中小企業がレベニューシェア型契約を結ぶメリット

レベニューシェア型契約のメリットは、契約を結ぶ立場によって異なる。ここからは「発注側」と「受注側」に分けて、それぞれのメリットを解説していこう。

発注側のメリット

発注側のメリットとしては、以下の3つが挙げられる。

・初期費用の負担を軽減できる
・ビジネスチャンスを獲得しやすい
・事業失敗のリスクを抑えられる

レベニューシェア型契約では、原則として受注側が開発費用を負担するため、発注側は初期費用を抑えた形でビジネスを展開できる。また、少ない資金で事業を始められる点は、ビジネスチャンスの獲得にもつながるはずだ。

さらに、事前に決めておいた配分率以上のコストは発生しないので、レベニューシェア型契約では事業失敗のリスクも抑えられる。

受注側のメリット

ここまでを読むと、レベニューシェア型契約は「受注側の負担が大きい」と感じるかもしれないが、実は受注側にも次のようなメリットがある。

・成約率が高い
・事業が成功すれば、安定的かつ長期的な収益を得られる
・高いモチベーションを維持しやすい

業種にもよるが、レベニューシェア型契約は成約率が高い傾向にある。初期費用や事業リスクを軽減できるなど、発注側にさまざまなメリットが生じるためだ。

また、事業の成功によって安定的・長期的な収益を得られる点や、業務のモチベーションを維持しやすい点も受注側のメリットと言えるだろう。

レベニューシェア型契約の注意しておきたいデメリット

次は、レベニューシェア型契約の注意しておきたいデメリットを、発注側と受注側に分けて解説していく。

発注側のデメリット

発注側が特に注意すべきデメリットは、収益(売上)が増えるほどコストも増えてしまう点だ。レベニューシェア型契約の報酬は固定金額ではないため、最終的に発生するコストを正確に予測することは難しい。

また、事業の方向性を変更したい場合などに、受注側からの理解が必要になる点もデメリットと言える。つまり、事業に関して単独で意思決定をすることが難しいため、発注する内容は範囲は慎重に決めることが重要になる。

受注側のデメリット

受注側のデメリットとしては、コストを回収するまでの期間が長引く点が挙げられる。基本的に初期費用を負担するのは受注側であり、かつ成果が出るまで報酬が支払われないことから、場合によってはキャッシュフローの面で悩まされてしまうだろう。

また、事業が失敗に終わった場合に、期待した収益を得られなくなる点も注意すべきデメリットになる。

レベニューシェアとは?

上記の通り、レベニューシェア型契約にはメリット・デメリットの両方があるため、どのようなビジネスにも適した契約形態とは言えない。特に受注側はリスクを抱えやすいので、売上の配分率をうまく調整するなど、より慎重に契約を結ぶことが求められる。