ウェルビーイングのよくある質問
ウェルビーイングの施策を考える前には、十分な基礎知識をつけておく必要がある。以下ではウェルビーイングに関するQ&Aをまとめたので、おさらいの意味も含めてしっかりと確認していこう。
Q1.ウェルビーイングとはどういう意味?
ウェルビーイング(well-being)とは、肉体的・精神的・社会的に満たされており、幸福を実感できる状態を指す。従業員のパフォーマンスに影響する要素であり、近年では多くの企業が実現に向けたプロジェクトを進めている。
Q2.ウェルビーイングを構成する5要素とは?
ウェルビーイングの実現では、幸福度を構成する以下の要素を意識する必要がある。
- ポジティブな感情(Positive Emotions)
- エンゲージメント(Engagement)
- 良好な関係性(Relationships)
- 意味や意義(Meaning)
- 達成(Accomplishments)
上記の構成要素は、それぞれの頭文字を取って「PERMA」と呼ばれている。
Q3.ウェルビーイングの使い方や例文は?
元々、ウェルビーイングはWHO憲章で用いられた言葉だが、現在ではさまざまなビジネスシーンで使用されている。
例文1:労働環境を改善し、従業員のウェルビーイングを実現する。
例文2:最近では働き方改革やウェルビーイングの重要性が叫ばれている。
ちなみに、似た用語である「ウェルフェア」は手段のひとつであり、日本語では福祉や福利厚生と訳されることが多い。
Q4.ウェルビーイングはなぜ必要?
ウェルビーイングが注目されたきっかけは、労働人口の減少や社会的価値観の変化と言われている。さまざまな業界で人手不足が叫ばれる中、ウェルビーイングによって離職率を低下できる意味合いは大きい。また、ウェルビーイングは個人のワークライフバランスの実現にもつながる施策と捉えられている。
Q5.ウェルビーイング経営のメリットは?
企業がウェルビーイングに取り組むと、離職率低下や定着率のアップ、生産性向上、優秀な人材の獲得などにつながる。また、個人の働き方が重視される現代では、企業価値を向上させる効果も期待できる。
Q6.ウェルビーイング経営のデメリットは?
ウェルビーイング経営のメリットや効果は、すぐに表れるものではない。長期的には生産性や企業価値の向上を期待できるが、そのためにはある程度の予算を割き、さまざまな施策を続ける必要がある。
コストによっては経営が圧迫されるリスクもあるため、本業に力を入れることはもちろん、費用対効果を意識した施策を考えることも重要になる。
Q7.ウェルビーイングの歴史を知りたい
ウェルビーイングの発祥は、1946年に公表されたWHO憲章と言われている。2011年にはアメリカの心理学者であるマーティン・セリグマン氏が、「計測可能なウェルビーイング理論」を提唱した。
ウェルビーイングに関する研究は世界中で行われており、独自の研究結果を公表している企業も存在する。
Q8.幸福度を上げる行動や方法は?
従業員の幸福度を上げるには、それぞれの価値観や考え方、ライフスタイルなどを受け入れる必要がある。また、時代やニーズの変化に合わせて働きやすい環境を整えることも、これからの企業には求められるだろう。
人の幸福度は精神状態に左右されやすいため、身体的な健康面はもちろん、メンタルヘルスの維持にも取り組まなければならない。
Q9.幸福度が高い人の特徴とは?
一般的に幸福度が高い人は、プライベートと仕事面で信頼できる人に囲まれており、他者とコミュニケーションを取る機会が多い。このような環境があれば、仮に仕事で失敗しても相談ができるので、大きなストレスを抱えにくくなる。
そのため、ウェルビーイング経営では現場の人間関係を注視し、円滑なコミュニケーションのための場を提供することがポイントになる。
Q10.日本のウェルビーイングの現状は?
持続可能開発ソリューションネットワーク(SDSN)の「World Happiness Report」によると、2019年~2021年における日本の幸福度は世界で第54位である。幸福度スコアは6.039であり、上位を占める北欧勢とは大きな差がある結果となった。
第1位:フィンランド(7.821)
第2位:デンマーク(7.636)
第3位:アイスランド(7.557)
(※)カッコ内はSDSNが算出した独自のスコア。
ウェルビーイング経営を始める企業は増えているが、世界的に見ると日本の取り組みはやや遅れている。