新型コロナウィルス感染拡大による入国規制が撤廃され、外国人観光客が戻ってきました。外国人は日本情緒溢れる観光地や和の伝統を好むことで知られています。国際化のいま、日本の良さを見直すため、伝統芸能の種類や鑑賞方法について再確認しておきましょう。

外国人観光客を魅了する和風情緒

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(画像=ungyo/stock.adobe.com)

外国人観光客が京都や浅草を観光している様子は、ほとんどのニュース番組で紹介されています。外国人観光客の主な来日目的は買い物と観光ですが、観光地では京都・奈良・浅草などの神社仏閣、姫路城などの城郭といった歴史を感じるスポットが人気になっています。

買い物では家電や宝飾品、アニメグッズなどが人気の一方で、浅草・仲見世で売られているような和風情緒溢れる商品をお土産に選ぶ人も目立ちます。やはり、日本が持つ歴史や文化に触れてみたいという欲求が海外の人にはあるようです。

日本の伝統芸能の種類

日本には古くから伝わる伝統芸能が多数あり、歌舞伎や狂言、能などさまざまなジャンルに分けられます。ここでは、いまでも鑑賞可能な伝統芸能を紹介しましょう。

歌舞伎

歌舞伎とは、「舞踊・音楽・科白劇などの要素を集大成した日本の代表的演劇」(語源由来辞典)で、歌舞妓と呼ばれた時期もありました。1600年頃に京都で始められた「かぶき踊」が発祥といわれています。

歌舞伎は伝統芸能のなかでもとくに人気が高いジャンルです。古典歌舞伎のほか、現代の人気漫画「ONE PEACE」などを歌舞伎風にアレンジしたスーパー歌舞伎もあります。劇場の多くは大手興行会社の松竹が所有しています。

・歌舞伎を鑑賞できる主な場所
「歌舞伎座」(東京・銀座)、「新橋演舞場」(東京・銀座)、「大阪松竹座」(大阪・道頓堀)、「南座」(京都・四條)、「御園座」(名古屋・栄)、「博多座」(福岡・博多)。

・料金例
歌舞伎座の観劇料は、1階桟敷席2万5,000円、1等席2万3,000円、2等席1万8,000円、3階A席8,000円、3階B席6,000円(2022年12月大歌舞伎の例)。

落語

落語は話芸の極致ともいえる芸術で、室町時代末期からある伝統芸能です。噺家が身振り手振りを交えながら巧みに話を進め、最後に話のオチを付けて終わります。噺家が一人で登場人物を演じ分けるため、衣装や舞台装置は必要なく、扇子や手ぬぐいなどの小道具だけで演じるのが特徴です。

日本テレビ系演芸番組「笑点」はいまも高視聴率を保ち、落語を親しみやすくすることに貢献しています。寄席は落語だけでなく、漫才や曲芸など出し物が多彩で古き良き笑いを楽しめます。落語はテレビで見ると周囲の雑音なども気になり集中できない場合がありますが、寄席に行って生の高座を聞くとより臨場感のある話芸の世界に浸ることができます。

・落語が聞ける主な場所
「新宿末廣亭」(東京・新宿)、「浅草演芸ホール」(東京・浅草)、「鈴本演芸場」(東京・上野)、「池袋演芸場」(東京・池袋)、「国立演芸場」(東京・隼町)、「繁盛亭」(大阪・南森町)、「動楽亭」(大阪・新世界)、「喜楽館」(神戸・新開地)。

・料金例
新宿末廣亭の入場料は、一般3,000円、シニア(65歳以上)2,700円、学生2,500円、小学生2,200円

浪曲・講談

浪曲は浪花節とも呼ばれる伝統芸能です。三味線に合わせてうたい語るのが特徴で、江戸末期に関西を中心に始まったといわれています。大きく発展したのは明治末期からです。語り口は関東節と関西節があります。伝統的な浪曲とは別に、流行歌の歌手が歌謡曲の歌詞のなかに浪曲を取り入れた歌謡浪曲というジャンルもあり、多くのヒット曲が出ています。

一方、六代目神田伯山の活躍によって人気上昇となっているのが講談です。講談は、口座に置かれた尺台と呼ばれる机に演者が座り、張り扇で叩いて調子を取りながら主に歴史にちなんだ読み物を読み上げる話芸です。浪曲・講談は出し物の1つとして寄席でも聞くことができます。

・浪曲が聞ける主な場所
「木馬亭」(東京・浅草)、「浪曲協会広間」(東京・浅草)、「お江戸上野広小路亭」(東京・上野)、「お江戸日本橋亭」(東京・日本橋)、「一心寺南会所」(大阪・天王寺)

・料金例
木馬亭の木戸銭は2,200円(25歳以下半額)。

能・狂言

能は歌舞劇の一つで、四拍子(笛、小鼓、大鼓、太鼓)の囃子と地謡に、シテ方とワキ方による謡と舞が加わり、能面を付けて謡と舞を演じます。

狂言は猿楽から発展した伝統芸能で、猿楽の滑稽な笑劇を洗練させたものといわれています。道理に合わない物言いを表す「狂言綺語」が名称の由来となっています。

「式三番(翁)」「能」「狂言」を総称する「能楽」が、2008年にユネスコ無形文化遺産に登録され、日本の伝統芸能として世界に認知されるようになりました。

・能や狂言を鑑賞できる主な場所
「観世能楽堂」(東京・銀座)、「国立能楽堂」(東京・千駄ヶ谷)、「川崎能楽堂」(神奈川・川崎)、「こしがや能楽堂」(埼玉・越谷)、「栄能楽堂」(名古屋・栄)、「河村能舞台」(京都・上京区)。
その他の会場は、能楽協会「能楽堂検索」で検索できます。

・料金例
観世能楽堂の入場料は、SS指定席1万2,500円、S指定席1万円、A指定席7,500円、学生席4,200円(2022年12月観世会定期能の例)。

日本舞踊

日本舞踊は富裕層のお稽古事として昔からある伝統芸能です。文字どおり舞と踊りを掛け合わせたもので、細かい動きまで型が決まっている様式美の世界を楽しめます。日本舞踊には「花柳流」「藤間流」「若柳流」「西川流」「坂東流」の5大流派があります。優雅で美しく舞う姿に、日本舞踊を体験したいという外国人も増えています。

・日本舞踊を鑑賞できる主な場所
常設の劇場はありませんが、「国立劇場小劇場」(東京・隼町)、「紀尾井小ホール」(東京・紀尾井町)、「日本橋公会堂」(東京・日本橋)などで舞踊会が行われています。

・料金例
「令和4年各流派合同新春舞踊大会」(国立劇場小劇場)の入場料は本選が1,000円、最終本選が3,500円。

テレビ番組「新・にっぽんの芸能」で学ぶ

Eテレ(NHK教育テレビ)の「新・にっぽんの芸能」を見ることによって伝統芸能を学ぶこともできます。先に紹介した一般的な伝統芸能だけでなく、地方に伝わる独自の伝統芸能や、尺八・三味線などの和楽器演奏もあり、伝統芸能に対する興味の幅が広がる番組構成になっています。

同番組は2022年4月8日から前番組をリニューアルする形で放送開始されています。放送時間は本放送が毎週金曜日午後9時25分、再放送が毎週木曜日午後2時15分と毎週金曜日午前5時30分です。

番組を見て興味を持った伝統芸能があれば、劇場公演に足を運んでみるのもよいでしょう。

愛好家なら利用したい歌舞伎座の株主優待

歌舞伎座の運営会社は株式を上場しています。したがって、映画会社と同様に株主に招待券を配布する株主優待を実施しています。2022年12月2日現在の株価が4,880円ですので、年間8枚の招待券が配布される1,000株を保有するには488万円の投資が必要です。

しかし、年間8回無料で歌舞伎を鑑賞できることを考えると、愛好家なら利用したい株主優待といえます。実際、手放す人が少ないので株価は極めて安定しています。

歌舞伎座株主優待の招待券配布基準

株主優待の実施内容は次のとおりです。権利月は2月末日(6月~11月興行招待)と8月末日(12月~翌年5月興行招待)の年2回設定されています。

・歌舞伎座株主優待
75株以上 招待券1枚(年間)
450株以上 同3枚(年間)
750株以上 同3枚(半期ごと、以下同)
1,000株以上 同4枚
1,500株以上 同6枚
2,000株以上 同8枚
3,000株以上 同12枚
5,000株以上 同18枚

江戸時代から続く伝統芸能を次代に継承しよう

世界に誇る日本の伝統芸能ですが、江戸時代から続く文化や芸術を次の世代に継承していくことが大事です。歌舞伎は大手興行会社が公演を行っているので運営は安定していますが、それ以外のジャンルはそれほど財政が豊かではないことが予想されます。

公益財団法人浪曲親友協会や公益社団法人日本舞踊協会では、ホームページで寄附による支援を募っており、厳しい運営状況が浮かび上がっています。財政的な問題で伝統芸能の発表の場が少なくなるのは文化の損失でもあります。我々観客にできることとして、伝統芸能の公演に少しでも足を運び継続を支えていくことも必要でしょう。

※本記事は2022年12月4日現在の情報を基に構成しています。料金例等は一例であり、劇場や公演によって異なります。参考程度にお考えください。

(提供:Incomepress



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