投資信託は専門家に運用してもらえる、初心者でも投資を始められやすい投資商品になります。投資信託のメリットや銘柄の選び方を理解し、少額から投資を検討してはいかがでしょうか。

投資信託とは?

投資信託とは?初心者向けにメリットや銘柄の選び方を解説
(画像=Montri/stock.adobe.com)

投資信託は、投資家から集めた資金を専門家が運用する金融商品です。投資先は国内外の株式や債券など、多岐にわたります。運用がうまくいけば投資信託の基準価額が上がり、資産が増えます。

投資信託は投資先の商品を専門家に任せることができることから、初心者も投資を始められやすいと思います。また、投資信託は個別の株式などよりも長期投資に向いており、小まめに個別銘柄の株価をチェックする必要がないため、仕事や家事・育児で忙しい人にも向いています。

投資信託の3つのメリット

次に、初心者が投資信託に投資するメリットを3つ紹介します。

分散投資でリスクを抑えられる

投資信託の魅力は、間接的にさまざまな資産や地域のさまざまな投資商品に投資できることです。

投資の世界には「卵をひとつのカゴに盛るな」という格言があります。卵をひとつのカゴに入れてしまうと、カゴを落とした時にすべての卵が割れてしまいます。しかし、複数のカゴに分散して入れておけば、ひとつのカゴを落としたとしても、他のカゴに入っている卵が割れることはありません。

これを投資に置き換えてみましょう。A社の株式に10万円投資した場合、A社が倒産したら資産は0円になってしまいます。しかし、1万円ずつ10社の株式に投資すれば、1社が倒産したとしても損失は1万円で済みます。10社すべてが同時に倒産することは考えにくく、損失が出ても他の株式の利益で損失をカバーできることもあります。

投資信託は専門家が国内外の株式・債券などから投資先を選び、運用してくれる金融商品です。つまり投資信託を保有するだけで、分散投資の効果でリスクを抑えることが期待できるのです。

専門家が投資先の商品を選ぶ

世の中には株式や債券、不動産などをはじめ多くの投資商品があります。これらの投資商品の中から投資先を選ぶ際には、各銘柄や業界の特徴、価格が割安か割高かを調べる必要があります。これらの情報収集や分析の手間を省けるのが投資信託のメリットといえるでしょう。

また、投資信託は専門家が一定の基準で投資先を選定し、投資家に代わって資金を運用してくれます。商品ごとに「全世界の株式」「国内の株式」「米国の株式・債券」など、ある程度投資先の範囲が決められているため、興味のある分野の投資信託を保有し、細かい投資先の選定は専門家に任せられます。

少額から投資経験を積める

少額から投資を始めることができるのも投資信託のメリットです。

基準価額が10%下がった時、100万円投資していた人の損失額は10万円ですが、1万円投資していた人の損失額は1,000円です。このように投資金額が大きくなるほど損失のインパクトも大きくなります。

最近は、100円から投資信託の積立を始められる証券会社もあります。積立投資とは毎月1万円などの金額を決め、定期的に一定額で投資信託を購入することです。最低投資金額は証券会社によって異なりますが、「1,000円から」「1万円から」など、初心者でも無理なく始められる金額設定が一般的です。

国内株式は基本的に100株単位で投資する必要があるため、最低投資金額が数十万円から数百万円になることもあります。米国株式は1株単位で投資できますが、世界的に知名度の高い人気の米国企業だと、1株が数十万円に達している銘柄もあります。

投資信託の選び方

ここでは、初心者向けに投資信託の銘柄の選び方を解説します。

まずは情報収集が大切

数多くの投資信託の中から、自分の資産運用に合う投資信託を探す必要があります。

投資信託の銘柄ごとの特徴を理解した上で資産運用を行うためには、本や雑誌、インターネットから情報収集を行ったり、最寄りの金融機関で相談したりすることで、投資信託への理解度を深めていきましょう。

自分に合う投資信託を選ぶために必要なこと

自分の資産状況や年収、家族構成などによって、投資信託の選び方は異なります。

将来の年収が安定していない人や、まだ小さい子どもがいる人は、高いリスクを負わないほうがよいでしょう。反対に、年収が安定していて継続的な貯金ができている人や、子どもが成人してお金がかからない人、投信信託のリスクを適切に理解できている人は、余剰資金の範囲内でご自身の投資目的に合った相応のリスクでリターンを狙ってもよいかもしれません。

次に、初心者向けに投資信託の銘柄を探す際に参考となる選び方を2つ紹介します。

つみたてNISAの対象銘柄を選ぶ

投資信託を始めるなら、つみたてNISAの利用を検討しましょう。

つみたてNISAは、国が用意した税金の優遇制度です。通常は投資で利益が出ると約20%の税金がかかりますが、つみたてNISAなら税金がかかりません。具体的には「毎年40万円×20年間=合計800万円」を非課税で運用できます。税金が差し引かれないため、効率的に資産を形成できます。

つみたてNISAで選べる投資先は、長期の積立・分散投資に適していると国が判断した一定の投資信託です。つまり、投資信託の中でもさらに、初心者向けの銘柄が厳選されているということです。

つみたてNISAの口座を開設し、つみたてNISA対象銘柄に投資すれば、リスクを抑えて投資をスタートできるでしょう。

インデックス型の銘柄を選ぶ

投資信託の運用方針のひとつに「インデックス型」があります。インデックス型とは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)といったベンチマークとの連動を目指す投資信託のことです。インデックス型の投資信託の多くは運用コストが低く、長期投資にも適しています。インデックス型かどうかは、投資信託の目論見書で確認できます。

インデックス型の他に、市場平均を上回る成果を目指す「アクティブ型」という運用方針もあります。しかし、アクティブ型は相対的に大きなリターンを狙える代わりに、リスクも大きくなる傾向があります。

初心者のうちは、こちらのリスクを踏まえて、相対的にリスクの低い投資信託への投資から検討しましょう。

投資信託にもリスクがある

投資信託は国内外の株式・債券などに分散投資をするためリスクを抑えることが期待できる金融商品ですが、投資である以上必ず利益が出るとは限りません。場合によっては、損をしてしまうリスクもあります。株価や債券の価格変動の影響、為替レートの影響などで、投資した時より基準価額が下がってしまう恐れもあります。

投資信託にもリスクがあることを理解し、あくまで余裕資金で投資することを心がけましょう。また、少額から投資を始め、情報収集や銘柄分析に慣れてから投資金額を少しずつ増やしていくことも大切です。

初心者は投資信託で投資を学ぼう

投資信託の目論見書などには、投資先の商品やリスクといった投資情報が載っているので、情報収集の手間が省けるだけではなく、投資の勉強にもなります。今後、株式などの個別銘柄への投資も検討しているのであれば、投資信託から学べる点は多くあるのではないでしょうか。

※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。

(提供:Wealth Road