この記事は2022年10月12日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年10月12日(水)の午前9時すぎに現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
今週の注目は明日13日(木)発表の米国のCPIだが、本日12日(水)の欧米市場ではイングランド銀行(BOE)のベイリー総裁のコメントでポンドが急落し、再び注目がポンドに集中している。
イングランド銀行のベイリー総裁は、市場での介入は計画通り週末までに停止すると述べ、維持できないポジションは手じまうよう投資家に呼びかけた。「関係するファンドや企業に私が伝えたいメッセージは、残されているのは3日だということだ」とワシントンで開かれたイベントで発言。「金融安定の本質として、介入は一時的なものだ。長引かせるものではない」と述べた。
(出所:ブルームバーグ)
英国債市場を守るため、介入停止を延長するとの期待もあったが、ベイリー総裁は「残されているのは3日」とコメントし、英ポンド/米ドルは再び1.1000を割り込み、ユーロ/英ポンドは0.88ドルミドルまで反発。
現在の為替相場の戦略やスタンス
英ポンド/米ドルは一時1.0350ドルまで暴落した後、イングランド銀行の市場介入により、5.00%台まで急騰している30年債利回りも反落。英ポンド/米ドルも一気に1.1500ドルレベルまで値を戻していた。
その後30年債利回りは底堅く推移していたのだが、上記のベイリー総裁のコメントにより、一気に4.80%まで反発している。呼応して英ポンド/米ドルも再び1.1000ドルを割り込んでいる。
ベイリー総裁は「維持できないポジションは手じまうよう投資家に呼びかけた。」ともコメントしており本当に週末介入を停止し、マーケットが混乱するのではないかと思わせるものがあり、ちょっとしたパニックになっている。
英国債利回りと、英ポンド/米ドル、ユーロ/英ポンドの動向に注目。
▽英ポンド/米ドルの日足チャート
*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。