この記事は2022年11月7日に「CAR and DRIVER」で公開された「【スーパースポーツ特集】現代に蘇ったランボルギーニ・クンタッチLPI800-4。世界112台限定車が提示した新価値」を一部編集し、転載したものです。

ランボルギーニ・クンタッチLPI800-4 世界限定112台生産車

【スーパースポーツ特集】現代に蘇ったランボルギーニ・クンタッチLPI800-4。世界112台限定車が提示した新価値
ランボルギーニ・クンタッチLPI800-4 現代に蘇ったLPI800-4は永遠の名車を未来へと継承するメモリアルモデル システム出力814hpの5.4リッター・V12搭載 トップスピードは355km/hに達する

純エンジン・ランボルギーニの最後を飾るメモリアル

2022年6月21日、ランボルギーニ・ジャパンはクンタッチLPI800-4の発表会を都内で催した。日本では長らく「カウンタック」の名で親しまれてきたモデルのリバイバル版だが、イタリア語の発音としては「クンタッチ」が近く、今回、正式に呼び名を改めることとなった。

それにしても、いまから50年以上も前にデビューしたクンタッチを現代に甦らせることに、どんな意味があるのだろうか?

昨年、ランボルギーニは中期的な電動化計画を発表。これによれば、同社は2024年までに全モデルのハイブリッド化を終え、2020年代後半には初のBEVも投入して二酸化炭素削減に取り組んでいくという。そして、これに先立つ2022年までの時期を「内燃エンジン搭載モデルを祝福する時期」と位置づけ、プラグインハイブリッドを搭載しない“純エンジン車時代”の最後を飾るモデル群を投入すると宣言した。

いまはまさに、その真っ最中。中でもクンタッチLPI800-4は、「内燃エンジン搭載モデルを祝福」する中核的な存在である。

【スーパースポーツ特集】現代に蘇ったランボルギーニ・クンタッチLPI800-4。世界112台限定車が提示した新価値
チーフスタイリストのミッティア・ボルカートが描いたLPI800-4のイメージスケッチ 彼は1stクンタッチの熱烈な信奉者として有名

デザイン鮮烈! 最高出力814hp/トップスピード355km/h!

新生クンタッチで最も目を引くのは、やはりそのデザインだ。シャープなウェッジシェイプはオリジナル・クンタッチを髣髴とさせるもの。リアクォーターウィンドウ上に設けられたエアスクープやリアフェンダー上のNACAダクトも、サイズ感に違いはあれども、往年のイメージを巧みに再現している。

一方で、薄いフロントフェンダーや後に向けて跳ね上げるような格好のウェストラインは、ディアブロを想起させる。

つまり、この1台の中に歴代ランボルギーニのエッセンスが凝縮されている。それが、クンタッチLPI800-4の造形なのだ。

ハードウェア面から見ると、新型クンタッチはカーボンモノコックにV12エンジンをミッドシップし、ここにスーパーキャパシタによるハイブリッドシステムを組み合わせた。レイアウト的にはシアンとよく似ている。

最高出力は814hp。他に例を見ないハイブリッドシステムは驚くほど小型軽量で、車両全体のパワー・ウェイト・レシオを向上させる効果があるという。

全世界で112台が限定販売されるクンタッチLPI800-4。ちなみに価格は200万ユーロなので、日本円で2億8,000万円ほど。それでも112台が完売済みというから、デビューから半世紀を経たいまもクンタッチ人気は衰えていない。

新型にして、すでにクラシックの風格を持った名車である。

【スーパースポーツ特集】現代に蘇ったランボルギーニ・クンタッチLPI800-4。世界112台限定車が提示した新価値
LPI800-4を含め1stクンタッチ以降のランボルギーニ・トップモデルはV12を縦置きするLPレイアウトを採用 各部の造形は1stモデルのオマージュ ドアはシザーズスタイル
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パワーユニットは6,498cc・V12DOHC48V(780hp/720Nm)とキャパシタ(34hp/35Nm)の組み合わせ システム出力814hp 限定車のシアンと共通
【スーパースポーツ特集】現代に蘇ったランボルギーニ・クンタッチLPI800-4。世界112台限定車が提示した新価値
メーターはフル液晶デザイン トランスミッションは8速DCT 大型パドルがレーシーな印象 0→200km/h加速は2.8秒でクリア
【スーパースポーツ特集】現代に蘇ったランボルギーニ・クンタッチLPI800-4。世界112台限定車が提示した新価値
シートはヘッドレストに「ファイティングブル」の刺繍が入る 素材とカラーはフルオーダー仕様
【スーパースポーツ特集】現代に蘇ったランボルギーニ・クンタッチLPI800-4。世界112台限定車が提示した新価値
センターコンソール部にシリアルナンバープレートを装着 エンジンはレッドカバー下のボタンで始動する

ランボルギーニ・クンタックLPI800-4 主要諸元

【スーパースポーツ特集】現代に蘇ったランボルギーニ・クンタッチLPI800-4。世界112台限定車が提示した新価値

グレード=クンタッチLPI800-4(世界112台限定)
全長×全幅×全高=4,870×2,099×1,139mm
ホイールベース=2,700mm
乾燥車重=1,595kg
エンジン=6,498cc・V12DOHC48V
最高出力=574kW(780hp)/8,500rpm
最大トルク=720Nm/6,750rpm
モーター(キャパシタ)最高出力=34hp
モーター(キャパシタ)最大トルク=35Nm
システム出力 kW(hp)=599kW(814hp)
サスペンション=前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
駆動方式=4WD
乗車定員=2名
0→100㎞/h加速=2.8秒
0→200㎞/h加速=8.6秒
最高速度=355km/h
*性能スペックは欧州仕様

【スーパースポーツ特集】現代に蘇ったランボルギーニ・クンタッチLPI800-4。世界112台限定車が提示した新価値
Writer:大谷達也、Photo:Lamborghini

(提供:CAR and DRIVER