとされている。今回はユニコーン企業の核心にせまりながら、日本の現状や課題、世界のランキングリストなどを解説していく。

目次

  1. ユニコーン企業とは?
    1. ユニコーン企業の由来
    2. ユニコーン企業の現状
  2. ユニコーン企業の要件2つ
    1. 要件1.創業から10年以内のスタートアップ企業
    2. 要件2.企業価値評価額が10億ドル以上
  3. 世界のユニコーン企業ランキングリスト
    1. 上位20社のランキング
    2. 国別のランキング
  4. 日本でユニコーン企業が少ない2つの理由
    1. 理由1.起業する人材が少ない
    2. 理由2.成功するスタートアップ企業が少ない
  5. ユニコーン企業を誕生させるために克服すべき2つの課題
    1. 課題1.リスクが許容される社会の構築
    2. 課題2.イノベーション人材の確保
  6. ユニコーン企業とは異なる新たな企業
    1. ゼブラ企業の概要
  7. ユニコーン企業を増やす鍵は投資にある
  8. ユニコーン企業に関するQ&A
    1. Q.なぜユニコーン企業というのか?
    2. Q.ユニコーン企業ってどんな企業?
    3. Q.日本のユニコーン企業数は?
    4. Q.ユニコーン企業なぜ少ない?
    5. Q.ゼブラ企業とは?
ユニコーン企業の定義は? 日本の現状や世界のランキングリストを解説!
(画像=rudall30/stock.adobe.com)

ユニコーン企業とは?

ユニコーン企業の定義は、時価総額が10億米ドル以上ある非上場のスタートアップ企業だ。まずは、気になる由来や日本の現状から解説していく。

ユニコーン企業の由来

ユニコーン企業の名称は、米国のカウボーイ・ベンチャーズのベンチャーキャピタリストであるアイリーン・リーが2013年に提唱したと言われている。

ユニコーンはもともと、ギリシャ神話に登場する幻の動物のことだ。一角獣ともいわれ、額の中央に1本の大きな角をはやした馬とされている。

2013年当時の投資市場において、10億ドル以上の評価額を持つスタートアップ企業(ベンチャー企業)は大変珍しかったことから、幻の動物であるユニコーンに例えられたそうだ。

ユニコーン企業の現状

日本政府は「未来投資戦略2018」において、2023年までにユニコーン企業を20社創出することを掲げてきた。

さらに、その目標を達成するプロジェクトとして、2018年に経済産業省主導の支援プログラム「J-Startup」もスタートしている。

経済の底上げに向け、グローバルに活躍できるユニコーン企業の増加が期待されてきた。その結果、スタートアップ企業の中からユニコーン企業も現れはじめている。