株式会社やまみ
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山名 徹(やまな とおる)――株式会社やまみ代表取締役社長
2007年に株式会社やまみに入社後、製造現場に身を置き「安心・安全、そしておいしい製品」の製造に携わる。2012年から関西工場長に就任し新工場の立ち上げに取り組む。経営企画室長時の2016年にJASDAQへ上場。取締役副社長兼経営企画室長時の2019年に東証1部への市場変更を経験。2021年9月より当社代表取締役社長。
株式会社やまみ
1975年1月に広島県尾道市において野菜のパック詰めを事業内容として創業。1978年より豆腐製造販売業に進出。現在は、豆腐及びその関連製品である厚揚げ、油揚げ等の製造、販売を行う豆腐等製造販売事業を主たる事業としており、大豆食品の生産メーカーとして国内トップクラスの売上を誇る企業に成長。

目次

  1. これまでの事業変遷について
  2. 経営判断をする上で最も重視していること
  3. 経営者としてのルーツ、過去の経験から積み上がったご自身の強み
  4. 自社が今後関連していくテーマ
  5. 思い描いている未来構想
  6. ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言

これまでの事業変遷について

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冨田:それではまず、創業から現在に至るまでの事業変遷について教えていただけますでしょうか。

株式会社やまみ 代表取締役社長・山名 徹氏(以下、社名・氏名略)
事業変遷については、社員にもよく話していますが、人間で言うとまだ幼稚園から小学校に上がったぐらいだとイメージしています。なぜなら、豆腐事業者が5,000社ある中で、私たちは業界2番手であるにも関わらず、売上シェアは全体の3%弱しかありません。業界全体で6,000億円のうち、私たちの売上は160億円ほどです。

2000年の時には売上が4億5,000万円で、誰もいなくなっても影響を受けないような規模でした。そこから地位を確立するために、どこが勝てるのかということをずっと考えてきて、上場するまでは本当に売上だけに集中してきました。

しかし、上場してからは利益と組織を重要視しています。 利益を重要視する1番の理由は、人材の部分が非常に大きいと考えています。私は、社員の給料と休日を毎年増やしていきたいと思っていますが、儲けないと社員の給料も上げられないですし、休日を増やしていくことも出来ません。さらに、利益がないと投資家にも還元できず、設備投資や商品開発もできないので、利益を追求していくことを大事にしています。

また、組織面では働く人から選ばれる魅力的な企業になる必要があると思っています。 現在、私たちは豆腐の製造において、なくてはならない存在になっていて、私たちが豆腐を生産しないと、その地域から豆腐がなくなると思います。しかし、働く人はトヨタ自動車であろうとAmazonであろうと、自由に働く場所を選べるので、私たちはそこで選ばれる会社になる必要があります。

さらに、選ばれる企業になるだけでなく、入社した社員が定着し、習熟することが重要だと思っています。人口減少社会と他社との競争の中で生き残っていくためには、社員の定着率と業務の習熟度を向上させることで、製品の品質や生産性も大きく変わってくると考えています。

経営判断をする上で最も重視していること

冨田:次に、山名代表が経営判断をされる上で最も重視されていることを教えていただけますでしょうか。

山名: 私が経営判断をする上で最も重要視しているのは、妥協しないこと・悔いのない決断をすることです。会社規模でも、私たちは小さい会社なので、一つひとつ納得できるまで取り組んでいくところがあります。

例えば、先ほど「人」の話をしましたが、この人は絶対に来てもらいたいと思う時に、提示する金額を含めて、悔いが残らないような判断を心がけています。

また、競合とコンペする際も、悔いが残らないところまでやりきることで、ここまでやったから仕方がないという気持ちが出てくると思っています。

経営者としてのルーツ、過去の経験から積み上がったご自身の強み

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冨田:次に、山名代表の経営者としてのルーツや過去の経験から積み上げた強みを教えていただけますでしょうか。

山名:私の経営者のルーツとして1番大きいのは、入社して半年くらいの頃に、先輩に作業の改善を提案したことです。先輩は私より技量がありましたし、今だったら些細なことですが、当時はとても気になって悩んでいました。結果的には嫌われましたが、そういった経験が自分の強みになったと思います。

また、過去の経験から積み上げた私の強みは2つあります。「すぐに行動に移す姿勢」と「最後まで諦めずにやり抜く姿勢」です。 30代で仕事に悩んでいた時、同い年くらいで2,000億円規模の会社を経営している社長がいました。その方に「どうして成長できたのか、心がけていることは何か」と尋ねたところ、「とにかくすぐやること」と教えてもらいました。そこから、私もすぐに行動するように心がけることで、少しずつ変わっていったと思います。

また、私は「すぐやる」だけでなく、「最後までやる」「諦めない」という姿勢も大切だと感じています。この経験が自分が変わったターニングポイントだと思います。

自社が今後関連していくテーマ

冨田:次に、貴社が今後成長していくにあたり、どのようなテーマに注力していくのか教えていただけますでしょうか。

山名:私たちが注力するテーマは組織改革とデジタル変革です。 まず、私たちが目指すのは「働きやすい、選ばれる会社」になることです。職場環境や福利厚生を充実させ、給料や休日などの待遇面でも、同業他社より魅力ある会社にすることが大切です。

全体の豆腐業界に対する私たちのシェアが3%弱しかないなかで、私たちのシェアをもっと大きくするために、人の教育が大事になってくると思います。機械はお金で買えますが、人材育成は簡単にはできません。

もう1つ働きやすさに関連するテーマとして、デジタル変革があります。 豆腐業界は非常に遅れている業界ですが、例えば自動車工場のように生産工程が一目でわかるようなシステムを導入することによって、上層部が現場の情報をいち早くキャッチし、働いている人の問題も把握しやすくなると思います。

このようなデジタル変革によって、トラブルが少なくなり、現場の人の不安も減ります。また、トラブルの減少によって、作業効率の向上につながり、休みも増やせると思っています。他社の生産管理の状況と比べて、なぜ私たちができないのかと考えながら、IoTなどを勉強しながら取り組むことが、会社を大きく変えるポイントだと思っています。

思い描いている未来構想

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冨田:次に、山名代表が思い描いている未来構想についてお聞かせいただけますか?

山名:私たちは一貫して、従業員が家族や親戚に自慢できるような会社を目指しています。例えば、「この会社の豆腐は本当に美味しいよ」「あの店にまた行こうね」といった具合に、楽しく会話ができるような会社を目指しています。

ZUU onlineユーザーならびにその他投資家へ一言

冨田:最後に、ZUU onlineの読者に向けたメッセージをお願いいたします。

山名: 豆腐は地味な食品ですが、健康食品であり伝統食品でもあります。これからも引き続き努力してまいりますので、どうか応援していただけますと幸いです。よろしくお願い申し上げます。

氏名
山名 徹(やまな とおる)
社名
株式会社やまみ
役職
代表取締役社長