ID為替レポート
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

総括

FX「日銀政策変更観測での動揺も落ち着き、年度末需給へ。貿易赤字改善せず」

ドル円=147-152、ユーロ円=160-165、ユーロドル=1.06-1.11



通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(10位)、株価2位(2位)、マイナス金利解除観測で動揺した市場も落ち着き、年度末需給へ。貿易赤字改善せず」
 マイナス金利解除観測あれど円安が続いている。3月の150円台の団子天井から、パウエル議長議会証言での「利下げ示唆」と日銀のマイナス金利解除観測でドル円は146半ばまで下落。その後は、一目の雲を駆け上がるように149円台まで戻した。米国物価指標が予想を上回ったことと、マイナス金利解除でも政府・日銀が、デフレ脱却や2%の物価上昇目標を盛り込んだ共同声明(いわゆるアコード)を当面継続し、金融市場に不測の事態が及ぶことを回避するとの報道が伝わり、ドル円相場が回復した。たった0.1%の金融政策変更でも市場は右往左往していたので、この報道は効果があった。落ち着けば、まだ世界との金利差は維持され、原油高を基に日本の貿易赤字が続けば、ドル円の急速な下落はないだろう。

 3月は決算月だ。リパトリと円買いと、期末の仕向送金(円売り)があるが、リパトリはある程度消化しただろう。3月28日(木)=29日は海外休日で送金できない=年度末までは円売りが優勢だろう。過去のデータでも3月下旬はドル高傾向がある。
 
 今週は2月貿易統計、3月PMI、2月消費者物価にも注目したい。最近の経済指標はマチマチ、10-12月の成長率はプラス0.1%へ上方修正されリセッションを回避したが、1-3月期法人企業景気予測調査は見通し悪化。賃上げが景気動向に反映されるかどうかは夏を待たなければならない。

(仲値動向基本)

3/18(月)休み明けの18日(官公庁など仕向送金あり)
3/19(火)休み前ゴトビ
3/20(水)日本祝日
3/21(木)休み明けゴトビ
3/22(金)金曜でやや多い

*米ドル「通貨3位(首位)、株価(NYダウ)11位(7位)、物価上昇で米金利とドルが上昇。利下げへのデータ不足」
 3月4日週に米ドルは最強の座を譲り3位に後退したが、先週は3位は変わらなかったが回復してきた。パウエル議長の議会証言での利下げ示唆でドルが下落したが、その後発表された2月消費者物価や生産者物価が、予想を上回ったために米金利、ドルが上昇した。フェッドウオッチではFRBが6月に利下げする確率は57.9%へ低した。パウエル議長発言時は70%あった。3月、5月は据え置き予想が強い。
今週のFOMCでは参加者の政策金利見通し(ドットプロット)が注目されている。

 選挙前でバイデン大統領までも「金利はもっと下がるに違いない」と発言した。中銀は独立性が重んじられる組織で、ことし秋の大統領選挙を前にした発言に波紋が広がっている。イエレン財務長官も、インフレは引き続き低下傾向にあると述べた。「ホワイトハウスの新たな予測は新たな「現実」を反映している。予算案における金利の想定は「合理的」で、大まかな予想と一致している。ただ金利が新型コロナウイルス感染症前の最低水準に戻る可能性は低いと思われる」と発言した。
 サービス価格の上昇や原油価格がなかなか下落しないことも物価に影響している。

 景気は少し陰りも見えている。2月の小売売上高は前月比0.6%増と予想を下回り、1月は1.1%減に下方修正された。3月ミシガン大消費者信頼感76.5に小幅低下。アトランタ連銀のGDPナウは2.3%と前回の2.5%から下方修正された。株価も冴えないのが気がかりだ。

*ユーロ「通貨5位(4位)、株価5位(6位)DAX)、米国より先に利下げか」
 年初来5位、強くもなく弱くもない。ユーロの為替についてはECB当局者からは、まったく言及されておらず問題はない。問題は弱い景気とインフレ懸念であったが、一番タカ派の独連銀ナーゲル総裁も「夏休みに入る前に利下げできる可能性がある」との認識を示した。ハト派のビルロワドガロー仏中銀総裁は「春に最初の利下げが行われる可能性は非常に高いと思われる」とした。夏迄では、4月11日、6月6日、7月18日にECB理事会がある。最近、利下げが後ろ倒しされる観測が強まってきたFRBより先に利下げする可能性が高まってきた。景気は相変わらず弱い。

 ユーロ圏の2023年4Q・GDPは、改定値で前期比ゼロ%と横ばい。成長率は年率換算でマイナス0.2%に転落した。独経済の回復が遅れ、個人消費や輸出が振るわなかった。インフレと利上げが個人消費の重荷となり、ウクライナ危機に伴う景気の冷え込みが改めて浮き彫りになった。 独経済省は月例報告で、今年初めの鉱工業生産、建設、対外貿易は改善傾向にあるが景気の顕著な回復は依然みられないとの見方を示した。「内需の低迷が続き、資金調達コストが高く、家計や企業マインドが引き続き冷え込んでいることが要因」と指摘した。

ECBはユーロ圏の物価上昇率見通しは25年に2.0%まで鈍化するとした.。利下げ環境が整ってきた。



*ポンド「通貨2位(2位)、株価16位(16位)、慎重ながらも利下げ予想が強まる。今週は政策金利決定」
 年初来、最強になったことはないが3位以内を堅持している。ECBとともに利下げ観測があるが、その中で現在の政策金利や消費者物価が高いのでポンドがやや高い。英中銀の四半期インフレ意識調査によると、英国のインフレ期待は英中銀が調査を開始した2021年夏以来の最低水準に低下した。英国の家計は今後122カ月で物価が3%上昇すると予想しており、11月調査の3.3%から低下した。

 ベイリー英中銀総裁は、制約的な政策がインフレ圧力の抑制に成功している兆候が見られるとした上で、中銀当局者はいつまで金利を高水準で維持する必要があるかという問題に目を向けつつあると述べた。
パンデミックやロシアのウクライナ侵攻によるインフレ高進がもたらす打撃を巡る懸念は1年前よりも後退していると指摘。ただ、見通しが改善したという証拠はまだ暫定的なものであり、世界はここ数十年よりも「不確実で危険な」状態にあるとし、「だからこそ、どれだけの期間にわたり、どれだけ制約的にする必要があるのかという問題を検討することが非常に重要だ」とした。

 ロイター調査によると、英中銀は3Qに利下げを開始すると予想されている。ただ最初の利下げは想定より早まるよりは遅くなるとの見方が優勢だ。
今週は2月消費者物価の発表がある。予想は3.6%で1月の4%から低下する。コアの予想は4.6%で1月の5.1%より低下する。消費者物価発表翌日に政策金利が決定される。前回は利上げ派2人、利上げ派1人とばらつきがあったが今回はどうか。

*豪ドル「通貨8位(9位)、株価12位(10位)、政策金利は据え置きか。RBAへの批判は続く」
 通貨8位、低迷も前週の9位から一つ順位を上げた。今週はRBA理事会がある。今回は経済の動向を見極めるため、政策金利を12年ぶり高水準である4.35%に据え置くとの見方が多い。
経済成長は基調を下回ると見ており、大きな上方サプライズがない限り、利上げではなく、RBAがどれだけ長く待ちの姿勢を続けて引き締め的な領域に留まるかがポイントだ。
 ハンターRBAチーフエコノミスト兼総裁補佐は、「豪の家計は現在明らかに苦境にある。一部の家計にとって、利上げも挑戦的で困難ではあるが、唯一最大の足かせはインフレだ」と語った。
利下げ時期についてロイターの調査ではエコノミストの意見が分かれた。回答した32人の内訳は11月が13人、6月が2人、8月が8人、9月が4人、2025年2月が5人だった。

 ただRBAには批判の声も強まっている。昨年11月の利上げは必要なものではなかったと。2023年4Q・GDPは前期比0.2%増と小幅な伸びにとどまった。その後の小売売上は減少した。RBAは、需要を押しつぶし、経済を減速させるために、金利を引き上げた。 消費者は金利上昇と生活費に対する圧力の影響を受けている。金融・財政政策はインフレ抑制から経済成長支援へと軸足を移す必要がある、などの声が上がっている。


*NZドル「通貨9位(8位)、株価15位(14位)、財務相は成長見通しの大幅に引き下げ示唆。今週はGDPP」
 ウィリス財務相は、今後数年の経済成長見通しを大幅に引き下げることを示唆した。 2023年3QのGDPは予想外のマイナス成長となり、過去の成長率も大幅に下方改定された。市場では追加利上げ観測が後退した。ウィリス財務相は、GDPに加え、最近の経済指標も予想を下回っているため、財務省が成長率予測を見直していると説明。今後数年の成長率が「従来の想定より大幅に鈍くなる」との説明を財務省から受けているとした。

財務省は昨年12月、2023/24年度と24/25年度の実質成長率が1.5%になるとの見通しを示した。今週は23年4QのGDPの発表がある。予想は、前期比。前年比も変わらず。リセッションの可能性も含んでいる。2023年4Qのデータが得られると、さらなる景気縮小が示されるだろう。

 政策金利は、5.5%でピークに達しており、中銀は2024年下半期に2回の利下げを実施する予想が多い。この見方の主な要因は、最近の景気低迷である。2023 年初めに景気後退に見舞われ、3Qにも縮小した。

テクニカル分析

*ドル円「華麗!雲を駆け上がり。団子天井から3σ下限への下落を半分以上取り戻す」
日足、団子天井から下落もボリバン3σ下限から中位近くへ戻す。3月14日-15日の上昇ラインがサポート。3月5日-15日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向く、20日線下向き。雲を駆け上がる
週足、2月26日週が5週ぶり週足陰線。先週は大陰線。今週はボリバン中位越えて戻す。1月1日週-3月11日週の上昇ラインがサポート。3月4日週-11週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
月足、今月は陰線スタートも下旬へ向けて下ヒゲ出しながら回復。1月-2月の上昇ラインを下抜くがそのラインまで戻る。23年4月-24年1月の上昇ラインがサポート。23年11月-24年年2月の下降ラインが上値抵抗。5か月線下向く、20か月線は上向き。
年足、3年連続陽線、今年も陽線スタート。151円後半がダブルトップとなっているが、そこへトライ中。22年-23年の上昇ラインがサポート。1985年-2022年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロドル「一時雲の上に出るもまた雲中へ下落。ボリバン上位は維持」
日足、一時雲の上に出るもまた雲中へ下落。ボリバン上位は維持。3月1日-15日の上昇ラインがサポート。3月14日-15日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向く、20日線上向き。
週足、先週は雲の上に出られず。3月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。3月4日週-11日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20日線上向き。
月足、2月は下押すも戻しほぼ寄り引き同時。11月-2月の上昇ラインがサポート。7月-12の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線上向き。
年足、2023年は陽線。ドルより強かった。22年はボリバン2σ下限到達し長い下ヒゲでサポ―ト。今年は陰線スタート。22年-23年の上昇ラインがサポートできるか。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円「ボリバン2σ下限から回復、5日線、20日線上向く」
日足、ボリバン2σ下限から回復。3月12日-15日の上昇ラインがサポート。3月5日-15日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向く。
週足、ボリバン2σ上限へ近づくも連続陰線後、先週はボリバン中位から回復。1月29日週-3月11日週の上昇ラインがサポート。3月4日週-11日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、11月-1月の下降ラインを上抜く。12月-1月の上昇ラインがサポート。11月-2月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線上向き。
年足、4年連続陽線。24年も陽線スタート。22年-23年の上昇ラインがサポート。08年-23年の下降ラインが上値抵抗。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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