本記事は、土井英司氏の著書『人生で読んでおいた方がいいビジネス書75冊』(エムディエヌコーポレーション)の中から一部を抜粋・編集しています。
【重要スキル】付加価値&セールス
付加価値を上げるヒントを見つける
『付加価値のつくりかた』
(田尻望/かんき出版)
問題を抱えた人がいて、それを解決する商品・サービスがあっても、存在を知らなければ、ないのと同じ。それを解決するためにセールスがあります。
どうやったら付加価値をつくり、伝えることができるのか。日本トップクラスの生産性と給与を誇るキーエンスのノウハウをまとめたのが、この『付加価値のつくりかた』です。
『付加価値のつくりかた』は、キーエンス出身のコンサルタントが、付加価値のつくり方を体系化した注目のテキスト。
著者は、大阪大学基礎工学部情報科学科を経て、キーエンスに入社。コンサルティングエンジニアとして、技術支援、重要顧客を担当した人物です。
この本では、キーエンスがやっている付加価値のつくり方、新事業・新商品の創出方法、潜在ニーズのつかみ方、効果的な価値の提案方法を紹介しています。
なかでも、「付加価値の3種類」「法人顧客が感じる6つの価値」は、学んでおいて損はないと思います。
付加価値の3種類
- 置換価値
- リスク軽減価値
- 感動価値
法人顧客が感じる6つの価値
- 生産性のアップ
- 財務の改善
- コストダウン
- リスクの回避・軽減
- CSR(企業の社会的責任)の向上
- 付加価値のアップ
競合他社と差別化し、利益を上げるには、付加価値に関する徹底した考察と、これまでにはない付加価値創出のアプローチ、顧客への提案が不可欠です。
ちなみにキーエンスでは、
- なぜお客様が買うのか?
- 本当にその商品・機能は使われるのか?
- 使われたら本当に役に立つのか?
- どんな役に立つのか?
について、企画・開発前に徹底的に突き詰めるそうです。これが売れる秘訣ですね。
さらに、高付加価値を追求するために、こんなポイントも重視しているそうです。
キーエンスが圧倒的付加価値をつくれる理由
- マーケットイン型
- 高付加価値状態での商品の標準化
- 世界初・業界初の商品
この本で示されたフレームワークを使えば、この付加価値創出、提案ができること間違いなし。
この本の冒頭でも示されているように、コストがそのままで、価格を20%アップさせることができれば、企業には莫大な利益が転がり込んできます。
ただ、そのためには付加価値について学ぶことが不可欠。
企業のどんな部署にいても、どんな立場でも、きっと付加価値を上げるヒントが見つかる、実践的な一冊です。
メールマガジン『ビジネスブックマラソン』編集長。
慶應義塾大学総合政策学部卒業。ゲーム会社、編集者・取材記者・ライターを経て、Amazon.co.jp立ち上げに参画。27歳で同社の社長賞にあたる「Company Award」を受賞。数々のベストセラーを仕掛け、「アマゾンのカリスマバイヤー」と呼ばれる。2004年、30歳で独立。国内160万部、世界1400万部を突破した『人生がときめく片づけの魔法』の近藤麻理恵氏をはじめ、多くの著者の出版プロデュースに携わる。
2004年7月に発行開始した日刊のメルマガ「ビジネスブックマラソン」は読者数5万3000人。著書に『「伝説の社員」になれ! 』(草思社文庫)など多数。これまでに読破したビジネス書は30,000冊を超え、日本随一のビジネス書の目利きとして知られる。(数字は2023年12月現在)※画像をクリックするとAmazonに飛びます。