日本株がこれから上昇するのか、下落するのかを予測するためには、株価を上下動させる要因について知っておく必要がある。

本記事では、日本株の動きを予測するにあたり押さえておきたい要因を4つに絞って解説する。話題になっているChatGPTにも今後の予測を聞いてみた。

日本株の動きは4つの要因で予測

日本株の上昇要因と下落要因は ? 話題のChatGPTにも聞いてみた
(画像=and4me / stock.adobe.com)

株価は様々な要因が絡み合って上下するのだが、特に押さえておきたいのが、「金利」「米国株相場」「経済成長の期待度」「企業業績」だ。

戦争や紛争の勃発といった国際情勢の変化、自然災害や天候不順なども株価に大きく影響するが、頻繁に起きることではなくレアケースともいえるため、ここでは割愛する。

日本株の上昇要因は ?

まず上昇要因から説明していく。

金利の低下が見込まれるケース

金利と株価はシーソーのような関係で、金利の低下が見込まれれば株価は上昇する傾向にある。なぜなら、金利が下がれば企業はお金を借りやすくなり、新商品の開発や設備導入といった事業拡大に資金をつぎ込みやすくなる。その結果、利益や売り上げが伸びることが期待できるため、企業の人気が上がって株価上昇につながるからだ。

金利の低下は特定の企業に対してだけでなく、国内すべてに及ぶ。そのため、日本株全体の株価を押し上げる効果がある。

米国株相場が好調なケース

株式相場の世界では、「アメリカがくしゃみをすると日本は風邪をひく」と言われる。米国株市場と日本株市場が大きく連動していることを表す格言だ。

日本株市場に参加しているのは、7割ほどが外国人投資家とされる。そのほとんどが米国株市場を主戦場にしている。そのため、米国株が好調のときは資金に余裕が生まれ、日本株の購入につながりやすくなる。

ニューヨーク証券取引所の取引が終了して間もなく日本で取引が始まることも、日本株市場に米国の雰囲気が持ちこまれる理由になっている。

国の経済成長の期待が高まっているケース

日本全体で景気が良く、モノやサービスの取引が活発になると見込まれれば、株価は上昇する。各企業の業績も良くなることが予想され、投資家も資金を確保して投資しようという意欲が増すからだ。

企業業績への期待度が上がっているケース

新商品や新サービスがヒットしたり、既存のものであっても売上が好調だったりすれば、その企業が大きな利益を出すことが見込まれる。利益が大きければ株主への配当も増える期待が高まるため、その企業の株に人気が集まる。

日本株の下落要因は ?

続いて下落要因について説明する。

金利の上昇が見込まれるケース

金利が上昇すれば、企業はお金を借りにくくなるため事業を拡大できず、売り上げや利益が増えないどころか、減ってしまう恐れさえある。すると景気の冷え込みにつながり、株式投資そのものが低調になる。そのため、金利が上昇するとの予測が広まった段階で、株価は下落することになる。

米国株式が軟調なケース

前に述べたように米国株市場と日本株市場は連動することが多い。米国株が軟調であれば、外国人投資家に日本株に投資するだけの余裕もなくなる。それどころか、日本株を売って資金を確保することすらある。

国の経済成長の期待度が低くなっているケース

日本全体でモノやサービスの取引が低調で景気が冷え込むと予想されれば、企業の業績も落ちることが見込まれる。また、現金を確保するため株を売る動きも出てくる。

企業業績への期待度が低くなっているケース

企業の業績が悪くなりそうであれば、利益が減って配当も維持できない可能性も出てくる。そうなれば、株を保有しているメリットも少なくなり、ほかの投資対象に資金を回す投資家が増え、その企業の株価下落に拍車をかけることになる。

いま話題のChatGPTに聞くのはアリ ?

高度なAI技術によって、様々な質問に見事に回答してくれるChatGPTは、株価の見通しについて予測してくれるのだろうか。「日本株の株価は今後、上昇する ? 」と質問してみたところ、回答は以下の通りだった。

「私は人工知能のモデルであり、将来の株価の動向を予測することはできません。株価は多くの要因によって影響を受けます。例えば、企業の業績、国内外の経済情勢、政治的な出来事などです。これらの要因は予測できない不確実性を持っているため、株価の動向を正確に予測することは困難です。投資に際しては、リスクを理解し、自分自身で調査し、専門家のアドバイスを参考にすることが重要です。」

ChatGPTでもさすがに株価の予測はできず、投資判断を安易にAIには任せられないことが分かった。ただ、「企業の業績」「国内外の経済情勢」など、ここまでに解説してきた要因のほか、「政治的な出来事」は回答に盛り込んできた。

4つの要因を参考に投資はあくまで自己責任で

株価の動きを正確に見通すことは難しく、高度なAI技術を誇るChatGPTでも現段階では不可能だった。しかし、本記事で解説した4つの要因を参考にしながら予測の上で投資し、その結果を分析することを繰り返せば、株価を見通す力は養われていくだろう。ただし、投資は自己責任であることも肝に命じておくことが重要だ。

(提供:大和ネクスト銀行


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