この記事は2024年3月12日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2024年3月12日(火)の午後12時半に現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
現在の米ドル/円は上値が非常に重くなっている。そのため、上には行けず崩れると思い1週間ほど前にチェンジマインドしたのだが案の定そうなった。
ただ、下は146円ミドル割れでなんとか止まっている。もし146円を割れてくるようだと結構大きく145円台、場合によっては144円台後半辺りまで落ちてもおかしくないと考えている。ここからは売り方向でイメージしつつも、来週の日銀の政策決定会合まではふらついた値動きになりそうだ。
海外勢はマイナス金利解除に前のめりだが、自分のイメージでは、今回はマイナス金利解除には踏み切らないと思っている。日銀政策委員会のメンバーが9人いる中で5人を超えない限りマイナス金利解除とはならないわけだが、どんなに多くてもマイナス金利解除に賛成が5人は超えないと思うのでトータルで見れば現状維持になるだろう。
発表で現状維持となればヘッドラインを見て瞬間的にドルは買い戻されるが、その後「ただし○名のメンバーがマイナス金利解除に賛成した」となると4月は解除との見方が強まり、再び売りに傾きそうだ。しかしながら日本人の大半は4月だと思っている。
現在の為替相場の戦略やスタンス
今週の米ドル/円予想レンジは、144.70~148.50円。もう少し上に値を戻せば148円台にかけて売り場探しをしたいと考えている。
下はおそらく146.15~146.20円レベルで止まりそうだと思っているが、これが潰れた場合145円台となり、さらに潰れれば144.70円ということで予想レンジは一番外で設定した。ただ実際には145円は割れずに145.50円付近で止まる可能性もあると思っている。
日銀の政策決定会合は根本的にドルが何円も下がるような材料にはならないと考えており、その他の材料としては、3月中のレパトリが多少出てくるとは思うが、日本企業のレパトリであれば外貨売り円買いの玉は当然あるだろうが、昔のようにまとめて3月末にやる感じではないため、期末の円転はさほど多くないと考えている。
よって方向的には引きつけて売りで早めに決済しておき、来週の日銀を待ちたい。
▽米ドル/円の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。