中小企業がデジタル人材を採用するポイント
デジタル人材を確保するためには、中途採用やITスキルのある新卒社員を採用するといった方法もある。ここでは、デジタル人材を採用するポイントを紹介する。
自社に必要なデジタル人材を明確化する
デジタル人材の採用活動を始める前に、自社が求める人物像を明確にしなければならない。
中長期の経営戦略から目標とする組織を想定し、中途採用ならば必要な経験やスキルを有していることを優先する。新卒採用はポテンシャルも考慮した上で、基本的なITスキルやデジタルリテラシーがある人材を確保することが大切だ。
求人票で必要な人物像を具体的に記載する
人材を募集する際には、デジタル人材やその候補者を採用したいことを求人票に明記することが大切だ。自社が求める人物像や想定している業務内容はもちろん、必要な経験スキルや知識などを具体的に記載しなければならない。
大学や専門学校などへの訪問活動をする
地元採用を重視するならば、デジタル技術と関連が深い大学や専門学校などを訪問し、自社の採用活動についてアピールすることも有効だ。
自社の採用方針などを就職支援担当者に説明した上で、掲示板への求人情報掲載や説明会実施によって、学生の認知度を高めて興味を持ってもらおう。
中途採用ではダイレクトリクルーティングも活用する
中途採用を行う場合は、デジタル人材になり得る候補者に直接アプローチするダイレクトリクルーティングを活用するのもおすすめだ。
ハローワークや求人サイトへの求人情報掲載では、自社が求める人材が求人を閲覧してくれるとは限らない。その点、ダイレクトリクルーティングであれば、サービス会社が保有するデーターベースの中から、自社とマッチ度が高そうな人材に直接スカウト連絡を送ることができる。
もちろん、スカウトすれば必ず採用できるわけではなく、成功報酬など費用がかかるのが一般的なので、トータルコストを考慮してサービスを選択する必要がある。
中小企業がデジタル人材を定着させるためには
デジタル人材の採用や社内育成がうまくいったとしても、社員が離職すれば振り出しに戻ってしまう。ここでは、デジタル人材を定着させるためのポイントを解説する。
働きやすい職場づくりをする
デジタル人材の定着には、働きやすい職場環境の構築が不可欠である。
デジタル人材には専門的なスキルが必要とされるため、業務負荷がかかることが多い。ワークライフバランスに配慮し、長時間労働を防ぐための確実な労働時間の把握、フレックスタイム制やテレワークなどの柔軟な働き方の導入、メンタルヘルスチェック体制の構築など、環境や制度の整備が欠かせない。
また、中小企業に限らず離職理由の上位である「人間関係のトラブル」についても、定期的な面談や無記名の社内アンケートによる情報収集など行い、深刻化する前に対策することが大切だ。
社内評価制度を整備する
デジタル人材のような専門職に対する人事評価制度がないならば、新たに評価制度を導入したり整備したりすることも必要だ。
専門スキルが求められ、業務負荷が大きいにも関わらず、人事評価制度が曖昧で給与待遇に納得いかなければ、デジタル人材に転職を選択される可能性が高い。
そのため、目標管理制度の導入はもちろん、導入済みならば目標達成率による待遇反映のウェイトを高めるなどして、デジタル人材にとって魅力的な人事評価制度を構築する必要がある。
スキルアップの支援を継続的に行う
デジタル人材のモチベーションを高めるためにも、スキルアップの支援は継続的に行わなければならない。
変化の激しいIT技術に関する知識のアップデートはもちろん、社内でのキャリアアップに伴って必要となるマネジメントスキルの向上など、DXに関する統括者として活躍し続けられるような育成サポートが定着率の向上にもつながるだろう。