この記事は2022年6月23日に「月刊暗号資産」で公開された「参院選、各党が公約にWeb3.0・暗号資産等について明記」を一部編集し、転載したものです。


公定価格の見直しによる給料引き上げは適切か、その財源は
(画像=PIXTA)

22日に公示され、7月10日に投票される参院選の公約に、Web3.0を盛り込む党が相次いでいる。与党・自民党においても16日に発表した参院選の公約にWeb3.0やNFT(非代替性トークン)、ブロックチェーンについて明記した。

参院選公約では、「Web3.0時代を先導し、デジタルの徹底的な活用により、課題を価値に、コストをバリューに転換する新しい資本主義に挑戦していく」とし、「ブロックチェーン・NFT・メタバースなどの新技術を活用し、Web3.0に対応した新しいデジタル経済圏を確立するため、人材育成も含めた環境を整備し、国際社会でも主導的な役割を果たす」と記した。

以前からブロックチェーンや暗号資産(仮想通貨)領域に注力する姿勢を見せてきた日本維新の会は、公約「参院選2022マニフェスト」の「成長戦略:情報通信・テクノロジー」の項目で「特区活用や世界最先端の日本型スーパーシティの実現等により、IoT、ビッグデータ、ロボット、NFT、ビヨンド5G(6G)等の技術革新を生かせる競争環境を構築する」とNFTについて明記した。

また、「金融政策」項目内では「国際金融市場における競争力の確保の観点から、暗号資産税制の改正を行い、雑所得としての課税方式からキャピタルゲイン課税に改めます。また、暗号資産を利用した資金決済分野の革新を後押しするとともに、ブロックチェーン技術の研究開発を進め、暗号資産の分野で世界をリードする先進国の立場を取り戻します」と説明している。

先日、暗号資産税制改革を提言した玉木雄一郎代表率いる国民民主党は公約の「重点政策2022」内で、Web3.0に関連し「NFTを生かした経済推進へ暗号資産を20%の申告分離課税に」と明記した。発行法人が保有する暗号資産に関しては、「期末時価評価の対象から除外し、実際に収益が発生した時点で課税します」と記している。こうした税制改革を行うことで、人材や事業の海外流出を防ぐという。

さらに、公明党も公約の「経済の成長と雇用・所得の拡大」の項目内で「Web3.0時代を見据え、わが国のNFTを含むブロックチェーン技術の活用に向けた新たなビジョンや方策を検討し、同技術を活用した地方創生を推進します」と記している。

今回の参院選では各党いずれもWeb3.0を重要視していることがうかがえた。与野党問わず、Web3.0への取り組み強化を共通認識として持っていることから、参院選後は暗号資産税制の改革のほか、様々な環境整備を急速に進めていく可能性がある。(提供:月刊暗号資産