個人のワークライフバランスが重視される中、近年ではウェルビーイングが注目されている。日本では働き方改革とも関係するため、経営者や上層部はその考え方を理解しておかなくてはならない。ここではウェルビーイングの概要や手法、メリットなどを解説する。

目次

  1. ウェルビーイングの意味や定義
    1. ウェルフェアとの違い
  2. ウェルビーイングが注目される背景
    1. ウェルビーイングの誕生は1946年
    2. 日本では価値観の多様化をきっかけに注目される
    3. 新型コロナウイルスも注目される一因に
  3. ウェルビーイングに取り組むメリット
    1. 離職率低下や定着率アップにつながる
    2. 生産性がアップする
    3. 優秀な人材を確保できる
  4. ウェルビーイングの取り組み方や手法
    1. 【STEP1】従業員が自身の不調に気づける制度を導入する
    2. 【STEP2】労働環境の見直しと改善
    3. 【STEP3】コミュニケーションの円滑化
    4. 【STEP4】福利厚生の充実
    5. 【STEP5】実施状況のデータ化
  5. ビジネス面のウェルビーイングを判断する5つの要素
    1. Career well-being(キャリア ウェルビーイング)
    2. Social well-being(ソーシャル ウェルビーイング)
    3. Financial well-being(フィナンシャル ウェルビーイング)
    4. Physical well-being(フィジカル ウェルビーイング)
    5. Community well-being(コミュニティ ウェルビーイング)
  6. 国内・海外のウェルビーイングの事例
    1. 【事例1】社員自身がプロジェクトを提案/丸井グループ
    2. 【事例2】3つの部門に分けてチームを構成/楽天
    3. 【事例3】多角的な調査によって従業員を徹底分析/積水ハウス
    4. 【事例4】チームを成功させる5つの鍵を提唱/Google
    5. 【事例5】アプリを利用した健康管理/Virgin Pulse
  7. ウェルビーイングのよくある質問
    1. Q1.ウェルビーイングとはどういう意味?
    2. Q2.ウェルビーイングを構成する5要素とは?
    3. Q3.ウェルビーイングの使い方や例文は?
    4. Q4.ウェルビーイングはなぜ必要?
    5. Q5.ウェルビーイング経営のメリットは?
    6. Q6.ウェルビーイング経営のデメリットは?
    7. Q7.ウェルビーイングの歴史を知りたい
    8. Q8.幸福度を上げる行動や方法は?
    9. Q9.幸福度が高い人の特徴とは?
    10. Q10.日本のウェルビーイングの現状は?
  8. ウェルビーイングは将来の企業価値につながるキーワード
ウェルビーイングとは? 取り組むメリットや手法を事例とともに解説
(画像=Viktoriia/stock.adobe.com)

ウェルビーイングの意味や定義

ウェルビーイング(well-being)とは、「心身のすべてが満たされた健康な状態」のことである。さまざまな調査において、幸福度の高い従業員は業務パフォーマンスが上がると判明したことから、現在ではビジネスシーンで注目されるようになった。

ウェルビーイングは、従業員自身が「幸せだ」と感じていることが前提となる。つまり、他人から見て肉体的・精神的に健康であっても、本人がそれを自覚していない場合は当てはまらない。

ウェルフェアとの違い

同じくビジネスシーンで使われる「ウェルフェア(welfare)」は、福祉や福利厚生を表す言葉だ。例えば、社内食堂や家賃補助などの福利厚生は、ウェルフェアサービスと呼ばれることがある。

語感が似ているため混同されやすいが、ウェルビーイングは目的、ウェルフェアは手段として使い分けられている。