この記事は2022年6月1日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=PIXTA)

2022年6月1日(水)の午後1時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。

現在の為替相場の傾向や相場観

米経済に対する過度なリセッション(景気後退)懸念が後退し、マーケットのテーマが金融政策に回帰したことで円が売られている。

再び、日米金利差拡大が意識されるなか、2022年5月31日(火)、ウォラーFRB理事が「必要な限り0.5%の利上げが好ましい」とのタカ派発言も手伝い、現在の米ドル/円は129円台まで回復。

また、2022年5月31日(火)はユーロ圏の5月消費者物価指数が発表され、予想を上回る結果から欧州の物価上昇が加速していることが確認された。これで先週ラガルドECB総裁のタカ派発言を正当化する内容となっており、ユーロも堅調地合いが続いている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

2022年5月31日(火)、バイデン米大統領、パウエルFRB議長、イエレン米財務長官の3者会合が開かれ、バイデン政権にとってインフレの制御が最重要課題であることが改めて強調された。

FRBは9月に利上げを実施した後、一旦は様子を見るとの声も聞こえてきたが、秋の米中間選挙を控えて圧力をかけられた格好なので、あまりハト派的な行動はできないかもしれない。

そうなるとやはりドルは強いという印象を受けるが、米ドル/円でみると2022年5月19日の高値131.35円上抜けるにはやや材料不足だろう。週末に向けて米ISM製造業景況指数や米雇用統計が予定されており、景況感と雇用情勢が上昇燃料になるか確認をしたい。

一方、物価上昇の止まらない欧州はECBによる利上げ路線は避けられないだろう。急進的な利上げへの思惑からもう一段のユーロ買いを期待したい。ただ、急激な利上げは欧州の景気減速懸念によるユーロ売りもセットになるため、深追いは避け、ユーロ/円の押し目を拾っていく戦略を考えている。

▽ユーロ/米ドルの日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。