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高額消費関連銘柄の特徴

百貨店業界は近年低調だったが、2012年は16年振りに売上が前年と比べて上昇。百貨店冬の時代にいよいよ雪解けの季節がやってきたか今後が注目される。13年8月の大手百貨店5社は全社去年の同時期の売上を上回った。最近は毎年猛暑と言われているが、今年の猛暑では毎年後半は伸び悩む夏物が後半にも良く売れた。また昨年から続く貴金属ジュエリーの販売も相変わらず好調だったことも影響している。日本政府観光局(JNTO)の訪日外国人数のデータによると、東日本大震災の影響で大きく2011年は落ち込んだが、翌年には回復している。

今年は円安を背景に外国人旅行者が急増。観光庁が目標とする年間1千万人に初めて達成する可能性が出てきている。日本人が考える外食の意識は若干変化している。アベノミクスの影響か、ハンバーガーや牛丼の売上が低迷する一方、ファミレスや焼肉、回転寿司などのプチぜいたく分野が伸びている。まだまだ現状では高額消費というところまでは届いていないが、「節約疲れ」の傾向は見て取れる。


高額消費関連銘柄

魅力①:アベノミクスの恩恵
なんといってもまずはアベノミクスだ。株高で高額品が売れているという報道が相次いでいる。5月の急落で多少落ち着いたとはいえ、ムードまで腰折れするほどには至っていないように見える。同時に円安が進み、高額品でも海外のものより国内のものに目が行きやすい状態になっているのも企業にとっては追い風だ。

魅力②:自分の目や舌で選ぶ
他の銘柄に比べて大きな違いがこの部分だ。重厚長大産業の場合、自分で実際に使ってみて判断といったことはほとんど不可能である。しかし外食産業やホテルは自分で食べて、自分で泊まって判断することができる。ある程度の経験を持っていればこれほど優良企業とそうでない企業を見分ける手段はそうはないだろう。

魅力③:オリンピック招致
オリンピックによる国内、及び海外からの需要も期待できる材料だ。特にホテル業界は2020年東京オリンピック決定後、7年後の予約が入ったという報道もあった。7年後とはいえ、大きな商機になるのは間違いない。百貨店もlセールや期間中の団体客が期待できるだろう。セールは今後の展開次第ではJOCのスポンサー保護の方針により難しいかもしれないが、特にアジア系の観光客は百貨店にバスで乗り付けるような光景もよく目にする。大きなチャンスであることは疑いようがない。


高額消費関連銘柄のリスク

やはり消費税増税は大きなリスク要因だ。また、従来の高額消費ビジネスが、長年の不景気を経験した今の消費者に通用するかは慎重に見極めなければならない。インターネットの相場サイトなども登場し、価格設定には非常に厳しくなった消費者相手に商売することになる。バブル時代の利益率を想像して株価の割安割高を判断するのは危険かもしれない。


外食関連銘柄

食事を家庭外の飲食店でとることをいう。外食産業において高額なメニューを提供する高級路線の店はあまり多くない。現に外食上場企業売上高上位10社は、すべて中低価格路線で勝負する大衆向け店舗を運営している企業である。

①ひらまつ<2764>
レストラン・カフェ経営。フランス料理・イタリア料理の高級レストラン業態が主力で全国及びパリにて24店舗運営。

②うかい<7621>
和食を中心に高級路線の店舗を展開。洋食、美術館も手がける。


百貨店関連銘柄

衣食住に関わる複数の専門店を集め、広い面積の売り場に配置、集結させ多種類の商品を展示陳列して販売する商形態のこと。主に高級品を取り扱うことが多い。長年の不況やインターネット販売の隆盛により、近年では苦戦を強いられ合併等の業界再編も進んだ。

①三越伊勢丹HD<3099>
百貨店業界首位。日本全国に出店しているだけでなく、海外でも店舗を展開。

②J.フロントリテイリング<3086>
百貨店業界2位。大丸と松坂屋ホールディングスが統合で誕生。


旅行関連銘柄

一般的には国内旅行と海外旅行に大別される。今後はアベノミクスでの円安進行によって、海外旅行より国内旅行に関心はシフトしていくと思われる。また、東京オリンピック開催決定や政府の観光誘致政策などもあり、ホテル業界には久しぶりに明るいニュースとなった。

①リゾートトラスト<4681>
会員制リゾートクラブ19年連続売上高1位。

②帝国ホテル<9708>
日本を代表する高級ホテル。

③一休<2450>
高級ホテル、旅館やレストラン予約専門サイト。