この記事は2022年10月19日に「月刊暗号資産」で公開された「デジタル通貨フォーラム、ソフトバンクや東京都などが新たに参加」を一部編集し、転載したものです。
リップルの開発チームであるRippleXは17日、分散型台帳XRPレジャー(XRP Ledger:XRPL)での導入を前提とし、イーサリアム仮想マシン(Ethereum Virtual Machine:EVM)と互換性のあるサイドチェーンのテストを開始したことを発表した。
このテストはブロックチェーン関連企業ピアシスト(Peersyst)がサイドチェーンを開発し、第1フェーズとなるテスト版をリリースしたことにより開始された。
このサイドチェーンを開発する目的としては、XRPL上でイーサリアムのスマートコントラクトを利用可能にすることを挙げている。XRPLをEVM互換した場合、スケーラビリティやセキュリティなどが損なわれる可能性があるという。そのため、RippleXとピアシストが協力してEVM互換のサイドチェーンを開発することになったようだ。
第1フェーズのリリースの一環として、XRPLの「Devnet」とEVM互換サイドチェーンのブリッジ機能も導入したという。開発者はブリッジ機能を用いて、Devnet上で発行されたXRPをネットワーク間で交換するテストを行うことが可能だ。
RippleXはリリースで、「開発者はもはやXRPLかEVM互換のブロックチェーンかという選択を行う必要がなくなり、両者の長所を手に入れることが可能となる」と述べている。
今後、2023年初頭に第2フェーズに入る予定としており、ここでは自由に参加が可能なサイドチェーンやブリッジのテストを行う計画となっている。ある程度制限が加えられている環境下でスケーラビリティのテストを行う予定だという。
その後、最終段階に当たる第3フェーズでは、EVM互換のサイドチェーンとブリッジ機能をXRPLのメインネットで利用可能にすることを目指す。発表ではこの第3フェーズの実施時期について明確に示されていない。
全3フェーズを通じて、EVM互換のサイドチェーンがXRPLのメインネットと同等のブロック生成およびファイナリティを行えるようにすると説明している。また、メタマスク(Metamask)やRemix、Truffleなどといったアプリケーションのサポートも今後行うとしている。(提供:月刊暗号資産)