この記事は2022年10月12日に「月刊暗号資産」で公開された「ダッパーラボ、EUの追加経済制裁を受けロシア関連アカウントを停止」を一部編集し、転載したものです。


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(画像=PIXTA)

ブロックチェーン開発企業のダッパーラボ(Dapper Labs)が6日、ロシア人およびロシアとのつながりがあるとみられるアカウントを停止すると発表した。

これは6日にEU(欧州連合)が合意したロシアに対する追加経済制裁措置を受けてのものだ。

この制裁措置ではロシアに対して暗号資産(仮想通貨)ウォレットやアカウント、カストディなどといったサービスを全面的に禁止する条項が盛り込まれている。これまでは取引量が1万ユーロ(約142万円)までであれば制裁対象とはならなかったが、ロシアにおいて暗号資産を活用しようとする動きが強まっていることを受け、EUは締め付けを一層強化した。

ダッパーラボによると、同社の決済処理やストアドバリューサービスのパートナーはEUの規制適用範囲内にあるという。その上で、規制の影響を受ける全ての口座について、EUの規制に準拠するよう指示を受けたとしている。

なお、今回の措置でロシア人およびロシアとのつながりがあるとみられるアカウントは完全に閉鎖されたわけではない。ダッパーラボによれば、今回の措置において影響を受けたとしても引き続きNFT(非代替性トークン)の閲覧は可能となっており、保有資産の所有権もアカウントに帰属するという。

今回、対象となるアカウントが行えなくなるのは「全てのダッパースポーツ(Dapper Sports)におけるモーメントの購入、販売、贈与」、「ダッパーアカウントからの全ての出金」、「ダッパー残高の購入」の機能だ。

ダッパーラボはプレスリリースで、「我々はこの状況を注意深く見守っていく」と述べ、引き続きサポートを続けていく姿勢を見せた。

現在、ロシアは経済制裁の影響を緩和すべく、暗号資産やブロックチェーンの活用を模索している。

ロシアのプーチン大統領は先日発生したクリミア大橋の爆発を「ウクライナによるテロ行為だ」との認識を示し、首都・キーウなどへ報復攻撃を行った。日本を含む先進7ヵ国(G7)はロシアの行動を強く非難しており、今後さらなる制裁を下す可能性がある。(提供:月刊暗号資産