この記事は2023年9月20日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2023年9月20日(水)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
昨日19日(火)の欧米市場の米ドル/円は小幅に反発。米10年債利回りが一時4.3667%前後と2007年11月以来の高水準に上昇したことが要因。ただ、先週15日(金)に付けた年初来高値である147.95円を超えられず、現在147.75円に失速。
マーケットで話題になっているのがイエレン米財務長官の以下コメント。
------------米財務長官、日本の為替介入に理解------------
イエレン米財務長官は19日(水)、日本の通貨当局による円相場下支えの外国為替市場介入について、為替レートの水準に影響を及ぼすことでなく、ボラティリティーを滑らかにするスムージングが目的であれば、理解できるとの認識を明らかにした。
(出所:ブルームバーグ)
「ボラティリティーを滑らかにするスムージングが目的であれば、理解できる」とのことだが、どの程度一気に円が急落すれば、本邦当局の介入を理解するのかは不明。このイエレン米財務長官の発言を受けて、財務省の神田真人財務官もコメントしている。
米国をはじめ海外当局とは『過度な変動は望ましくないとの認識を共有している』とした上で、「行き過ぎた変動に対しては適切な対応をあらゆる手段を排除せずに取っていきたい。海外当局、とりわけ米国とは日ごろから極めて緊密に意思疎通を図っている」と。
現在の為替相場の戦略やスタンス
イエレン米財務長官と日本当局が協調したコメントを出しているため、仮に米ドル/円が急騰すれば、本邦当局が介入に出る可能性はさらに高まっている。
では、それは米ドル/円がどの程度急騰するときなのか。為替のボラティリティが急騰すれば、ドル売りという注文は出せないが、150円台までではなくFOMCなどで米ドル/円が急騰する局面があれば、介入する準備はできていそうだ。
中期のトレンドはドル買いだが、当局の介入に対するスタンスがさらに現実化したため米ドル/円の戻り売りで臨みたい。
▽米ドル/円 日足チャート
*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。