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(画像=artience株式会社)
関野 純二(せきの じゅんじ)
artience株式会社  執行役員 グループ人事部長
1995年東洋インキ製造(現artience)入社。
大阪、東京での営業・マーケティング経験の後、2008年7月人事部人材開発グループリーダーへ就任。
2019年4月グループ人事部長。2023年3月執行役員就任。現在に至る。
artience株式会社
artience株式会社は1896年に創業したファインケミカル素材の開発、提案を行う化学メーカーです(設立時名称:東洋インキ製造株式会社)。 色材・機能材、ポリマー・塗加工、パッケージ、印刷・情報の4つのセグメントで事業を展開し、エネルギー、エレクトロニクス、バイオ・ヘルスケア分野などに領域を広げています。
artienceグループは、世界の人々に先端の技術で先駆の価値を届ける会社として、感性に響く価値を創りだし、心豊かな未来の実現に取り組んでいます。
artienceグループの詳細について:https://www.artiencegroup.com

これまでの事業変遷と組織拡大の沿革

弊社は長年、多岐にわたる事業活動を展開してきました。弊社のビジネスは主に『色材・機能材関連事業』、『ポリマー・塗加工関連事業』、『パッケージ関連事業』、『印刷・情報関連事業』の4つのセグメントに分かれており、トーヨーカラー株式会社、トーヨーケム株式会社、東洋インキ株式会社という3つの中核事業会社を軸に進められています。

弊社の成長の基盤は、インキの事業から始まりました。そして、時代の流れと技術の進歩に伴い、他の技術要素への学びと適応を重ね、そして私たちはこれからも、新しい技術の探求と事業展開を通じて、業界の発展に寄与していく所存です。

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これまでぶつかってきた組織課題

弊社がこれまでぶつかってきた課題として、組織に長くいるほど、その経験から、考え方に固執してしまうことが多くなり、事業を超えた発想や客観的な視点などがなくなっていく点がありました。

そういった課題から、2018年には新卒を中心に、ジョブローテーションの制度を取り入れました。 具体的には、2、3年かけて事業について学び、残りの2、3年で実践ができるようにしていく制度を設計しました。 この制度を設けたことにより、最初のスタートの年は9割以上の人が異動しました。働いている社員からすると、いつもとは違う事業の進め方や技術を習得することができ、今後のキャリアに活かすことができます。 社員の中には、個人の生活や家庭を持っている方も多く、制度を設けた当初に比べ、一人一人のキャリアやワークライフバランスにあった制度の更新をし続けていきたいと考えています。

今の時代に必要な従業員との向き合い方

弊社では「安定」よりも「成長」を重視しています。従業員一人一人は全員が成長を望んで仕事に取り組んでほしいと願っていますが、実際は安定を求めている人が多いと思います。 不安定な現在において、組織全体を成長させるためにも、会社一丸となって成長のために舵を切っていく必要があると感じており、従業員に対しては成長できるような環境づくりを常に心がけています。

社員の成長を促す具体的な施策として、人事制度における重要な変更を実施しています。弊社では基本的に、幹部社員と組合員という二つのレイヤーが存在しており、製造業のその性質上、これまでの評価は個人間の差がつきにくい仕組みがありました。 そこで、今後は幹部社員に対しては相対評価制度を導入し、組合員に対しても評価制度を見直して、会社の経営理念や行動指標に基づく加点方式での評価制度を反映させる方針です。 この取り組みによって、個人の成果や役割に応じた評価制度へと変革を進めていきます。

従業員の価値(人的資本)向上に向けて取り組んでいることやこれから取り組もうと思っていること

弊社では、従業員の人的資本価値の向上に向けて、エンゲージメントの向上を目標に人事制度も改革しています。賃金制度の見直しや、目立った成果に対する適切な報酬の提供を通じて、従業員のモチベーション向上を図っています。

さらに、健康経営においても、私たちは7年連続でホワイト500に認定されています。健康保険組合と協力し、従業員の健康診断や食生活改善の支援に加え、重症化リスク予防にも注力しています。事業所内の診療所を活用した健康サポートも特徴的です。

男性の育休取得促進にも力を入れています。性別を問わず育休を原則10日以上取得することをルール化し、育休取得率の向上を実現しました。具体的には、インターネット内部掲示板への制度掲載、セミナーの開催、実際に育休を取得した社員による体験談の共有など、多角的なアプローチを行っています。

今後の展望と従業員への期待について など

今後の展望として、弊社では従業員一人ひとりの成長と主体性の重要性を強調しています。現代の変化に迅速に適応し、事業成長を牽引するためには、若手から中堅までの従業員が自らの挑戦を積極的に行う必要があると考えています。 そして、従業員が新しい挑戦をすることを全力でサポートし、その取り組みを奨励していきます。

今後の人事施策では、従業員の個々の挑戦が中心的な役割を果たすようになります。 そのため、意欲的なチャレンジを重視し、挫けずに取り組む姿勢や多様な価値観を受け入れ、その成果を正当に評価する体制を整えていきます。

氏名
関野 純二(せきの じゅんじ)
会社名
artience株式会社
役職
執行役員 グループ人事部長