東京都大田区出身。
2008年に楽天(現 楽天グループ)へ入社し、楽天市場 事業編成部モバイル推進グループに配属。
ECコンサルタント業務にて、数多くの企業を担当し事業売上に貢献。
その後、家電EC企業を経て、2015年に株式会社カンパニー(現 レンティオ株式会社に社名変更)を設立。
月間13万人以上が利用するサービスとして成長させる。
全国往復送料無料で、試してみて気に入ればそのまま購入も可能。月間13万人以上が利用し、ユーザー評価は★4.7。
必要な時に必要な間だけ使ったり、購入前に自宅や職場など実際の使用環境でお試しすることが可能。
また、最新家電とともに過ごすライフスタイルを提案する「Rentio PRESS」も運営。
これまでの事業の変遷について教えてください。
私のキャリアは、2008年に新卒で楽天グループ株式会社に入社し、そこでECの勉強や経験を積んできたところから始まります。その後、楽天に出店していた家電販売店へ転職し、家電の販売やECの現場側での知識を深めました。しかし、その会社が倒産してしまったので、これはいい機会だと思い、自分のビジネスを始める道を選びました。
レンティオを創業したのは2015年です。当時初めて取り扱った商品は価値が下がりにくいと考えたカメラのレンタルでした。現在では、カメラ以外にも掃除機やスーツケース、着物といった家電のみならず多種多様な商品のレンタルやサブスクリプションサービスを提供しており、月間の利用者数はおよそ130,000件に達しています。その成長を支えたのは、ECや家電に対する8年間の経験と自信、そしてニーズはあるのに市場が小さく競合相手に勝てると確信していたため、挑戦し続けることができたことだと言えます。
一番感銘を受けた書籍とその理由は?
私が一番感銘を受けた書籍は、「竜馬がゆく」です。この本は、読んでいる自分の立場ごとに、ストーリーや登場人物の人生観に共感できる1冊となっています。この本を読んでいた頃はまさに私自身が起業を決意したタイミングでした。自分が新たな飛躍を決意し、新たな人生の航海に出る、そのような重要な局面にいたので、本の中で描かれている坂本龍馬が江戸に進出する局面で起業時の私自身と重なり、とても共感を覚えることができました。また、私が経営者として100人規模の起業のフェーズになった際は、坂本龍馬が海援隊を結成して組織を取りまとめる姿に共感することができます。このように坂本龍馬の一生が描かれているので、たまに読み返すと、その時の私自身の人生のフェーズに応じて共感するポイントも変わるため、常に新しい視点と感動をくれる本となっています。
また、ビジネスに役立ったという視点では、「貞観政要」が挙げられます。特にオススメなのは、プレジデント書籍編集部 出版の『「貞観政要」がやさしく学べるノート』で、ストーリー全体が分かりやすくまとめられていてとても理解しやすいものとなっています。この書籍では組織のトップに立つ立場として、気をつけるべきことやするべきではないことが面白くストーリー立てて描かれているので、今から起業する人や組織をまとめる立場の人にはぜひ読んでもらいたいです。
読書はどのように仕事に生かせたでしょうか。
読書は私自身のモチベーションを維持する手段として非常に役立っています。例えば、会社が20人規模になった時や、売り上げが1億円を超えたようなタイミングで、自己満足に陥り、新たな挑戦から足が止まってしまう瞬間があります。ですが、そのような瞬間にこそ、「竜馬がゆく」や孫正義氏の「志高く」を読むことで、自分がまだまだ小さい存在であることを痛感し、また新たに前進しようという気持ちを引き出すことができます。
その他にも、緊張するような大事な商談やイベントがあるときに、坂本龍馬が偉い人と会う時に行うようにしてた、彼らの日常生活を想像することで相手も所詮一人の人間であることを認識して緊張を和らげる方法を実践することで、安心して大舞台に挑むことができます。
経営において重要としている考え方を教えてください。
私が経営において最も重要と考えていることの一つは、ユーザーの声をしっかりと聞くということです。我々の提供するサービスのほとんどは、ユーザーの実際の声から始まっています。そのため、弊社ではカスタマーサポートが非常に重要な役割を果たしており、この領域での社員の待遇は他社より厚いです。一般的に、カスタマーサポートは問題解決のための窓口として機能しますが、我々にとってはそれだけでなく、ユーザーの声を直接的に吸い上げる重要なチャネルでもあります。そのため、重要性を理解し、その役割をきちんと果たすことができるよう、カスタマーサポートをコストセンターとしてではなく、大切な存在として位置づけ、重要視しています。
その結果として、ユーザーのニーズに即した事業展開が可能となっています。カメラだけでなく他の商品もレンタルするようになったのも、これがその好例です。つまり、ユーザーの声をしっかりと聞き、それに対応していくことで、我々の事業は進化し続けているのです。
最後に、御社の未来構想や従業員への期待について教えてください。
レンティオの未来構想は、商品を購入したいと思った時に、選択肢の一つとして我々のサービスが思い浮かぶような存在になることです。そして、そのためには従業員一人一人が経営理念に共感し、一緒に成長していくことが必要だと考えています。
また、私自身は、仕事が楽しいかどうかは、周りの人間関係に大きく影響されると考えています。従業員全員が良好な人間関係を築ける環境を作ることで、楽しく働ける職場を作り上げることが私の期待することです。
- 氏名
- 三輪 謙二朗(みわ けんじろう)
- 会社名
- レンティオ株式会社
- 役職
- 代表取締役社長