この記事は2022年12月15日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年12月15日(木)の午前11時すぎに外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券を経て、1991年メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月外為どっとコム総合研究所入社。
現在の為替相場の傾向や相場観
市場の関心が集まった今年最後のFOMCを経て米ドル/円は「往って来い」となった。
インフレ鈍化期待で将来の利下げを見据えた市場に対して、パウエルFRB議長は利下げを検討するのはまだ先としてタカ派姿勢で対抗したものの、ドル買いは続かなかった。パウエル氏の会見後に米長期金利が低下に転じた動きからも、市場としては議長のタカ派発言はある程度想定済みだったことがうかがえる。
日銀が、来春に発足する新体制下で大規模緩和の点検・検証を行うとの観測報道が出たことも踏まえると、米ドル/円は上値の重い展開が続きそうだ。
ただ、日銀の政策点検・検証にせよ、FRBの利下げ転換にせよ、仮に実現するとしても来年4~6月期以降で当分先の話である。金利負担が大きい米ドル/円のショートポジションを現時点で構築する動きが強まるとも思えない。
現在の為替相場の戦略やスタンス
本日15日(木)は、SNB(スイス中銀)、BOE(英中銀)、ECB(欧州中銀)の政策金利発表が予定されており、市場の関心は欧州通貨の動向に向かいがちだろう。
欧州通貨に対するドルと円の値動きが同じ方向に向きやすいことから、米ドル/円の動意は鈍る公算が大きい。米ドル/円相場は、このまま年末に向けた自動操縦モードに切り替わる可能性もあると見ている。
▽米ドル/円の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。