この記事は2022年11月16日に「月刊暗号資産」で公開された「BlockFi、FTX破綻の影響受け破産申請を準備中か」を一部編集し、転載したものです。


FTX
(画像=PIXTA)

暗号資産(仮想通貨)レンディングサービスを手がけるBlockFiが、破産申請を行う準備を進めていることがわかった。15日、Wall Street Journal(WSJ)が報じた。

報道によると、BlockFiはFTXと同様、米連邦破産法11条(Chapter11)に基づく申請を行う見込みだという。同社は今月11日、FTXや関連会社のアラメダ・リサーチ等の状況が明確ではないため、通常通りの業務を行うことができないとし、顧客に対する出金を一時停止すると発表していた。

関係者によれば、今後BlockFiは従業員を削減し、米連邦破産法11条の適用に向け準備を進めていく。現時点で、破産申請に関するBlockFiによる公式発表はない。

BlockFiは今年7月に破産申請を行った暗号資産ヘッジファンド・スリー・アローズ・キャピタル(Three Arrows Capital:3AC)に融資を行なっていたことで多額の損失を被り、FTX USから融資を受けていた。

FTXの破綻を受け、その影響が同社にも波及することが懸念されていたが、創業者でCOOのフローリ・マルケス(Flori Marques)氏は9日に「BlockFiは完全に稼働している」と述べ、これを否定した。しかし、そのわずか2日後にBlockFiは顧客資産の出金停止を発表している。

15日には、FTXやその関連企業に対し大きなエクスポージャーがあると発表した。引き続き回収に向け取り組んでいくものの、FTXがすでに破産申請を行っていることにより、一連の対応に遅れが生じる可能性があるとしている。

なお、声明ではBlockFiが保有する資産の大部分がFTXでカストディされているという指摘を否定した。

業界に大きな影響力を持っていたFTXの破綻により、暗号資産関連企業の連鎖的な倒産に対する懸念が広がっている。相場の乱高下も加わり、どれほどの企業が現在、そして今後影響を受けるのか見通しは見えていない。

こうした危機を回避すべく、大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)のCEOであるCZ(Changpeng Zhao)氏は業界回復基金を設立すると発表した。詳細は明らかになっていないものの、今回の一件により多くの企業・プロジェクトが影響を受けていることから、支援を求める要望が殺到する可能性もある。(提供:月刊暗号資産