この記事は2022年10月12日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=dietwalther/stock.adobe.com)

2022年10月12日(水)の午前9時すぎに現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

今週の注目は明日13日(木)発表の米国のCPIだが、本日12日(水)の欧米市場ではイングランド銀行(BOE)のベイリー総裁のコメントでポンドが急落し、再び注目がポンドに集中している。

イングランド銀行のベイリー総裁は、市場での介入は計画通り週末までに停止すると述べ、維持できないポジションは手じまうよう投資家に呼びかけた。「関係するファンドや企業に私が伝えたいメッセージは、残されているのは3日だということだ」とワシントンで開かれたイベントで発言。「金融安定の本質として、介入は一時的なものだ。長引かせるものではない」と述べた。

(出所:ブルームバーグ)

英国債市場を守るため、介入停止を延長するとの期待もあったが、ベイリー総裁は「残されているのは3日」とコメントし、英ポンド/米ドルは再び1.1000を割り込み、ユーロ/英ポンドは0.88ドルミドルまで反発。

現在の為替相場の戦略やスタンス

英ポンド/米ドルは一時1.0350ドルまで暴落した後、イングランド銀行の市場介入により、5.00%台まで急騰している30年債利回りも反落。英ポンド/米ドルも一気に1.1500ドルレベルまで値を戻していた。

その後30年債利回りは底堅く推移していたのだが、上記のベイリー総裁のコメントにより、一気に4.80%まで反発している。呼応して英ポンド/米ドルも再び1.1000ドルを割り込んでいる。

ベイリー総裁は「維持できないポジションは手じまうよう投資家に呼びかけた。」ともコメントしており本当に週末介入を停止し、マーケットが混乱するのではないかと思わせるものがあり、ちょっとしたパニックになっている。

英国債利回りと、英ポンド/米ドル、ユーロ/英ポンドの動向に注目。

▽英ポンド/米ドルの日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。