この記事は2022年12月6日に「月刊暗号資産」で公開された「米リップル社とSECが回答書を提出 有価証券問題を巡る裁判は最終局面へ」を一部編集し、転載したものです。


XRP
(画像=CYB3RUSS/stock.adobe.com)

SEC(米証券取引委員会)と米リップル社は2日、暗号資産(仮想通貨)XRPの有価証券問題を巡る裁判において、略式判決の申し立てに対する互いの意見に対し、再修正された回答書を提出した。

リップル社は書面で、「2013年から2020年にかけて行ったXRPの販売が投資契約の募集および販売にあたり、米連邦証券法上の証券であるというSECの主張は全く証明できていない」と述べた。また、XRPの購入者がリップルの「共同事業」に投資したことの証拠もないとも付け加えている。

リップル社は書面の最後で「裁判所は被告の申し立てを認めるべきであり、SECの申し立てを却下すべきである」と改めて主張した。

リップル社側の弁護士であるスチュアート・アルデロティ(Stuart Alderoty)氏は3日、自身のTwitterを通じて、「これは私たちに有利な判決を下すよう裁判所に求める最後の提出物だ。2年の長い年月を経て、リップルは暗号資産業界全体を代表して築き上げてきた弁護を誇りに思っている。私たちは常に裁判所に対して真摯に対応してきた。私たちの敵(SEC)に対して同じことを言うことはできない」と述べた。この発言からも、XRPの有価証券を巡る訴訟が最終局面を迎えていることがうかがえる。

一方で、SECも反対の立場を崩していない。書面では投資家がXRPと引き換えにリップル社に20億ドル(約2,740億円)を提供したと主張しているほか、XRP購入者が第三者から利益を得ることに期待していたと述べている。

2020年12月、SECはリップルに対して「XRPを未登録の証券として販売し、13億ドル(約1,780億円)を調達した」と主張し、リップル社と創設者のクリスチャン・ラーセン(Christian Larsen)氏およびCEOのブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)氏に対して訴訟を起こした。当初からリップルはSECの主張に意義を唱え、XRPは証券ではなく暗号資産とみなされるべきだと説明し、SECの証拠の欠如を指摘していた。

裁判は長期化が懸念されていたが、今年9月に両者が略式判決を求めたことで早期解決の可能性が高まっていた。(提供:月刊暗号資産