ローソン<2651>の竹増貞信社長が15日の日本記者クラブでの会見でKDDI<9433>が実施するTOBについて、「ITで一人ひとりの顧客につなぐ」観点から選択したと語った。ローソンがKDDIとの競合で描く未来のコンビニの姿とは。
KDDIの資本参加でIT進化のスピード感に期待
ローソンは1975年の創業以来、情報システムの構築を手がけてきた。しかし、チェーン展開が進んでシステムを必要に応じて拡大した結果、「パッチワーク的なシステムとなり、ちょっとした改良でも大掛かりな作業が必要になった」(竹増社長)という。
KDDIと協業した理由については「KDDIは通信事業者であり、つなぐプロ。ローソンは顧客一人ひとりとつながるマーケティングを目指しており、通信事業者でもあり、つなぐプロであるKDDIが株主になることでシステム更新のスピード感に期待した」(同)という。
物流子会社の設立や買収は「検討していない」
ローソンは物流の「2024年問題」に対応するため、配送回数を1日3便から2便に減便する取り組みや、ワタミなど他社との共同配送も手がけている。「かつてコンビニでは物流網が競争力の源泉だったが、人手不足や二酸化炭素(CO₂)削減などの社会的課題を解決するために協力すべきだと考えている」(同)として、今後も物流での協業に力を入れる方針を明らかにした。一方で、物流会社の新設やM&Aによる取り込みについては「現在は考えていない」としている。
文:M&A Online