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電気自動車銘柄の特徴

電気自動車(EV:Electric Vehicle)は、環境負荷となる従来のエンジンに変えて搭載された電池に充電して、その電気で走るエコカーである。「化石燃料枯渇とCO2による地球温暖化」対策として、ガソリン自動車から電気自動車への移行は必然となっている。電気自動車は、ハイブリッド車や燃料電池車と異なり電気を直接充電する必要がある。

2013年度の電気自動車等生産台数は84,928台とまだ少ないが、2010年度比は10倍近い。 電気自動車の価格は、家電製品と同様、生産量が10倍になると価格は半分にできるという。 (慶応義塾大学教授でシムドライブ社長の清水浩氏の話)


電気自動車関連銘柄

魅力①:先行開発者が利益を享受
電気自動車は、バッテリー、モーター、インバーター等と、それらのコンポーネントを最適状態に維持する制御機器(VCU:VEHICLE CONTROL UNIT)等で構成されているので、今後、自動車メーカーを中心にこれらコンポーネント・メーカーやそのサプライヤーあるいは関連材料メーカーが新製品開発に火花を散らすだろう。事業スピードを上げ他社に先駆けて製品発売した会社がトップシェアを取り先行者利益を確保する。

魅力②: 新製品/新技術の発表注視
家電製品は、一度普及が始まると約7年で市場に広く普及するという法則がある。この経験則を電気自動車にも適用してみると、2014年に本格量産化が始まると、2021年には広く普及することになり、多くの予測よりもはるかに早く普及する可能性があると推測。(慶応義塾大学教授でシムドライブ社長の清水浩氏)  この市場予測に従うならば、新製品/新技術の研究開発とそれに伴う特許出願を急ぐ必要があり、各社からの発表に注視すべき。

魅力③: パーソナル利用が急進
今後の電気自動車の普及を考えた時、従来のガソリン車/ハイブリッド車/電気自動車/燃料電池車等でぞれぞれの特質(新技術開発により変化)を考慮した棲み分けがなされていくことだろう。業務用/公用/家庭用等で選定ポイント・基準は異なるが、電気自動車の本格普及は家庭およびパーソナル利用が鍵となると思われる。このような環境変化(技術トレンドよりも社会システムや生活スタイル)をいち早くとらえた企業が生き残ることだろう。


電気自動車銘柄のリスク

2013年7月29日、「トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、三菱自動車の4社は電気自動車などに向けた充電器の設置活動を共同で推進する」と発表した。逆にいうと、競合各社が共同推進しなければならないほど、充電スタンドなど充電器設置のインフラ整備・普及が電気自動車の普及拡大の生命線を握っているということである。併せて、ユーザーの立場からすると、充電時間の短時間化も重要要素である。


乗用車関連銘柄

電気自動車は、ガソリンエンジンは搭載していないため、走行中の排気ガスは皆無で、ガソリン車と比較すると騒音や振動も少ない。また、一番のメリットは減速時にエネルギーを回生できて再利用することができる点である。今、急がれている開発課題は、「充電時間の短縮」と「1回の充電で走行できる距離をいかに延長するかという航続距離延長」である。

①日産自動車 <7201>
中期経営計画「日産パワー88」は2016年度末迄にグローバル市場占有率を8%に伸ばすと同時に売上高営業利益率を8%に引上げる目標。

②三菱自動車工業 <7211>
電動システム搭載車など環境技術開発に引き続き取り組む。2013年度は、2012年度発売の新型車を世界展開する。

③富士重工業<7270>
自動車部門ではボクサーエンジン、シンメトリカルAWD、先進運転支援システムEyeSightといった特徴ある革新的技術を実践。

④本田技研工業<7267>
新工場の稼働などにより生産能力の拡大・効率化を進めている。グローバルにおける調達・生産のスケールメリットを高める。

⑤マツダ<7261>
「SKYACTIVによるビジネス革新」「モノ造り革新による コスト改善の加速」等からなる「構造改革プラン」を2012年2月に発表。


電動二輪車関連銘柄

電動二輪車の構造は、ガソリンスクーターと比べると非常にシンプルである。主要な部品は「走行用モーター」「モーター制御用コントローラー」「バッテリー」に分けられる。ガソリンスクーターと比べて優れている点は、「排気ガスを一切出さない」、「静粛性」などで、短所は、「バッテリー劣化にともなうバッテリー交換が必要」、「登坂能力が低い」などである。

①ヤマハ発動機 <7272>
新中期経営計画のポイントは、将来への持続的成長を図るために、「ヤマハらしさを極める・ヤマハの常識を変える」である。

②本田技研工業 <7267>
新工場の稼働などにより生産能力の拡大・効率化を進めている。グローバルにおける調達・生産のスケールメリットを高める

③スズキ <7269>
「小さなクルマ 大きな未来」をスローガンに、「小さなクルマづくり」、「地球環境にやさしい製品づくり」に邁進する。


インバータ関連銘柄

電気自動車におけるインバータの役割は、バッテリーからの直流電流をモーター用の三相交流に変換するとともに、モーター出力をコントロールすることである。従来、インバーターのパワー半導体素子にはSi(シリコン)デバイスが多く使用されていたが、最近はSiC(シリコンカーバイド)デバイスを採用して大幅な小型化を図っている。さらに、このSiCをモーターに内蔵した「SiCインバーター内蔵モーター」も開発されている。

①安川電機<6506>
「モーションコントロール」「ロボット」「システムエンジニアリング」「情報」の事業領域を持つ“トータルソリューション・カンパニー” 。

②明電舎<9508>
中期経営計画「POWER5」フェーズⅢの重点施策は、「成長事業の加速」「既存コア事業の強化と新規展開の加速」他。