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証券会社で口座開設をするときに、特定口座と一般口座のどちらかを選びます。この2つの口座の違いがわからず、どっちを選ぶべきか迷っている人も少なくありません。
そこで今回は、特定口座と一般口座の違いをわかりやすく解説します。NISA口座との違いもわかるので、投資初心者はぜひチェックしてみてください。
特定口座と一般口座の違いは?
特定口座と一般口座の違いは、譲渡損益の計算を、証券会社がやってくれるかどうかの違いです。
つまり特定口座の場合は譲渡損益の計算を証券会社がやってくれますが、一般口座の場合は自分で計算しなければなりません。さらに、特定口座にて源泉徴収を選択した場合(源泉徴収選択口座)には、所得税の確定申告をする必要もなくなります。
特定口座と一般口座の違い |
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・特定口座で投資が便利に ・「源泉徴収あり」なら確定申告が不要に ・「源泉徴収あり」のデメリットは税金を一律に徴収されること |
特定口座で投資が便利に
証券会社で口座を開設するとき、口座の種類を一般口座と特定口座のどちらかを選べます。このとき、特定口座を選ぶと投資が便利になるためおすすめです。
具体的には、本来必要な譲渡損益の計算を、証券会社に任せられます。
譲渡損益の計算 |
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上場株式等に係る譲渡所得等の金額=総収入金額-必要経費(取得費+譲渡費用+負債利子) |
例えば、2022年の取引に係る譲渡損益を証券会社が計算してくれて、その計算結果を2023年1月31日までに特定口座年間取引報告書という形で知らせてくれる流れです。
一方で、一般口座の場合は譲渡損益を自分で計算するため、「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」に計算事項を記入しなければなりません。
1つの銘柄を分割取得(積立投資など)した場合には、「取得費」の計算が「総平均法に準ずる方法」という方法になり難しくなるため、その計算を証券会社に任せられる点は特に大きなメリットといえます。
ちなみに、投資信託の取引では証券会社のウェブサイトなどでトータルリターンを確認できますが、投資信託のトータルリターンと税金計算上の所得は異なる概念なので、参考にできません。
源泉徴収ありなら確定申告が不要に
特定口座を開設すれば、税金の計算を証券会社にやってもらえるため確定申告が容易になることは上述しました。加えて「源泉徴収あり」を選択することで確定申告自体が不要になります(源泉徴収選択口座)。
確定申告が不要な理由は、預貯金の利子や会社員の給与と似た仕組みであるためです。
つまり、源泉所得(株式等の売却代金)が支払われる際に、支払者(証券会社)があらかじめ税金を差し引いて支払い、税務署(所得税)や都道府県、市町村(住民税)に納付しています。
受渡時点で税金が差し引かれ納付されるので、その時点で納税が終わっているようなものです。そのため、あらためて確定申告をする義務は課されていません。
「源泉徴収あり」のデメリットは?
良いこと尽くしで悪いことがなさそうな源泉徴収選択口座ですが、実はデメリットもあります。具体的には、次のようなデメリットです。
- 税金を前払いしていることになる
- 本来より高い額が徴収されていることがある(還付を受けられるのに受けない人が多い)
例えば、4月1日に100万円の譲渡益が生じたとします。税率は約20%なので税額は約20万円です。
仮に源泉徴収選択口座であれば、4月1日(実際は受渡日)時点で100万円の譲渡益が実質80万円に減ってしまいます。
一方、特定口座(簡易申告口座「源泉徴収なし」)であれば、その20万円の税金は所得税が翌年3月15日(振替納税なら4月20日頃)まで、住民税は翌年6月から翌々年の5月にかけて納付すれば良いのです。
この例では、本来は翌年以降に支払う税金を、源泉徴収口座では約1年以上も前払いしていることになります。
このほか、例えば住宅ローン控除の適用がある人や低所得者、サラリーマンで給与以外の所得が20万円以下の場合などは、本来負担しなくて良い税額を負担していたり、納めすぎの状態になっていたりすることに注意が必要です。
仮に100万円の譲渡益で20万円徴収されたとき、給与所得や事業所得など他に所得がない人であれば、少なくとも所得税において基礎控除48万円を譲渡益から差し引いて税額を計算できます。
すると課税される上場株式等に係る譲渡所得は100万円ではなく52万円に抑えられ、これに税率20%を乗じた額、すなわち10万4,000円が本来の税額になるのです。
確定申告をすれば徴収税額と本来の税額の差額(この例では9万6,000円ほど)が還付(住民税は所得割額、均等割額の順に充当され残額があれば還付)されますが、確定申告をしなければ還付されません。
源泉徴収選択口座なので確定申告は不要と考えている人は、還付を受けられるケースを逃してしまうことにも注意が必要です。
なお、サラリーマンは給与以外の所得が20万円以下なら確定申告義務を負わないため、源泉徴収されてしまうとこの優遇制度(20万円以下確定申告不要ルール)が利用できません。
特定口座と一般口座はどっちを選ぶべき?
特定口座と一般口座のどっちを選ぶべきかについては、大まかに次のとおりです。つまり、未公開株を取引したい人(口座)を除いて、特定口座をおすすめします。
特定口座がおすすめの人 | 一般口座がおすすめの人 |
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・確定申告の手間を抑えたい人 ・確定申告をしたくない人 ・所得を抑えたい人 | ・未公開株を取引したい人 |
特定口座とNISA口座の違いは?
特定口座とNISA口座の違いは、課税口座か非課税口座かです。つまり、特定口座は運用益に課税される口座で、NISA口座は運用益が非課税になる税制上優遇された口座となります。
これだけ見るとNISA口座を選ぶのが当然ですが、ほかにも次のような違いがあることに注意しておきましょう。
特定口座 | NISA口座 | |
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他の金融機関での開設 | できる | できない |
譲渡益 | 課税 | 非課税 |
配当益 | 課税 | 非課税 |
損益通算(内部通算) | 確定申告すればできる(源泉徴収口座で配当を受け入れた場合は譲渡損失と配当益の通算が可能) | できない |
年間購入額 | 特に制限なし | 一般NISA:120万円 つみたてNISA:40万円 |
特定口座とNISA口座を選ぼう
特定口座とNISA口座の違いを紹介しましたが、これから投資を始めるのであれば、NISA口座を選ぶことをおすすめします。
NISA口座は年間40万円または120万円に投資額が制限されますが、約20%の税負担がない点が大きなメリットだからです。
ただ、NISA口座はどの証券会社でも開設できるわけではありません。さらに、取引手数料や取扱商品の豊富さなどを考慮すると、以下の証券会社でNISA口座を開設することがおすすめです。
NISA口座開設におすすめの証券会社 |
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・SBI証券 ・楽天証券 ・マネックス証券 |
ぜひこの記事を参考に、自分にあった証券口座の種類を選んでみてください。