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(画像=株式会社阿蘇ファームランド)
北川勝幸(きたがわ かつゆき)
株式会社阿蘇ファームランド  代表取締役社長
石川県出身。昭和19年生まれ79歳。19歳で菓子の製造を始め、23歳で法人化を実現。日本初の製造工程が見える御菓子城加賀藩を開業。のちに熊本県からの誘致を受け阿蘇ファームランドを設立。
「根っこが見える」と「健康」をテーマにドーム型宿泊施設、健康増進パーク、ハウス栽培、健康食品開発など、様々な事業をグループ内で展開している。 今でも現場第一主義を貫き、その視点からのアイデアは次々とヒットしている。
株式会社阿蘇ファームランド
熊本県誘致企業として1995年に開業。国立公園内の健康体感施設として人気を集める。 数々のリニューアルを重ねて、完成形である滞在型健康リゾート「大自然阿蘇健康の森」と日帰り健康増進パーク「阿蘇元気の森」を営業。
450棟のドーム型宿泊施設や温浴施設、運動施設など、健康の専門家による学術機構の監修を受けた世界にここだけの健康増進施設は、日本全国や海外からも多くの来場者が集まる人気スポットになっている。

創業からこれまでの変遷について

私は石川県加賀市で昭和38年、19歳の時にお菓子の製造を事業として始めました。その後、石川県が観光都市で温泉がある場所だったため、観光客向けのお土産を作るようになりました。その頃、日本でお土産のお菓子を製造している企業は少なかったのですが、日本の高度成長に伴って観光客が増え、当社は石川県から全国の観光地に販路を展開しました。各地の旅行スポットには当社のお菓子がある状態でした。

約40年前に熊本に進出し、観光土産の菓子製造を行う工場を設立しました。熊本県の有力企業として、熊本で生産されたものが九州の観光地で販売されるようになりました。

その後、熊本県から観光産業の核として活動して欲しいというお誘いがあり、誘致企業として阿蘇山の麓に工場を建設することになりました。それまでの熊本は観光客の通過点でした。大分の別府温泉に泊まり、熊本県の阿蘇山を見て長崎県へいくという状況だったのです。お菓子だけでは熊本県の雇用や地域振興の要請に応えられないため、別の事業を考える必要がありました。そこで、健康と観光をテーマにした事業を展開することにしました。健康と観光は時代が変わってもニーズがあると考え、結果的に健康テーマパークに至りました。

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(画像=株式会社阿蘇ファームランド)

ぶつかった課題と現在の事業について

モデルケースとなる企業がなかったことが大きな課題でした。施設が大きくなるにつれて、組織の規模も大きくなり、自ら試行錯誤を繰り返しながら事業を展開してきました。

現在では未病・予防医療に注力したサービスを提供しています。もともとは健康をテーマにした事業を展開していました。しかし熊本地震が発生した際に、被災された方々が仮設住宅のできるまでの間、(二次)避難所として当施設のドーム型ホテルに滞在されていました。その際、健康というテーマだけでなく、多くの方にニーズがある予防医療に力を入れようと考えました。

そして、予防医療に特化した専門家たちと共に日本健康増進学術機構を設立しました。病気にかかりにくい「身体づくり・心づくり」のための、環境や食を提供することを理念に掲げ、実践に努めています。当施設は日本健康増進学術機構の専門家に監修していただき、サービスを提供しています。

現代はストレス社会だと言われています。ストレス社会では、病気になってから薬や手術といった治療をするのではなく、健康というものを意識することが重要だと考えています。阿蘇ファームランドでは「健康的な運動」「三度の食事」「心の癒し」「ドームでの宿泊」「体験や学習」「阿蘇ならではのお買い物」の6つの柱でサービスを提供しています。健康増進・予防医療的な見地から国民の健康づくりに役立つ施設として、厚生労働大臣をはじめ、各省庁や関係機関から認定を受けています。健康を意識し、病気になりにくい身体づくりや心のケアができる本格的な健康施設なのです。

しかし、熊本地震や新型コロナウイルスの影響で計画通りの営業ができない状況が続いています。熊本地震から4年後に施設のリニューアルを行った後に、新型コロナウイルスによって観光庁から営業自粛の要請がありました。現在は、新型コロナウイルスも落ち着いてきたため、本格的な営業活動に取り組むための準備を進めています。

社員教育において力を入れている点

健康テーマパークであるため、社員がお客様の健康に役立つ知識を身に付けることが重要だと考えています。そのため、社員教育に力を入れており、外部の専門家に指導していただいています。直近では栄養学、運動学から食事や運動とそれらの効果的なタイミングについての講座を開きました。今後もお客様の健康にコミットするために力を入れていきたいと考えています。

また当社の大阿蘇レストランでは管理栄養士監修のもと、1つ1つの食事におけるカロリー量を明示しています。そして社員がお客様の気持ちに寄り添えるように、社員には低価格で利用させています。

健康経営にも注力しています。運動のきっかけ作りとして歩数イベントや椅子に座った状態でできるヨガストレッチの健康講座を開催しました。このような取り組みを続けたことで、2023年には健康経営優良法人2023(中小規模法人部門)ブライト500に認定されました。今後も従業員の健康維持増進に向けた取り組みを実施していくと共に、お客様への情報発信も力を入れていきたいと考えています。

今後の展望について

これからの時代において、自分が生きていく上での知識を身に付けることと、仕事の目的を理解することが非常に重要になってくると考えています。社員と接する際には、なんのためにその仕事を行っているかを問いかけるようにしています。 それぞれの仕事の目的を理解しながら進めてもらうことを意識しています。

今後も、社員の健康知識を高めつつ、お客様の健康に貢献できる施設として事業を展開していきたいと考えています。

氏名
北川勝幸(きたがわ かつゆき)
会社名
株式会社阿蘇ファームランド
役職
代表取締役社長