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(画像=株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング)
畠 賢一郎(はた けんいちろう)
株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング(J-TEC) 代表取締役 社長執行役員
1964年愛知県生まれ。1991年広島大学歯学部卒業。1995年名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。
名古屋大学医学部口腔外科学講座助手、遺伝子再生医療センター助教授等を歴任。
口腔外科医として臨床に従事する側ら、さまざまな組織再生医療の開発に携わる。
2004年よりJ-TEC取締役、2017年より現職。
企業にてわが国初の再生医療等製品を上市するなど、広く再生医療の産業化に従事している。
株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング
株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング(J-TEC)は、「医療の質的変化をもたらすティッシュエンジニアリングをベースに、組織再生による根本治療を目指し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する」ことを会社設立の趣旨とするバイオテク企業です。
「再生医療をあたりまえの医療に」をビジョンに掲げ、再生医療製品事業・再生医療受託事業・研究開発支援事業という3つの事業を展開しています。

これまでの畠社長のご経歴について教えてください。

私は広島大学の歯学部を卒業し、その後名古屋大学で口腔外科医として働きました。その後、自身の大学院時代の専門分野を社会に実装するためにJ-TECの設立に関わりました。さらに、5年後に口腔外科医から再生医療企業の経営者に転身しました。J-TECは患者さん自身の細胞を利用した再生医療製品の開発、製造、販売を主力事業としており、再生医療の産業化に取り組んでいます。また、わが国初の再生医療製品を市場に投入し、現在では5つの製品を取り扱っています。

株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング
(画像=株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング)

一番感銘を受けた書籍とその理由は?

私にとって大きな影響を与えた一冊は、「何を書くか、どう書くか―知的文章の技術(板坂 元著/PHP文庫)」です。この本の存在を知ったのは、大学院時代に教授の研究室で見つけたことがきっかけでした。この本から、「正確な言葉の使い方によって思考がより深まる」ということを学びました。さらに、文章の構成力も鍛えられるため、私は社員にも積極的にこの本の内容を紹介しています。そして、現在の当社の社員教育においても、この本の知識が大いに活かされていると言えます。

その書籍は仕事にどのような影響を与えたのでしょうか。

私は常に正確な日本語の使用に意識を向けています。新入社員にも入社直後に「日本語を使えるように」と話すことがあります。この発言の背後には、日本語が単なるコミュニケーションツールではなく、思考のツールであることを理解してもらいたいという思いがあります。私たちは物事を考える際に、頭の中で日本語を使用しているはずです。明確に意識しているわけではありませんが、適切な言葉の選択や短文でまとまった内容になるかどうか、自分にとって理解しやすいかなど、考えていることを日本語として整理しています。つまり、文章構成力は思考のプロセスに影響を与えているのです。もちろん、このような文章構成力は社内外のコミュニケーションや提案書作成にも不可欠です。そのため、私は当社の社員に対して「正しい日本語を使ってコミュニケーションを取ること」を強く推奨しています。 最近、SNSなどで短文表現が増えています。これは忙しい現代社会において必要なことかもしれません。「やばい!」という表現で、喜怒哀楽などあらゆる感情を表現できる時代です。ある意味では便利になっています。しかし、一方で、思考の深さや論理展開、自分自身への影響の把握など、複雑な内容について適切に判断する能力を失っている可能性もあります。この本は古い本ですが、「何を書くか、どう書くか」というテーマが、「どう考えるか」とも関連しているように思えます。

経営において重要としている考え方を教えてください。

私が経営において最も重要視しているのは「ビジョン」です。ゴールを明確にし、着実に進んでいくことが重要だと考えています。社内でコミュニケーションを取っていても、仕事に対するビジョンが明確でなければ、社員はばらばらになりがちです。一方で、明確なビジョンがあれば、多くのコミュニケーション機会を設ける必要はなく、それぞれの個性を活かした仕事が期待できます。言い換えれば、「コミュニケーション不足は、実はビジョン不足」と言えます。つまり、コミュニケーションが不足していると感じる多くの事例は、必ずしもコミュニケーション機会が少ないわけではなく、むしろビジョンが明確でないことが原因ではないでしょうか。単に会議を通じて意見交換するだけでは、この問題は解決しないと考えています。重要なのは、ビジョンを設定し、それを社内に浸透させることです。

株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング
(画像=株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング)

最後に、御社の未来構想や従業員への期待について教えてください。

再生医療分野において、私たちはこれまで既に敷かれたレールの上を進むのではなく、自ら新たな道を切り拓いてきました。この取り組みにより、患者さんにとって再生医療が新たな治療の選択肢となりました。しかし、再生医療がより身近な医療となるためには、克服しなければならない多くのハードルが存在します。当社は「再生医療をあたりまえの医療にする」という目標を実現するために、将来のビジョンに向けた強い意志と、それを具現化するための創造力が必要です。私たちは今後も、再生医療製品の開発や国内の再生医療の発展に貢献するために努力し続けます。また、社員には自身のビジョンを持ち、そのビジョンに向かって主体的に活躍することを期待しています。

氏名
畠 賢一郎(はた けんいちろう)
会社名
株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング
役職
代表取締役 社長執行役員