相手の喜ぶことを見つけてお礼をしっかりとする

あなたが、仕事や勉強でつまずいたら、その仕事を楽しくやってくれそうな人がいないか、ちょっと周囲を見回してみましょう。そして、自分が楽しくできなかったことを手伝ってくれた人がいたら、お礼をするのです。

プレゼントがいいのか、ボーナスを上乗せしてあげることがいいのか、美味しいものをおごるのがいいのか、昇進させてあげるのがいいのか、あるいは「その人の能力を高く買っていること」を周囲にアピールしてあげることがいいのか……。相手によって、それは様々だと思います。

相手を知ってその人に合わせたお礼を用意するのは、そんなに難しくはありません。

普段から人を観察するようにしていれば、少しずつできるようになります。相手にとって何をしてもらうことが嬉しいのかを理解するには、あなた自身が「相手が嬉しいと思うこと」を知っていなければいけません。

ところで、フランス人のDさんの趣味はピアノ演奏と、日本の書籍を日本語で読むこと。それから日本の伝統的な建築も、日本の古典的な美術も大好き。京都の舞妓さんとも懇意だったりします。カラオケも歌います。お箸を使うのも上手で、お気に入りの日本料理店で魚を美味しそうに食べる様子は、見ているほうまで微笑ましくなってきます。日本にとても興味があり、プライベートまでしっかりとしたたしなみができる男です。

例えば、こんなDさんに「お礼」をするには、あなたならどうしますか?

=世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた
中野信子
1975年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用化学科卒業。同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。科学の視点から人間社会で起こりうる現象及び人物を読み解く語り口に定評がある。現在、東日本国際大学特任教授、京都芸術大学客員教授。
著書に『脳はなんで気持ちいいことをやめられないの?』『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『サイコパス』(文藝春秋)、『空気を読む脳』『ペルソナ 脳に潜む闇』(講談社)、『キレる! 』『「嫌いっ! 」の運用』(小学館)など多数。また、テレビコメンテーターとしても活躍中。

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