本記事は、井上裕之氏の著書『嫌われない断り方69フレーズ』(きずな出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
相手が受ける衝撃をやわらげる「クッション言葉」
ものごとを断るときには、断り文句自体も重要ですが、それ以外にも欠かせないものがあります。
それが、「クッション言葉」です。
英語の「クッション(cushion)」には、もちろんソファなどと一緒に使うクッションの意味もありますが、緩衝材など「衝撃をやわらげるもの」という意味もあります。
ここでのクッション言葉とは、「衝撃をやわらげる言葉」を指します。
もう少しくわしくいうと、
「相手に対してなにかを依頼したり、尋ねたり、そして断ったりするときに、本題の前に添えることで相手が受ける衝撃をやわらげる言葉」
がクッション言葉です。
衝撃がやわらぐのは、クッション言葉に
「聞いた相手に本題についての予測や心構えをさせる」
という働きがあるからです。
例えば、
「恐れ入りますが」
という言葉もクッション言葉のひとつです。
あなたがなにかを依頼した相手から最初に「恐れ入りますが」といわれたら、
「あ、これは断られるんだな」
というふうに思いますよね?
そのようにして予測や心構えができるために、実際に断られる場面になったときにも、大きな衝撃を受けないで済みます。
立場を入れ替えて自分が断るという場合には、相手が受ける衝撃をできるだけ軽減してあげることがよりよい断り方となります。
そのために、このクッション言葉が重要なのです。
クッション言葉を使いわける
クッション言葉にもいろいろと種類があります。
あなたがなにかを依頼するというとき、相手が家族など親しい人であれば、「〇〇しておいて」というだけでもいいかもしれませんが、それでも
「悪いんだけど、〇〇しておいてくれない?」
というほうが丁寧ですし、相手も快く依頼を引き受けてくれる可能性が高まります。
「恐れ入る」とは、
「自分の悪かったことについて(あるいは相手の厚意に対して)恐縮する」
という意味ですから、この「悪いんだけど」も、「恐れ入りますが」とまったく同じ意味を表すクッション言葉であり、より砕けた表現だといえるでしょう。
もちろん、仕事での付き合いがあるような相手や目上の相手に対しては、「悪いんだけど」は不適切となります。
なにかを断るときには、
「恐れ入りますが、今回はお断りさせていただきます」
というふうに丁寧なクッション言葉を使ってください。
そんなクッション言葉を紹介していきましょう。
- クッション言葉のまとめ
ミニもくじ - 「感謝」を表すクッション言葉
せっかくお声がけいただいたのに恐縮ですが - 「喜び」を表すクッション言葉
たいへんうれしいお話なのですが - 「残念さ」を表すクッション言葉
たいへん残念ではございますが - 「申し訳なさ」を表すクッション言葉
申し訳ないのですが - 「相手への配慮」を表すクッション言葉
ご事情は重々承知しておりますが - 「自分を悪者にする」クッション言葉
誠に勝手ではございますが
- 「感謝」を表すクッション言葉
1963年、北海道生まれ。東京歯科大学大学院修了後、世界レベルの技術を学ぶためニューヨーク大学、ペンシルベニア大学、イエテボリ大学で研鑽を積み、医療法人社団いのうえ歯科医院を開業。自身の医院で理事長を務めながら、東京医科歯科大学、東京歯科大学非常勤講師、インディアナ大学客員講師など国内外の6つの大学で役職を兼任している。その技術は国内外から評価され、特に最新医療・スピード治療の技術はメディア(情報番組「未来世紀ジパング」)に取り上げられ、注目を集めている。世界初のジョセフ・マーフィー・トラスト(潜在意識の権威)公認グランドマスター。本業の傍ら、世界的な能力開発プログラム、経営プログラムを学んだ末に、独自の成功哲学「ライフコンパス」をつくり上げ、「価値ある生き方」を伝える著者として全国各地で講演を行なっている。
著書累計は130万部を突破。実話から生まれたデビュー作『自分で奇跡を起こす方法』(フォレスト出版)は、テレビ(「奇跡体験! アンビリバボー」)で紹介され、大きな反響を呼ぶ。ベストセラー『「学び」を「お金」に変える技術』(かんき出版)、『なぜかすべてうまくいく 1%の人だけが実行している45の習慣』(PHP研究所)など著書多数。※画像をクリックするとAmazonに飛びます