この記事は2022年10月14日に「月刊暗号資産」で公開された「国内暗号資産・ブロックチェーン関連団体、NFT販売関連のガイドラインを共同公表」を一部編集し、転載したものです。
複数の国内暗号資産(仮想通貨)およびブロックチェーン関連団体は12日、NFT(非代替性トークン)を通じたコンテンツ流通の円滑化と活性化等のために「NFTのランダム型販売に関するガイドライン」を共同で策定し、公表した。
今回、このガイドラインを共同公表したのは以下の団体だ。
- 一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)
- 一般社団法人ジャパン・コンテンツ・ ブロックチェーン・イニシアティブ(JCBI)
- 一般社団法人日本ブロックチェーン協会(JBA)
- 一般社団法人ブロクチェーン推進協会(BCCC)
- スポーツエコシステム推進協議会(C-SEP)
ガイドラインでは、現在、NFTビジネスが急速に発展している中で、「ランダム型販売サービス」に注目が集まっていると指摘している。ランダム販売とは、ガチャ販売、パッケージ販売、リピール販売、ランダムジェネレーション販売を指す。
現状、NFTのランダム型販売に関して日本では賭博罪(刑法185条)の成否や消費者保護が明らかにされていない。この点について、ガイドラインでは「ランダム型販売は、勝者が財物を得て敗者は財物を失うという相互得喪の関係がないものとして原則として財物の得喪を争う関係が生じない」と結論をまとめている。
また、ガイドラインでは賭博罪に問われないための注意点として、「販売者はランダム型販売で出現するNFTについて似合い流通市場での買取価格や転売価格を設定し自ら買取や転売を行うことは避ける必要がある」とした。
そしてNFTについては、販売会社が一次流通市場で別途の販売価格を設定してユーザーに販売する場合、「消費者保護の観点から出現するNFTについて別途設定された販売価格と乖離しないように留意する」ことを挙げ、「レアリティ等により別途販売価格の単価に差異を設ける場合には、ランダム販売売の販売価格が、出現するNFTについて別途設定された販売価格のうち最も低い価格を超えないように留意する」としている。
さらに、ユーザー間の二次流通市場において、NFTがランダム型販売によって取引される場合には、販売会社とユーザーとの間に「得喪を争う」関係が観念できる場合があるため、販売会社としては二次流通市場のビジネスを慎重に検討すべきとの考えが示された。
ガイドラインでは消費者保護として、適正な情報提供をすることを検討するべきとしている。例として、特定のキャラクターの価値が高い旨を販売会社が過度に宣伝することや、特定のキャラクターをゲームにおいて過度に有利に扱うことなどを避けるよう説明している。
また、射幸心を煽る情報提供は避けるよう指摘しているほか、発行予定数や出現率を開示して販売する場合は、実際よりも高い数字を表示することが景品表示上の不当表示となり得るため、避けるようにとした。(提供:月刊暗号資産)