マイタケやマッシュルームなどの生産を手がける雪国まいたけ<1375>が、4年ぶりに企業買収に踏み切った。

同社は2023年12月4日にマッシュルームの生産を手がけるオランダのOakfield Champignons B.V.(OC)とOakfield Onroerend Goed B.V.(OOG)の2社を子会社化した。

2019年にタカラバイオ傘下の瑞穂農林(シメジの生産販売)、きのこセンター金武(同)の2社と、三蔵農林(マッシュルームの生産販売)の合わせて3社を子会社化して以来のM&Aとなる。

2024年3月期は売り上げが増加に転じるものの、営業利益は3期連続の減益予想だ。オランダのマッシュルームは、復活のきっかになるだろうか。

M&A Online
(画像=「M&A Online」より引用)

エキゾチック・マッシュルームのトッププレーヤーの一角

OCとOOGは兄弟会社で、オランダを拠点にボタン・マッシュルームの製造販売を手がけているほか、オランダや周辺国でエキゾチック(珍しい)・マッシュルームについても事業を展開しており、オランダではエキゾチック・マッシュルームのトッププレーヤーの一角を占めるという。

幅広い直接販売ネットワークを活用した営業活動が特徴で、両社合計の直近売上高は1188万ユーロ(約18億9000万円)だった。雪国まいたけは、健康志向を背景にボタン・マッシュルーム市場が拡大する欧米エリアでの事業拡大を中期経営計画の目標に掲げており、親和性が高いことから成長が見込めると判断した。

増益への道のりを示せるか

雪国まいたけは、2023年11月に2024年3月期の業績を上方修正した。売上高は20億7800万円多い444億6700万円(前年度比5.4%増)、営業利益は9億5100万円多い16億2400万円(同25.8%減)を見込む。

販売数量が伸び、増収となったのに加え、再生可能エネルギー発電関連の費用が当初予算より低く推移する見通しのほか、原価や費用の削減効果が現れてきたことから、見通しを引き上げた。

それでも営業利益は前年度と比べると減益の予想で、厳しい状況が続いている。オランダの2社を傘下に収めることで、売上高の上積みが期待できるため、3期ぶりの増収はほぼ確実と言える一方で、オランダの2社の利益は公表されていないため、営業利益がプラス、マイナスどちらに振れるのかは分からない。

今回の上方修正で前年度の営業利益まで残りは5億6700万円のところまで迫った。どのあたりで着地するのか。オランダのキノコによって増益への道筋を示すことはできるだろうか。

M&A Online
(画像=2024/3は予想、「M&A Online」より引用)

文:M&A Online