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國廣 愛彦(くにひろ よしひこ)
株式会社フルハートジャパン代表取締役
株式会社フルハートジャパン代表、下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会3代目委員長。大手アパレルメーカーの営業経験後、米国での専門商社勤務を経て、2009年株式会社フルハー トジャパン代表取締役に就任。経済産業省の認定する『地域未来牽引企業』や大田区の『優工場』にも認定され、電子制御の分野で設計から製作までの一貫生産に対応し、リーダーシップを発揮している。社内外の人材育成にも積極的に取り組み、『東京都人材育成大賞の奨励賞』を受賞。また日本(地域)の「ものづくり」の発展と復活のため、I-OTA合同会社を設立、I-OTAコンソーシアム(共同受注体)を運営し、社会に貢献している。
株式会社フルハートジャパン
当社は、長年にわたり培ってきたエレクトロニクスを基盤としてコンピュータ応用技術・制御技術を駆使し、産業設備向け電子制御装置のソフト・ハードの設計、製造を行っています。 7つの加工技術(設計/開発、組立配線、基板実装、メカトロ組立、計装配管、精密板金加工、塗装)を保有し、一貫生産体制(量産から多品種・小ロット・単品まで対応可)を構築。食品、医療、電気・電子、精密機械など幅広い分野で、当社のワンストップサービスが採用されています。

創業から現在に至る事業変遷

―創業から現在に至るまでの事業変遷について教えていただけますでしょうか。

株式会社フルハートジャパン・國廣 愛彦氏(以下、社名・氏名略)::当社は1968年に私の父に当たる國廣紀彦(現、取締役会長)が創業しました。当時は3人で始めて、お客様からいただいたアッセンブリーのお手伝いからスタートしました。しかし、現在、我々が手掛けているのは当初行っていたラジオなどの組み立てではなく、自動化や省力化を目的とした産業設備向けの計測制御装置です。

当時は、部品を購入してアッセンブリーするという形で、基本的には図面があればものづくりができました。しかし、お客様のニーズの変化に伴い、企画や設計開発からお仕事をいただくようになりました。

―それは具体的にどのような変化なのでしょうか。

弊社が持っている複数の加工技術を駆使して、お客様のニーズやアイデアレベルの製品をワンストップで作るようになりました。例えば、「こんな装置を使って検査したい」という要望に対して、必要な制御装置をゼロから設計し、モノづくりをしていくという形になりました。お客様からのニーズにお答えするためにワンストップで、お客様の手を煩わせずにこなしていくというところが、弊社の仕事であり特徴です。

具体的に、現在当社が行っていることは、主に制御をともなうメカトロ装置の設計から組み立てなどです。例えば、半導体製造ラインにガスを供給する装置の制御や、それらのガスなどを送るための気体、流体などの配管作業なども手掛けています。さらに、精密板金加工や塗装作業も行っています。これらの仕事に関わるソフトウェアとハードウェアの設計開発から行なっております。

―御社は、神奈川大学との共同開発や海外のベンチャー企業連携、「下町ボブスレー」プロジェクトへの参加などさまざまな団体と連携しているようですが、こちらについて具体的に教えてください。

基本的には連携依頼をいただくことが多いです。例えば、神奈川大学との共同開発は、当社が大田区発信の「下町ボブスレー」プロジェクトに参画していたことをきっかけに共同開発依頼をいただきました。神奈川大学航空宇宙研究室の行うハイブリッドロケットの開発に当社の技術を活かし試作品の納入まで行いました。また、「下町ボブスレー」プロジェクトは、日本のアスリートとものづくりの人々が協力して、オリンピックで使用するボブスレーを製作するというもので、当社は板金加工を担当していました。

海外ベンチャー企業連携では、マレーシアのベンチャー企業が当社が参画するIーOTAというコンソーシアムに興味を持っていただいたことがきっかけで連携がスタートしました。IーOTAとは、さまざまな独自技術を保有した大田区の町工場が集積し、相互連携を行うコンソーシアムです。マレーシア大学発のベンチャー企業が持つ課題に対し、我々の技術を持って解決策を提示しました。

自社事業の強み

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―ありがとうございます。次に、自社事業の強みについて教えていただけますでしょうか。

我々の強みは、お客様が困っていることに対して真摯に寄り添う技術集団であることです。お客様のお困りごとやニーズは多岐に渡りますが、一つ一つ、設計や製造の技術スタッフが真摯に対応しています。そのようなチームがいることが我々の強みだと考えています。

そして、設計ソリューションという観点から、お客様の困りごとをヒアリングし、コンサルティングに近い製品作りができているということも大きな強みです。お客様のニーズは多種多様で、それぞれ異なる分野で自動化や省力化を望まれてます。そこで私たちの55年以上の経験とノウハウを活用してお客様に対応していることで、安心して任せていただけていると考えています。

当社には、非常にさまざまな分野のお客様がいます。例えば、自動車関連の自動化やセキュリティ、食品、原子力関連などです。さまざまな分野のお客様がいるからこそ、それぞれの経験や知見を応用することができる点も我々の強みだと考えています。

―新たな分野に取り組むのは、初めての経験ということもあって、なかなか難しいのではないでしょうか?

確かに、初めて取り組む分野は不安もあります。新しい分野では、ノウハウがまだ蓄積されていないため、果たしてうまくいくのかどうかわからない部分もあります。しかしながら、それに挑戦すること自体が大切で、その挑戦してくれる社員には感謝しています。

地域との連携や取り組み

―次に、事業を推進する上での地域連携について教えていただけますでしょうか。

地域との連携は、デジタル社会が進んだ現代でも重要だと考え積極的に行っています。地域ごとに特性や得意不得意があるので、地域連携により、製品設計や生産の面で助け合うことができる点がメリットだと考えています。

例えば、一部の地域では、高品質な製品を生産できるものの、大量生産は難しいといった場合が多々見受けられます。少量生産と大量生産のプロセスや、高品質な製品を生み出す技術への理解度などが異なるので、当社はお客様のためになるように多種多様なリソースを最大限に活用できるように地域との連携を強化しているのです。

過去に直面した困難や乗り越え方

―過去に直面した困難や、それをどのように克服したのかについて教えていただけますでしょうか。

あるプロジェクトの進行中にそのプロジェクトが頓挫してしまうかもしれない状況に陥ったことがあります。そのプロジェクトは関係者も多く、また、メディアに取り上げらたこともあったので非常に大きな影響力を持っていました。

我々は製品作りに真摯に取り組む企業で、事実を素直に捉え、それを素直に言葉にするという文化があります。そのため、事実だけを伝えたかったのですが、裏にはさまざまな事業があり、思うようにことを運べず、言葉一つでプロジェクトが頓挫してしまうかもしれない状況になりました。

結局、その事態は収まり、現在進行形でプロジェクトは推進中です。しかし、当社はその経験を通じて、不測の事態が起きてしまったときの対応の仕方や立ち回り方など他企業では経験できないようなことを学ぶことができたと前向きに捉えています。

思い描く未来構想やビジョン

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―それでは、次に、國廣代表が思い描くビジョンについて教えていただけますでしょうか。

私は、会社としても個人としても、社会に何か影響を与える存在になりたいと考えています。そのためには、大きな成果を出すことが必要だと思っています。

その上で、私たちは製造業として、人々の生活を豊かにする製品やサービスを開発したいと思っています。しかし、それを実現するためには、私たちだけではなく、お客様やパートナー企業を含めた他者と協力して行動することが必要だと感じています。

そのため、私たちは「最高のパートナー」になることを目指しています。具体的には、受託・開発企業として、お客様に最適な解決策を提供し伴走していけるような存在になることを目指しています。

読者へのメッセージ

―それでは最後に、次世代の経営者へ向けたメッセージをお願いできますでしょうか。

一歩を踏み出すことを恐れている方々は、まずは行動を起こしてみてください。私自身、まずは行動するタイプなので、何かを迷っている人たちには、まずは行動を起こしてみることをお勧めします。そうすることで、新たな出会いがあり、他人の成功談や失敗談を聞くことで、自分自身の人生に重要なことを学べるかもしれません。そして、どこにつながるかは誰にもわからないので、思い切って飛び出してみてください。そのような人たちと私自身も出会ってみたいと思っています。

プロフィール

氏名
國廣 愛彦(くにひろ よしひこ)
会社名
株式会社フルハートジャパン
役職
代表取締役