キャピタルゲインのメリット2つ

投資では、キャピタルゲインとインカムゲインのどちらを狙うべきか迷うことも多いはずだ。検討材料として、キャピタルゲインのメリットを解説していく。

メリット1.大きな利益が得られる

キャピタルゲインを狙う資産運用は、ハイリスク・ハイリターンだといわれている。投資期間が同じ場合、インカムゲインを上回る投資利益を狙える可能性があるだろう。例えば、株式投資などでは数ヵ月で株価が数倍から数十倍になることもある。株価が安いタイミングで取得し、高くなったタイミングで売却すれば、大きなキャピタルゲインを得られる。

不動産や絵画などの資産についても同様だ。安く取得して高い値段で売却すれば、大きな利益を得られる。

メリット2.比較的短期間で利益が得られる

新型コロナウイルスの世界的な蔓延により、株式市場が一時的に暴落した。しかし、ワクチン開発等の情報を受けて急速に事態が回復した。このような株式市場において、暴落したタイミングで投資を行って、回復したあとに株式を売却することにより、比較的短期間で利益を得られた投資家も多かったのではないだろうか。

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キャピタルゲインのデメリット3つ

続いてキャピタルゲインのデメリットも確認していこう。

デメリット1.投資損失が大きくなるリスクがある 

売却時に、不動産や株式などの投資商品の価格が購入時よりも低くなって生じる損失が「キャピタルロス」である。キャピタルゲインを狙うことで利益が大きくなる可能性もあるが、保有期間に価格が下落して損失額が大きくなることもあるため注意したい。一般的には、投資金額やレバレッジが大きいほどキャピタルロスも大きくなるだろう。

株式投資では、投資先企業の業績だけに限らず、経済変動や自然災害などの影響も受ける。また、不動産投資においても自然災害などの影響は、不動産価値を大きく減少させる原因となりかねない。予測不可能な要素によって投資商品の価値は大きく変化するため、投資はハイリスク・ハイリターンであることを念頭に置く必要がある。

ただし、キャピタルロスは、あくまで売却時に生じるものだ。まだ売却していない場合の損、いわゆる含み損はキャピタルロスにはならない。投資損失(キャピタルロス)が出た場合、投資商品によっては、ほかの投資商品と損益通算したり、損失を翌年以降に繰り越したりすることができる。しかし、損益通算や損失の繰り越しは、確定申告が必要なため、申告し忘れがないように注意したい。

デメリット2.投資資産の売却が必要不可欠

キャピタルゲインは、投資した資産の売却によって得られるため、売却時まではキャピタルゲインが確定しない。そのため、売却前に含み益があったとしても、投資資産の価格が急落した場合、キャピタルゲインではなく、キャピタルロスとなってしまうことがある。

株式投資において、ひとつの銘柄全部を売却しようとして、その一部分を売却しているうちに、市場価格に影響を与えてしまうケースもある。全部の売却を終えたタイミングでは、キャピタルロスとまではいかないが、大きな利益が得られない場合もある。

デメリット3.塩漬けになる危険性もある 

投資資産の価値が上昇すれば短期間で利益を得ることができるが、当然、投資資産の価値は下落することもある。この場合、売却するとキャピタルロスになるが、価格は常に変動するため、売却せずに保有しつづけることも可能だ。ただし「投資商品が塩漬けになる危険性もある」ということは念頭に置いておきたい。

投資商品が塩漬けかつ長期保有となることは、キャピタルゲインが得られないデメリットを生むだけではなく新たな利益を生む機会も失うことになる。つまり、投下資本がひとつの投資商品にとどまることで別の投資商品に資本を投下することができなくなるのだ。そのため、投資資産の価値が下落している場合は「キャピタルロスを出す」「投資商品が塩漬けになる危険性」という両方を考慮しておきたい。

これらを踏まえたうえで、将来的に売却するかどうかを考える必要がある。

デメリット4.最低限の知識が必要となる

キャピタルゲインを得るには、最低限の知識が必要だ。投資を行う時点から資産の値段を正しく分析できて初めて適切な判断を下せる。資産の割安・割高を判断することは、決して簡単なことではない。投資対象資産についての理解が求められる。