ビジネス面のウェルビーイングを判断する5つの要素
従業員のウェルビーイング(幸福度)は外見から判断できないため、施策の効果が分かりづらいケースもある。ここからはビジネス面での判断指標として、米国の調査会社であるギャラップ社による要素の定義を見ていこう。
Career well-being(キャリア ウェルビーイング)
ウェルビーイングの「キャリア」には、仕事面でのスキル向上や昇進のほか、プライベート面での活動も含まれる。例えば、家事や育児、学習、ボランティア活動などもキャリアの一環であり、ひとり一人の従業員が「日常をどのように過ごしているか?」を判断するための要素だ。
簡単に言い換えれば「ワークライフバランス」のことであり、日本の働き方改革にもつながる要素である。
Social well-being(ソーシャル ウェルビーイング)
直訳すると社会的な幸福だが、ここで言う「ソーシャル」とは人間関係のことである。従業員が安心して働くには、周りに信頼できる仲間や愛情を注げる人間、不安になった時の相談相手などが必要だ。
交友人数やコミュニケーションの量だけではなく、個々の関係性もポイントになるため、ビジネス面では上司や同僚、部下などとの関わり方を確認したい。
Financial well-being(フィナンシャル ウェルビーイング)
ビジネス面でのウェルビーイングでは、経済面の視点も欠かせない。仮に業務負担が少なかったり、やりがいのある仕事を与えていたりしても、報酬が見合っていなければ従業員は不安を抱える。
そのため、企業側は「納得できる報酬を受け取っているか」や「正しい資産管理ができているか」などを確認する必要がある。
Physical well-being(フィジカル ウェルビーイング)
フィジカル面(身体的)の幸福度は、言うまでもなく重要な要素だろう。仕事をこなすには健康であることが前提であり、健康面はメンタルやモチベーションにも影響する。
外見からは判断できない体調不良もあるため、定期的な健康診断や人間ドックなどを実施することが望ましいだろう。
Community well-being(コミュニティ ウェルビーイング)
ここで言う「コミュニティ」とは、家族や親戚、友人などの身近な集団を指す。ビジネス面では経営者との関係性のほか、部署や取引先との関係性も確認しておきたい。
前述の「ソーシャル ウェルビーイング」とも関わるため、望ましいコミュニティを形成できるようなサポートも重要になる。