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リチウムイオン電池関連銘柄の特徴

リチウムイオン二次電池とは、非水電解質二次電池の一種で、電解質中のリチウムイオンが電気伝導を担う二次電池である。現在では、正極にリチウム金属酸化物を用い、負極にグラファイトなどの炭素材を用いるものが主流となっている。

これまでのニッケルカドミウム電池(ニカド電池)やニッケル水素電池に「メモリー効果」という物があり、残容量を使い切らずに継ぎ足し充電をすると、前回充電し始めた残量を覚えてしまい、それ以下の電力が使用できなくなる現象があったが、リチウムイオン電池にはそのメモリー効果が発生しないため、重宝されている。

自動車用リチウムイオン電池は、ハイブリッドカーや電気自動車が本格普及を向かえる2010年以降に、需要が増大し始めた。これを見越して、素材各社も新規参入や増産体制の構築を行ってきた。不況で設備投資が減衰する中で、環境関連投資だけは継続する企業が多い。

信越化学工業がリチウムイオン電池の負極材において新材料を開発したと報じられている。この新素材は従来の炭素系材料に比べて、電気を10倍程度蓄えることができるという。これにより、将来的にスマートフォンや電気自動車など、リチウムイオン電池を使う製品の駆動時間が大幅に伸びることや電池の小型化が期待される。

リチウムイオン電池関連銘柄

魅力①:車載用電池の需要増加
自動車用リチウムイオン電池は、ハイブリッドカーや電気自動車が本格普及を向かえる2010年以降に、需要が増大する。これを見越して、素材各社も新規参入や増産体制の構築を急いでいる。不況で設備投資が減衰する中で、環境関連投資だけは継続する企業は多い。重要部材は、電池の正極材、負極材並びに電解液とセパレーターで、全てを手がけるのは三菱ケミカルだけである。

魅力②:スマートフォン向け小型電池
2012年の世界を席巻したのはapple社のiPhoneを中心としたスマートフォンの台頭だった。しかし、日本人からするとこれまで使用していたガラケーに比べて圧倒的に消費電力が大きく、頻繁に充電を必要としている。この部分を改善できる小型で大容量のリチウムイオン電池が必要とされている。

魅力③:エコ関連商品
日本において東日本大震災による影響で通勤を自転車に変更する人々が増えた。その裏側には、健康の増進とエコへの意識が高まりの他に、電動自転車の性能アップが挙げられる。また、今後軽自動車の税率アップの改正が控えており消費税アップと絡み維持費の高い自動車から自転車へ変更する人が増えそうだ。そのため、電動自転車向けの電池の需要も年々高まってくると予想される。

リチウムイオン電池関連銘柄のリスク

リチウムイオン電池のリスクというよりは、エネルギー開発による利権争いである。前述のリチウムイオン電池の生産数から分かるが、2010年まで増えていた数が、2012年に減少している。この裏側には、アメリカによるシェールガスの輸出増が関係している。需要は確実に伸びていくが自動車に対してのエネルギーの主流が何になるかによって、大きく左右されそうだ。

リチウムイオン電池正極材関連銘柄

リチウムイオン二次電池には、正極材、負極材、電解液、セパレータの4つの基幹材料が必要であり、それぞれの材料で特化した技術を保有するメーカーにより強みが変わる。ちなみに、基幹材料を全て取り扱っているのは三菱化学のみである。

①住友化学<4005>
リチウムイオン電池の正極材には、これまでコバルトを用いていたが、高価なためコストの低減に繋がらなかった。住友化学はこの正極材にコバルトを用いない材料を開発し注目を集める。リチウムイオン電池負極材関連銘柄

②信越化学工業<4063>
シリコンウェハーほか電子材料や塩ビ樹脂などの製造。これまで炭素系の電極を用いていた負極材にSiを用いることで10倍の容量保持に成功。今後、小型化に向けての躍進が期待される。

リチウムイオン電池セパレーター関連銘柄

①帝人<3401>
アラミドコーティングしたリチウムイオン2次電池用セパレータを開発。耐衝撃性、耐熱性に優れており安全性を最重要視する自動車および大型蓄電池向け高機能LIB用途において評価が進展している。

リチウム電池部品総合関連銘柄

①三菱ケミカル<4188>
リチウムイオン二次電池には、正極材、負極材、電解液、セパレータの4つの基幹材料が必要であるがその全てを手がけている。

電極製造装置関連銘柄

①ヒラノテクシード<6245>
リチウムイオン電池は、電極の薄膜をコーティングして製造しているヒラノテクシードはリチウムイオン2次電池(LiB)の正負電極用コーターのメーカーとして20年の実績がある。

電機自動車関連銘柄

地球温暖化と共に、排ガス規制の影響により自動車にはクリーンなエネルギーが求められている。その中で、現在実現されているものとして、電気自動車があり日産からは100%電気で走る日産リーフが販売されている。今後は電気自動車だけでなく燃料電池車の開発が進むため、ますます車載用の大容量電池が求められる。

①日本電気<6701>
衝撃や高温にも耐えうる、車載用電池にも採用された高い安全性と耐久性を確保している。日産と共同開発したリチウム電池は、100%電気自動車として販売されている日産リーフに搭載。

電動アシスト自転車関連銘柄

日本において東日本大震災による影響で通勤を自転車に変更する人々が増えた。その裏側には、健康の増進とエコへの意識が高まりの他に、電動自転車の性能アップが挙げられる。また、今後軽自動車の税率アップの改正が控えており消費税アップと絡み維持費の高い自動車から自転車へ変更する人が増えそうだ。

①パナソニック<5108>
最近の自転車は中国からの輸入が主であるが、パナソニックは自社工場で職人による手作業の部分も多く含まれる。一番の強みは家電メーカーとしてのリチウムイオン電池の技術力の高さにある。