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(画像=株式会社羽車)
杉浦 正樹(すぎうら まさき)
株式会社羽車代表者
1987年トッパン・フォームズ株式会社(現 TOPPANエッジ(株))入社、1991年にハグルマ封筒株式会社に入社、2006年社長就任。2015年「株式会社 羽車」に社名変更。環境に配慮した紙の開発や豊富な加工を用いた独自の製品作りに注力し、紙製品を通じて企業のブランディングをサポート。創業家の三代目、大阪府出身。
株式会社羽車
株式会社羽車は大阪府堺市にある1918年創業の封筒・紙製品メーカー。オリジナル紙に加工を施した、デザイン性の高い独自の製品作りが特徴。コロナ禍に本格参入した紙製パッケージは、環境配慮の紙を使い小ロットの作成が可能で、ブランディングを考える小売店や企業に好評。2018年には100周年を迎えた。東京表参道にショールームあり。

創業から現在に至るまでの事業変遷

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(画像=株式会社羽車 社内)

―御社は長い歴史を持つ企業として、日本を古くから支えてきた企業であり、長年にわたり続くというのは非常に素晴らしいと思います。これまでどのような事業変遷を経てこられたのでしょうか。

株式会社羽車・杉浦 正樹氏(以下、社名・氏名略)::弊社の創業は1918年なので、今年で105年目になります。100年前の大阪は商業が盛んで、多くの会社が設立されました。その中で、私の祖父が紙製品に目をつけて創業しました。100年経っても、基本は変わらず、紙製品を作り続けています。

―表参道にお店を出されたり、さまざまな工夫を凝らされていると感じるのですが、単に紙製品を作るだけでなく、変化はあるのでしょうか。

もちろんです。インターネットなどのテクノロジーが発展する前は、紙製品はコミュニケーションのインフラとして欠かせないものでした。例えば、成長期に、ビジネス用のダイレクトメールや通知業務に封筒が使われていました。

また、各種の公的通知も基本的には封筒です。この事業を長らくやってきましたが、30年ぐらい前からメールや携帯が出てきたことなど、テクノロジーの進化による変化が起こりましたメールや電話、FAXなどが普及するにつれ、紙の役割は変わってきました。

情報伝達手段としての紙は少なくなり、より多様な形になってきています。そこで、大量生産、大量消費の製品から、お客様が選んで買っていただけるようなデザイン性の高いものに変えていくことが、世の中のためになると考えました。

私たちの業界は、大手数社だけでシェアの80%を占めています。弊社のような会社が大手と同じことをやっていても世の中の役に立っていないと感じ、少しずつターゲットを変えていったという流れです。

羽車の強みと成功の秘訣

―それでは、御社の強みや成功実績について教えていただけますでしょうか。

お客様が当社製品を選んでくださる主な要因は、小ロットでもデザインにこだわったプロが作るようなものを頼めるところです。同業種同業界において、そのようなサービスは少なく、それが強みになっていると思います。

―御社の職人さんや独自の機械、技術などはその強みにどのように寄与しているのでしょうか?

紙製品の素材は一般的なものですが、質の良い紙や雰囲気のある紙を在庫していることで、それらをオリジナル商品として提供できることがお客様が私たちを選ぶ大きな理由の一つだと思います。次に、職人の技術や加工の技術を活かすことで、良い紙にこだわったデザイン性の高い商品を作ることができます。これがお客様に評価されていると思います。

―御社は長い間、特に大阪で事業を展開していますが、地域で愛されるための活動などもあるのでしょうか。

実は、私たちのお客様は全国に広がっています。そのため、大阪で商売しているという感覚はあまりなく、むしろ関東のお客様の方が多いです。そのため、地域性よりも全国のお客様が求める「少し変わったもの」を提供できることが私たちの強みとなっています。

ブレイクスルーや成功実績について

―次に、過去のブレイクスルー、成功実績について教えていただけますでしょうか。

私がこの会社に入ってから30年ですが、新しいことに挑戦する精神は常に強いです。失敗することも多いですが、それによって学ぶことが多く、それが次への一歩となっています。 また、伝統という意識はあまりありませんが、ヒット商品を狙うのではなく、長く愛される商品を作りたいと思っています。社員に対してもヒーローを作りたくないという考えがあります。どんな人が来てもできるようにしたいと思っています。一年、二年で急成長を遂げていきたいと考えるよりも、堅実に事業を進めていきたいと常に考えています。

―杉浦社長の長期的な視点を持った経営哲学が印象的でした。長い視点で会社を見るという考えはどこからきていらっしゃるのでしょうか?

そうですね、「伝統のある企業を引き継いだから」というわけではなく、私自身の性格から来ているのだと思います。

私が35歳の時に今の会社と全く異なる名前で会社を設立しましたが、当時はデザイン性の高いものを作りたいと思って始めました。その時は、65歳になるまでのビジョンを描いていました。今の自分を10年、20年後の自分が見て、正しい方向に進んでいるのかということをよく考えます。 ですので、短期間での結果を求めるというよりも、長期の目線でどこまで成長できるのかといった考えが元々私の性格にはあっていたのだと思います。

地域を超え、新しいチャレンジへ

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(画像=株式会社羽車 商品)

―それでは杉浦さんが思い描いている未来や新規事業についてはどうでしょうか?また、既存の事業は現状のまま進めていくのでしょうか?

新しい事業はやっていきたいとは思いますが、それをやりたいと決めてから進むということはほぼありません。それよりも、今いるメンバーと現在の事業を限界まで最適化・最大化するという感覚に近いです。

―ありがとうございます。 最後に、読者の方々や投資家の方々、さまざまな経済的バックグラウンドを持つ方々へ向けて、これからの会社の展望や紙に対するお考えなど、何か一言いただければと思います。

まずは名刺に対する意識を高めていただきたいと思います。名刺は自分の分身であり、人に渡す唯一の分身なので、きちんとしたものを作った方が良いと思います。 また、感謝のメッセージは手書きで書く習慣をつけると、スマホなどで感謝の気持ちを伝えるよりも相手に気持ちを伝えることができると考えています。

本当の贅沢は、お金で買えるものではなく、紙によるコミュニケーションだと思います。ご興味があれば、ぜひ当社に相談に来ていただきたいと思います。

プロフィール

氏名
杉浦 正樹(すぎうら まさき)
会社名
株式会社羽車
役職
代表者