この記事は2023年8月9日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=QuietWord/stock.adobe.com)

2023年8月9日(水)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

先週、8月に入ったと同時にフィッチの米国債格下げの報道がでたが、今週も8月はアノマリー通り、株にとっての悪材料満載。昨日8日(火)の欧米市場では、下記のように株の足を引っ張る材料が立て続けに飛び出し、リスクオフでNYダウが下落。

①8日(火)発表の7月中国貿易統計で、ドル建ての輸出と輸入の前年同月比の減少率がともに2ケタとなり、中国の内需の弱さと世界景気の減速が顕著に。

②ムーディーズは、7日(月)夜にM&Tバンクなどを格下げしたほか、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンやステート・ストリートなど大手行の格付けを引き下げ方向で見直すと発表。

③イタリアのメローニ政権は、銀行の今年分の「超過利潤」に対する予想外の課税を承認。この発表でイタリアの銀行株は急落し、合計約100億ドル(約1兆4300億円)の時価総額が失われた。

現在の為替相場の戦略やスタンス

これらの一連の報道がマーケットに大きな負荷をかけ、NYダウは一時450ドル下げる局面もあった。クロス円も総じて軟調に。

ただ、マーケットは例年8月にありがちなリスクオフ要因はある程度織り込み済み。リスクオフで下がったところはスイス/円中心にクロス円の買い場となりそう。スイス/円の押し目買い。

▽米ドル/円日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。