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LTE関連銘柄の特徴

周波数が高ければアンテナが短くて済むが、周波数が高くなると、電波を飛ばせる距離が短くなったり障害物がある場合の回り込み能力が低くなったりなる。アンテナの長さ(≒携帯性)と電波の飛び方のバランスが最も実用的なのが、概ね770~960MHzの周波数の範囲内にある周波数帯である。日本では、800MHz帯について、周波数を整理して各携帯電話事業者に再割り当てが実施された。

総務省の調査によると、フィーチャーフォン(従来型の携帯電話、ガラケー)の利用者に比べ、スマートフォンの利用者は、端末への接触時間が2倍超となっている。また、パソコンユーザーの屋内外での接触時間合計(166分)の77%に達するとともに、屋外だけに限るとパソコンユーザーの接触時間の2倍以上に達する点も注目される。

CIAJ(一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会)の調査によると、Wi-Fi利用は、2012年度に比べ2013年度は減少している。スマートフォン利用者層にLTEの普及が進みつつあることが伺える。一方で、Wi-Fi非利用者の中では「Wi-Fiが何か分からない」という層も24.2%にのぼる。

スマートフォン等をWi-Fiルーター(親機)としてゲーム・パソコンなどのWi-Fi対応機器(子機)をインターネットにつないで楽しめる機能「テザリング」の認知度向上により、LTE経由の通信量増大も予想される。

通信関連分野について幅広い視点で調査レポートを出版しているABI Research(本社:米国NY州)は、アジア太平洋地域における成長傾向は携帯電話サービス加入者(普及率)が100%を超える2015年まで続く、と予想している。


LTE関連銘柄

魅力①:帯域整備
800MHz帯について、歴史的経緯からばらばらに各社に割り当てられていた周波数を整理して、2012年7月24日(テレビのアナログ放送が終了した日)までに再割当てが実施された。2015年には、従前アナログテレビ53~62chで使用されていた700MHz帯を利用したLTEサービスも開始予定であり、さらなるLTE基地局の整備が予想される。

魅力②:iPhone6・6 Plus、Surface Pro3
LTEの普及には、高速通信の期待が高まるような、魅力ある機器の登場が重要なカギを握る。9月19日、アップルの新型スマートフォン「iPhone 6」および「iPhone 6 Plus」が販売された。また、Microsoft Surface Pro3のエントリー機種となる「 Core i3 モデル」が 10 月17 日から発売開始となり、冬のボーナス商戦に向け、期待が高まっている。

魅力③:オンラインゲーム
高速通信の普及には、魅力あるコンテンツの普及も大きなカギを握る。iPhone5s/5cを含むスマートフォン向けには、『ドラゴンクエスト』(ドラクエ)シリーズの移植がスクウェア・エニックスより今冬予定と発表されている。また、モバイルPC・タブレットPC向けには、第2次世界大戦期の戦艦を女子高生に擬人化した『艦コレ』(DMM)や、ブラウザ上で遊べる『ドラゴンクエスト モンスターパレード』(スクウェア・エニックス)が人気を博している。


LTE関連銘柄のリスク

LTE導入に伴い、帯域の再整備が行われているが、「人口カバー率」「理論値」「実測値」といった広告が行われているが、消費者センターへの苦情も相次いでいるとの報道がある。総務省にも、通信速度やカバーエリアの統一的な算定・表示基準を策定しようとする動きがあるが、消費者による各種広告への信頼度によっては、実態としての普及に限界が生じる恐れもある。


LTE関連銘柄

第3世代(3G)携帯電話のデータ通信を高速化した規格。家庭向けのブロードバンド回線にほぼ匹敵する高速なデータ通信が可能となる。すべての通信をパケット通信として処理し、音声通話もデジタルデータに変換されてパケット通信に統合される。端末や基地局は3Gから新たに対応製品に置き換える必要がある。LTEの発展形が第4世代(4G)である。

①アンリツ<6754>
通信系計測器の有力企業。携帯電話や基地局に強い。海外でも高シェア。食品向け産業機械も扱う。

②アルチザネットワークス<6778>
通信計測器の開発業者で携帯電話の基地局や交換機向けが主。次世代携帯電話計測器でリード。

③協和エクシオ<1951>
NTT工事など電気通信工事大手。情報通信、IT関連にも注力、グループ一体運営を強化中


スマートフォン関連銘柄

アプリケーションソフトウェア開発のためにAPI仕様(機能の呼び出し手順やプログラムの書き方を整理したもの)が公開されていること、LCD画面とタッチパネルとを主たるユーザーインターフェイスデバイスとする多機能携帯電話であること、が要件とされる場合が多い。日本では「スマフォ」、「スマホ」と略される。タブレットなどとまとめられて「スマートデバイス」と呼ばれる。

①ヨコオ<6800>
自動車用アンテナで国内大手。半導体、スマホ用回路検査機器が収益源。医療用カテーテル育成

②タツタ電線<5809>
総合電線メーカーの中堅。電子材料で電磁波遮蔽フィルムが利益柱に。環境分析事業も展開


基地局関連銘柄

携帯電話と直接交信する、携帯電話網の末端にあたる装置。電柱やビルの屋上、電話ボックス、地下鉄ホームの天井などに設置されている。1つの基地局で通話できる人数は限られるため、繁華街などの人の多い場所では、2個以上の基地局設備が同一の場所に置かれている場合もある。携帯電話が基地局と電波で交信できる範囲が「通話エリア」で、この範囲内でしか通話することができない。携帯電話・PHS事業の電気通信事業者は、総務省の開設指針に沿って開発計画を策定し、総務大臣の認定を受ける必要がある。

①古野電気<6814>
魚群探知機、電子海図など船舶用電子機器の世界大手。無線技術核にGPSや医療機器事業強化

②電気興業<6706>
大型通信アンテナの製造、工事。地上デジタル放送関連で注目。高周波焼き入れ技術にも特色

③コムシスホールディングス<1721>
電気通信工事で最大手。ネットワーク構築に強み。日本コムシスが三和エレック等を統合