この記事は2022年6月1日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=PIXTA)

2022年6月1日(水)の午前10時すぎに現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

2022年6月1日。昨日5月31日(火)の欧米市場では、月末のリバランスにより米ドル/円が急騰したにも関わらず、ユーロ/米ドルが底堅く推移していたのは、ユーロ圏のインフレ率が極めて高まっているとの報道が影響している。

ユーロ圏のインフレ率は5月に過去最高となった。CPI速報値は前年同月比8.1%上昇。エコノミスト予想中央値の7.8%上昇を上回った。ロシアのウクライナ侵攻を受けて商品相場が上昇、食料品とエネルギーが値上がりした。ECB政策委員会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁は、0.5%利上げの選択肢を排除すべきではないとの見解をロイター通信とのインタビューで示した。

(出所:ブルームバーグ)

欧州でもインフレの上昇が顕著になってきている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

インフレが最も高騰している米国では、バイデン米大統領がFRBの独立性を尊重すると宣言したと同時に、11月の中間選挙を控えて問題化している数十年ぶりの高インフレについて、その責任をFRBに転嫁したと報道されている。

バイデン米大統領がインフレの高騰をFRBの責任に転嫁するだろうというのは、西原氏のメルマガでも取り上げており予想通りともいえるが、FRBの責任にするところがあらためてすごいと思わされる。また、 西原氏が個人的に気になっているというのが、バンク・オブ・アメリカの下記の記事。

バンク・オブ・アメリカのストラテジストらによれば、ポンドは新興国通貨で通常見られるような苦境に直面しており、投資家はポンドの「実在的」危機をヘッジする必要があるという。ストラテジストのカマル・シャーマ氏はリポートで、イングランド銀行(英中央銀行)による利上げ継続はポンドを救うには力不足だと指摘。英国の経常赤字や、北アイルランドを巡る欧州連合(EU)との関係悪化、さらに、英中銀の信頼性についての疑念が重なり、「最悪の状況」を生じさせるリスクがあるという。

(出所:ブルームバーグ)

過去3カ月の円の下落は鮮明だったが、ポンドの下落幅もなかなかのもの。この記事によって即ユーロ/英ポンドをロングにするとういうわけではないが、久しぶりにユーロ/英ポンドの動向をチェックしようと思っている。

戦略的には、ユーロ/米ドル、そしてユーロ/円やユーロ/英ポンドといったユーロクロスの押し目買いで臨みたい。

▽ユーロ/米ドルの日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。